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【モダン】4Cオムナス最新ガイド【CCF15位】

割引あり

こんにちは、べーす(@Dull04)です。
先日のCCF予選横浜に参加し、8勝1敗3分15位で$600を獲得しました。一方でプロツアーの権利は13位までとギリギリ届かず。常々「引き分けは悪」と友人を煽っていた私ですが、そのツケが跳ね返ってきました。反省しきりです。

カードパワーと費用はトップクラス

さて、今回プレイしたのはタイトル通りの4Cオムナス。本デッキには既にオムナスマスターのおたっくん氏(@otakkun_yuri)の記事、そしてBIGsもりしょー氏(@Toro1go)の記事が存在します。同記事は非常に有用なものの、デッキの根幹の部分については言及が無かったため、そこを補完する意図もこめた記事となります。デッキを組もうと考えている方、モダン環境について知りたい方は是非読んで頂けると幸いです。


■はじめに

「モダン環境の勝者を探せ。」
結果として《ギルドパクトの力線》、《各種諜報土地》による既存デッキへの大きなアップデートが存在したものの、『カルロフ邸殺人事件』のスポイラーを見た当初は弱いセットという感想でした。少なくとも、前回の「"発見"コンボ」のように環境を破壊するデッキは誕生しなそうな印象。そのまま当時の勝率ダイヤから、使用者が多いと目されるラクドス想起、ティムール続唱に強い4Cオムナスを選択。これが本戦の約2週間前です。しかし本デッキは参考となる動画や記事に乏しく、特にミラーマッチに関しては海外のものまで探しても全く見つけられず。MOでこそ3戦3勝を収めるも、勝因は全て時間勝ちと頭を抱えることになります。最終的に当日朝におたっくん氏に突撃し、「運!」との言葉を頂きました。ありがとうございました。

なおプレミアム予選を突破させてくれた、愛機エスパーコントロールは《ティシャーナの潮縛り》の登場によりデッキコンセプトが崩壊。《血染めの月》も環境に蔓延しており、選択肢としては早々に外れることになります。同系統としては青黒コントロールは純粋にパワー不足。グリクシス、4Cコントロールは《月》の影響を更に受けやすい上に再現性が低下しており論外。青白は《オーク》を使えないハンデ仕様という認識でした。

さて、このデッキを回して早々に再確認された弱点が圧倒的決定力不足です。《レンと六番》が土地を、《創造の座、オムナス》がマナをそれぞれ供給してくれます。しかしその使い道が除去と手札増強に偏っており、勝利へと直結しておりません。加えて伝説のパーマネントが多く、盤面を逐次除去されるとゲームが遅々として進みません。エース《激情》の禁止の影響を如実に感じさせられます。また、これに伴うマナフラッドの問題も深刻で、この2点は早急に軽減する必要があると感じました。
《オムナス》と《孤独》がおり、《レン》と《テフェリー》が並び、《指輪》がいくらでも引かせてくれてライフもある。なのに勝てない。引き分け製造機の名は伊達ではなく、改善案としてとあるカードを検討することにしました。

・赤マナしか要求せず、《宝物》を生成するため《月》耐性がつく
・フラッドしがちな土地の処理手段であり、《レン》と合わせると純粋な追加ドローとなる
・2枚反転するとフィニッシャーとなる
・《ハーフリング》による1→3マナのブン回りに貢献する
・MtGというゲームと相性が良い

そう、《鏡割りの寓話》ですね。

PT優勝保証人

上記のメリットに加え、《宝物》を生成する2/2の《ゴブリン》を無視できるデッキはモダン環境であっても多くなく、単純に1:2交換を要求する場面も多いです。初めは2枚で調整していたところから徐々に枚数が増え、最終的には4枚となりました。枚数が多い方が《キキジキの鏡像》が並びやすいこと。《ティシャーナの潮縛り》や《復活した精霊信者、ニッサ》とは異なりゲームの決定力に秀でており、序盤中盤終盤いつでも役割を持てることが最大のポイントです。

