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安牌は必要か

こんにちは。

先日の麻雀の面白さの記事を書いてたくさんのいいねいただきました。ありがとうございます。

麻雀の魅力のところでも紹介しましたが、麻雀は不確定要素が多いゲームである以上、その人の深層心理が見えてきたりします。

それを考えるのが麻雀の面白さだと思いますし、ネット麻雀にはないリアルで麻雀を打つ魅力だと考えています。

麻雀の魅力はたくさんありますが、この記事では「安牌」の持ち方について考えています。

安牌とは

安牌とは、他家にロンと言われない牌です。立直している人が河に捨ててある牌はロンと言われません(仮に河の牌が待ちになっていてもフリテンというルールが麻雀にはあるので相手からはロン和了はできません※ツモ和了は可能です。)。
直前に上家から切られた牌も絶対にロンと言われることのない牌です(上家の切った牌が対面、下家のロン牌だったとしても同順内フリテンというルールが適用されるため)。

この安牌という言葉は一般的にもリスクがない、小さい、当たり障りのない、安全な、無難な選択という意味で用いられるようになりました。

麻雀において他家からロンと言われると他家の和了点を全て払わないといけないため、自分1人が点数的に厳しくなってしまいます

なので、ロンと言われないように手牌13枚の中に1枚ないしは2枚など安牌候補の牌を入れて他家から立直やドラポンなどの攻撃を受けた時に使うという用いられ方をします

安牌は必要か

それでは、この安牌は必要でしょうか。

個人的には、安牌は基本的にもっていません。

なぜ、安牌をもたないかというと麻雀において非常に大事な要素とも言えるスピードを犠牲にすることになるからです。

よく出る形で比較します。

A: 二三四七八(萬子)⑦⑧(筒子)34588(索子)西※西は場に3枚切れで国士無双を狙っている他家もいない状況

B: 二三四七七八(萬子)⑦⑧(筒子)34588(索子)

Aは両面両面の形で安牌候補の牌を手牌の中に1枚持つ形、Bは両面両面の形に七(7萬)と8(8索)の暗刻にも備える形です。

Aの形の受け入れは、六-九萬、⑥-⑨筒で最大4種16枚の受け入れがあります。そして、西という完全安牌が手にあるため、他家から立直が入っても1巡は押し返せる可能性が上がるというメリットがあります。

一方で、Bの受け入れの形は、俗に目一杯の形、完全一向聴とも呼ばれます。受け入れは、六-九萬、⑥-⑨筒以外にも七萬と8索の暗刻でも聴牌する形になります。受け入れは最大で6種20枚と2種4枚が増えます。

一向聴の形をA Bどちらの形を取るかというのは、未だに議論されるような永遠のテーマでしょう。

個人的には、Bの形を採用することが多いです。やはり、麻雀において大事なことは先制聴牌をとって立直をかけてその局の主導権を握ることです。

両面両面というと非常にいい形のように感じますが、受け入れは4種で麻雀牌は34枚あるので、単純に平均聴牌するまでは8.5巡かかります。
一方で完全一向聴の形は、6種20枚の受け入れなので、単純計算すると6~7巡となります。
平均すると1巡しか違わないのであれば、安牌を持てる分だけ両面両面の形がいいのではないかと思うかもしれません。が、麻雀1巡で局面はガラッと変わります。

ゲームで麻雀を打って牌譜を見るとわかりますが、1巡早く立直をかけていれば相手は、危険牌を押さずに押し返されなかったかもしれないということが結構あります。

麻雀は、基本的には先手必勝のゲームです。なので、いかに早く聴牌まで辿り着いて和了できるかが大事になるでしょう。

では、他家に先手を取られた時について考えてみます。
完全一向聴で余る余剰牌が先制立直をかけられて他家のロン牌になることを恐れている人も多いと思います。

しかし、先制立直や先制聴牌を入れられ、かつ自分の持っている余剰牌がロン牌だったという確率は思っているほどそう高くはないです。
相手が混一色や清一色などの染め手をやっており自分の持っている余剰牌が明らかに将来危険になる確率が高いのであれば、先切りするというのはアリですが、そうでもない時は相手の待ちまでは特定することが難しいです。
であれば、先制聴牌を目指して打って、相手から立直などの明確な攻撃が来てからオリて守備に回るというのが、トータルでの成績を考える上で非常に大事だとおもます。近代麻雀で渋谷ABEMASの松本吉弘プロが麻雀をやる上で怖いのは、放銃ではなく機会損失だと買いていましたが、まさにその通りだと思います。