先にも挙げたように4Cという特性上、採用候補となるカードは非常に多く、デッキ枚数を60枚に絞るのは至難に感じました。総枚数を増やす誘惑に幾度も駆られましたが、サイドボードの重要性が高いモダン環境ではその1枚が勝敗を左右する可能性は十分に考えられます。何とか60枚に絞りましょう。それでは、具体的なリストの解説に入ります。

■個別カード紹介

●土地基盤について

まずは多色デッキの構築における最も重要な箇所についてです。
最序盤に要求されるのは《喜ぶハーフリング》の緑。除去の白。そして《レンと六番》、《寓話》の赤。青は《時を解す者、テフェリー》と《創造の座、オムナス》による要求が主で、最も遅く4番手。サイド後にカウンターを要求されるマッチで優先度が上がるといった感覚です。

・《島》《平地》《森》 各1枚
・《蒸気孔》《聖なる鋳造所》《踏み鳴らされる地》《繁殖池》
  《寺院の庭》 各1枚

マナを生む根幹となる部分です。回していて不満を感じることは無く、ここは既存のリストから変更する理由が見当たりませんでした。
《神聖なる泉》が入っていないのは2t目の《レン》プレイに寄与しないこと。序盤の《テフェリー》プレイに際し、青マナ源と白マナ源が散っていた方が都合が良いことが理由です。同様に《踏み鳴らされる地》の優先度も低いです。版図の相方不在に加え、1t目の《踏み鳴らされる地》から《ハーフリング》。これを除去されると3t目に《テフェリー》をプレイする難易度が跳ね上がります。例外は《寓話》があり、他に赤マナ源が無い場合。フェッチランドが複数無い場合は、当然ではありますがカードプレイを確定させる選択をします。2t目でのベストな組み合わせは《寺院の庭》+《蒸気孔》、次点で《繁殖池》+《聖なる鋳造所》。4色を揃えた上で、除去カラーの2色が被っていない方が良いという判断です。

・《溢れかえる岸辺》、《吹きさらしの荒野》各4枚
  《霧深い雨林》3枚、フェッチランド計11枚

4色デッキのマナベースを支える存在です。基本地形3種にアクセスできるものを選択しています。《レン》の"+1"能力で土地総数を伸ばす、《オムナス》の第2・第3の能力を誘発させるなど、フェッチランド無しにこのデッキを回すことは不可能です。中盤に《レン》で回収する場合は、デッキ内に残る基本地形にアクセスできるものを優先してピックすると良いです。
注意点としてはサーチ先が計10枚と限られており、安易に起動しすぎると最終盤でサーチ先が無く、《オムナス》の能力が起動しない場合があります。特に3つ目の能力を使う可能性があるマッチでは、起動せずにキープしておく場面が多発するので覚えておきましょう。
加えてこのデッキは中盤以降に色トラブルを起こすことは殆どなく、《オムナス》がいればマナ量に困ることもありません。中盤以降の《トライオーム》は"サイクリング"+《レン》のエンジンとなることを期待します。サーチ厳禁です。

・《ラウグリンのトライオーム》、《インダサのトライオーム》 各1枚

上述のドローエンジン兼、最序盤の色マナ要因です。多くのリストが2枚枠を割いており、私も同様としています。《孤独》のプレイ、《虹色の終焉》と《力線の束縛》の除去連打が存在するため、中盤以降に白2マナを生成できることは必須。となると、何れも白マナを含むものが望ましいです。その上で1t目の能動的なアクションとして《ハーフリング》のプレイがあり、これに緑マナを供給するため、版図達成には残る赤黒青白が必要。黒は直接的なプレイに関与しないことから、まずは《ラウグリンのトライオーム》の1枠が確定。次に版図達成の受けを作るために白黒を含む3種が候補となりますが、《ラウグリン》と色の被りが少なく、マナベースとしての役割を遂行しやすい《インダサのトライオーム》を選択しました。
バーンをはじめ《月》をケアする必要がなく、最序盤に除去をプレイする必要があるマッチでは、1t目、2t目にフェッチランドからそれぞれ《トライオーム》をプレイし、《力線》を置くことも少なくありません。

・《天上都市、大田原》、《耐え抜くもの、母聖樹》 各1枚

《レン》で回収できるユーティリティー土地。後者をメインに1-2枚、サイドに追加で取るのが一般的かと思います。このデッキが苦手とするトロン、アミュレットコンボといった土地デッキの対策となり、同系の《力線》を対処できる点で、1枚は必要という認識。折角の土地スロットということでメインに複数を詰めたくなりますが、ダブった時の弱さが尋常ではありません。緑マナは最序盤に供給していることが多く《オムナス》のプレイに寄与しない、そもそも《母聖樹》が当たらないマッチも多い、などと欠点も目立ちます。現環境では土地デッキは立ち位置が悪く、数も少ないと判断したため1枚のみの採用としました。
一方で《大田原》は最序盤に不要な青い土地ということで敬遠される傾向にありますが、個人的には積極的に取りたい1枚。《レン》との組み合わせは実質的な除去であり、自身のカードを守るカウンターです。《月》への受けとなる点も見逃せません。また対リビングエンドにおいては、《死せる生》解決からの逆転を担う重要なカードになります。このためにフェッチランドを1枚削っており、これが《復活した精霊信者、ニッサ》をカットした遠因となります。

・諜報土地について
タップインが許容できないターンが多く、既にトライオーム2種を取っていることから不採用としました。フェッチランドを多用する都合上、確実に得られる諜報1は確かに強力です。しかしフラッド対策が至上命題となるこのデッキにおいては、1ドローを再利用できることに軍配が上がります。加えてトライオームは単純なマナ基盤としても諜報ランドより優秀です。先述の通り優先度が低い、《踏み鳴らされる地》を変えてみるのは面白いかもしれません。

トータルの色カウントは赤15、黒11、青16、白16、緑17です。

●Tips!『その版図達成、本当に必要?』

《力線》は1マナでプレイできるに越したことはありませんが、別段2マナでプレイしても決して悪いカードではありません。実際このデッキの《沼》カウントは《インダサ》1枚のみであり、版図5を揃えるのは体感7割程度です。これを踏まえて、次の場面では何を持って来るのが良いでしょうか。

例題につきマリガンしろって指摘は無しでお願いします
切るなって指摘も同様です

先手3t目の相手終了ステップ、フェッチランドを起動してタップインを処理する場面です。手札には《力線》2枚と、《オムナス》があります。
それでは、下記4択からお考え下さい。

1. 《インダサのトライオーム》
2. 《ラウグリンのトライオーム》
3. 《繁殖池》
4. 《聖なる鋳造所》

私の回答は2. の《ラウグリンのトライオーム》です。
1. の《インダサのトライオーム》をサーチした場合、トップで《森》か《母聖樹》を引いてしまうと《オムナス》がプレイできません。持って来る順序が前後することもありますが、この緑被りは時々起こり、往々にして致死的な遅れになります。版図を達成し《力線》を1マナでプレイできるのは良いですが、4色の確保はそれより遥かに優先度が高いです。
3. の《繁殖池》は白マナ源を引かなかった場合に《力線》2枚や後引きの《孤独》がプレイできないためNG。マナの色だけを考えるのであれば4. の《聖なる鋳造所》でも良いですが、4マナ目が無いためアンタップインできる土地をデッキ内に残しておきたいです。《インダサ》が残っており"サイクリング"の択はまだデッキ内にキープできるため、この場では確定タップインの処理を兼ねて2. の《ラウグリンのトライオーム》を正解とします。