安牌がなくて手詰まり放銃するということは、しっかりと安全度の順番に従えば、そんなに多くないです。仮に放銃になったとしても安全牌の順序に従って打てばトータルでの成績がマイナスになることはないでしょう。逆に安全牌を持ちながら打ち進めても途中で安牌が尽きることもあります。

安全牌の順番については、下記書籍にわかりやすく書かれているので、参考にしていただければと思います。


麻雀の守備については、下記書籍も非常に参考になります。MリーグでもU-NEXTパイレーツの船長として活躍されている小林剛プロと井手洋介プロが麻雀のオリや守備について非常に丁寧に解説されています。

手詰まって放銃するよりも、本来和了できる手を和了できずに相手の和了になってしまうことの方が状況として悪化します。三人麻雀をやる人は、ツモあがりが(ツモ損アリルールでも)結果に大きなウェイトを占めていることが肌で感じていると思います。

仮に放銃を回避したとしても他家のツモあがりやノーテン罰符で失点することが多いです。親被り(自分が親の時に子にツモられ、半分の点数を支払う)1000点〜3000点の失点ですが、その積み重ねが半荘単位で大きな点差となります。
Mリーグを見ても放銃0でも4位になっているケースは非常に多いです。Mリーグの場合は一流のプロ同士の対局ですから、放銃決着になることが少ないこと、流局が多いこと影響しているかもしれませんが。

なので、基本的には先制聴牌を目指して安牌を持たずに手を作ることがいいと思います。

とはいえ例外はある

とはいえ、例外はあります。

目一杯の形で攻撃に有効な牌だけを持つことは、サッカーで例えるならディフェンスラインを一気に上げて前線で勝負することに等しいです。
確率は低いと言ってもロンと言われる牌を残すことになります。

以下の場合は、安牌を抱えた方がいいでしょう。

  • ドラポンなど他家から明確な攻撃が入っており、自分の余剰牌が将来的に当たり牌になる確率が高く、かつ自分の手にドラもなく魅力がない

  • オーラストップ目など役なしで立直するつもりがない時

  • オーラストップ目で下の3人が競り合っている時(自分が無理に和了に向かう必要がない)

などです。明確に将来的な危険牌になるか役なし聴牌を取るつもりがない時以外は、一向聴での受け入れをMAXにするのが今では、セオリーでしょう。

失点を恐れるほどトータルで失点する罠

麻雀において失点を回避に重点を置くほどトータルではマイナスになってしまう皮肉になってしまいます。

1000点の和了手を和了しても勿体無いと考えて、相手の子に満貫をツモられてしまっては、失点は子で2000点、親で4000点となります。

相手に先手を取られて後手になってしまっては、南場で攻めに重心を置くことになりますから、どうしても放銃に回ることが多くなります。

であれば、1000点でも和了に向かうことによって相手のチャンス手を潰すことも非常に重要な戦略になります。攻撃は最大の防御と言われる所以でしょう。

これは、麻雀に限った話ではなく他のゲームやスポーツにおいても同じことですね。

転職や婚活でも、日本では年齢というのは大きな判断基準になると思います。

安牌思考になるとやはり、何事をするにも後手に回ってしまうので、将来的に苦しくなってしまいます。

私自身も麻雀を始めた頃は放銃を極度に恐れる思考で、和了を逃してしまいました。かといって放銃が少ないかというとそんなことはなかったです。

この思考は就職活動にも影響され、後手後手の対応になりチャンスを逃してしまいました。理想ばかりを追い求めてしまい、結局アピールすることもなく不採用通知を連発して、結局採用された会社もブラック企業でした。

安牌を持つよりもチャンスを狙うことが麻雀でも人生でも大切になると30代中盤になった今感じることです。

最後に

安パイについて記事にしたら最後は少し話が大きくなってしまいました。

Mリーグを見ても上位成績を上げているプロを見ると安牌を持つことなくガンガン先手先手で攻めることを強みにしているプロが多いです。

もちろん、守備力も成績を考える上で非常に重要な要素です。どんなに得点を上げても点棒を守る力がなければ、順位は下がってしまいます。

攻撃に重きを置きながらもバランスを考えて打たねいといけないのが麻雀の面白さだと思います。

この記事で麻雀をさらに好きになってもらえると嬉しいです。

記事は以上になります。最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。

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