●クリーチャー枠

《喜ぶハーフリング》 4枚
"指輪物語"からの刺客その1。伝説のカードが多いために数多くのカードがカウンター不可となり、色マナの制限が無いために《レン》さえいれば無茶苦茶な色基盤であってもキープが可能となります。初手で引いたときに非常に強力で、対リビングエンドでは2t《テフェリー》による2killが存在します(後述)。同様に対イゼットマークタイドも除去されなければその時点で勝勢です。何故かタフネスが2と《オークの弓使い》にも体制があり、モダン環境最強のマナクリーチャーの名を欲しいままにする1枚です。

《創造の座、オムナス》 4枚
何故か1ドローが確約されており、4/4とスタッツも高い、最強クラスのシステムクリーチャーです。ライフゲイン能力が《一つの指輪》により手札へと変換されるようになり、マナ生成能力がそれを盤面へ展開します。もはや犯罪です。3つ目の能力は事前にフェッチランドを置いておく必要がありますが、同型で並んだPWを焼き払い、遅いクロックを1t分進められる点で有用で、時折起動します。
なお《オムナス》のプレイに際して1ドローが誘発するため、ここに除去を挟まれると土地をセットするタイミングがありません。実質的にターンが飛ぶことになるため、相手のクロックが並び、《指輪》のプレイが必須の場面では欲張らないことも大切です。ライフが必要な場合は相手ターン中にフェッチランドを起動することで、自分と相手のターンそれぞれ計8点ゲインすることが可能です。

《孤独》 4枚
CiPで《剣を鍬に》を飛ばすエレメンタル。絆魂能力が《指輪》と相性が良い一方で、今は亡き《激情》のような打点が無く、引き分ける原因を作っている1枚です。序盤さえ凌げば《指輪》でいくらでもカードを取り返せるので、必要な場合は積極的にピッチでプレイしていきます。この例外となるのが同型を含む対コントロール戦。フィニッシャーが限られているため、手札はともかく3/2というクロックそのものを大切にする必要があります。
また、非伝説ということで《鏡像》のコピー先になります。決まれば勝ちます。

●呪文枠

《稲妻》 2枚
《レン》奥義のフィニッシャーとして1挿しが主流です。現環境を定義する《サイ》のサイズが4/4と力不足なのは事実ですが、インスタントという1点を評価して2枚としています。今回のリストでは《寓話》を4枚採っている都合上《オーク》が効きやすくなっており、これを効率よく対処できるカードを増やしたい事情がありました。《力線》は1マナでプレイできない場面も多く、その場合は事実上の1tパスとなってしまいます。《虹色の終焉》で触れない《敏捷なこそ泥、ラガバン》の"疾駆"にも対応でき、現在の配分には満足しています。

《虹色の終焉》 3枚
アミュレット、鱗親和を主とした置物に触れる他、同型でも《指輪》や《テフェリー》を後腐れなく処理できる対応範囲が魅力。何れも環境上の総数が少なく、《稲妻》で役割を兼ねられる部分も大きいと判断したため3枚。対ラクドスにおいては"疾駆"や《オーク》、《悲嘆》が受からない一方で、《まだ死んでいない》には強いなど一長一短です。

●PW枠

《レンと六番》 4枚
このデッキの土地基盤を支える1枚で、間違いなく4枚必須です。フェッチランド1枚+αでのキープを許容してくれる存在であり、《緻密》されてもさほどテンポを失わない点も強力です。一方で現環境においてソーサリータイミングの1点火力には価値が薄く、中盤以降はただ土地を拾っているだけの場面も少なくありません。

《時を解す者、テフェリー》 4枚
鈍重なソーサリーデッキの保護者、兼パワーカード。本来であれば3マナの非クリーチャー呪文は隙が大きいのですが、《ハーフリング》がこれを否定しています。純粋なバウンス除去として、《指輪》の処理手段として、《寓話》再利用によるフラッド受けとして、役割の範囲は非常に広いです。4枚必須ではありませんが、"続唱"デッキをはじめ環境への通りが良いので4枚を推奨です。

●エンチャント枠

《鏡割りの寓話》 4枚
前述の通り今回のリストの特徴でもある、令和が生んだ超パワーカードです。フラッドしているなら2章の内に《テフェリー》で戻してしまいましょう。3章まで待つと《孤独》ドローの受けはありますが、除去に当たってしまいます。

《力線の束縛》 4枚
令和が生んだ超汎用除去。その軽減能力の緩さからあらゆるデッキに採用され、《力線》を《力線》されることもしばしば。このデッキにおいて《沼》カウントとなるのは《インダサのトライオーム》のみですが、2マナのプレイで既に十分強力です。マナに余裕があるゲームでは《レン》とのドローエンジンに回すか、手数を選ぶのかしっかりと判断しましょう。

また、同型や対コントロールで《テフェリー》を奪う際には要注意です。盤面に何もない状態で《力線》を《力線》で返されてしまうと、相手の白マナの続く限りドローされてしまいます。逆に自分の序盤の動きが弱い場合には狙っても良いかもしれません。

●《一つの指輪》 4枚

"指輪物語"からの刺客その2にして、現モダン環境最強のカードです。《オムナス》がライフとマナを供給してくれるため、機能すればすぐに手札が溢れることとなります。但し本デッキは"伝説"のカードが多く、手札があってもゲームが進まない場面が頻発します。《指輪》死はほぼ無いと言って良いですが、LOには注意です。
《ティシャーナ》を採っていると、アップキープの誘発スタックでドロー→ルーズ能力を打消、と非常に強力な動きが取れます。ライフに窮している場面で有用なテクニックになります。

●サイドボード枠

《ティシャーナの潮縛り》 2枚
前提として、このカードは4Cオムナスにマッチしたカードではありません。インスタントタイミングのカードは須らく除去であり、3マナを残すアクションそのものが弱い上に読まれがちです。何より《オムナス》でマナを生んだ後のアクションとなり得ないのが致命的です。また《ハーフリング》からフェッチランドを潰せば先後が入れ替わる、というのも詭弁です。3マナを残した時点で相手がフェッチランドを起動することはなく、《ハーフリング》が残るなら相手の手札に除去は無いため、《テフェリー》や《寓話》で自分の動きを押し付けた方が良いです。
それでもサイドに席があるのは、《原始のタイタン》擁するアミュレットタイタン、"続唱"デッキ全般に有用なため。トロン、黒単貴重品室の《大いなる創造者、カーン》や《指輪》にも当たるなど対応範囲はかなり広め。ナイスサイドカードという認識です。

《忍耐》
対リビングエンド用カード。《テフェリー》があるとはいえ、遅いクロックの前では《大田原》が間に合うことが多々あります。その保険の意味をこめて1枚。増加傾向にある今であれば、もう1-2枚は検討しても良いかもそれません。

《黒曜石の焦がし口》 2枚
対トロン、黒単用カード。前者には無いと勝てません。残り時間が少ない場面ではアタッカーを増やすべく、5/4/4飛行としてお呼びがかかることになります。《寓話》のコピー先としても優秀です。

《隔離するタイタン》
対同型専用カード。《約束された終末、エムラクール》が定番の枠でしたが、《ティシャーナ》の登場により決定打として不足することとなりました。一見《タイタン》も同様に見えますが、誘発タイミングが2度あるのがポイントです。7/10というサイズは無視できないため除去が必須となり、これに《ティシャーナ》への除去が間に合えば再度効果が誘発します。時間切れを防ぐためにも、《エムラクール》とのどちらか1枚以上は採用すべきです。

《狼狽の嵐》
対青デッキ全般に有効で、特に"続唱"デッキには信頼できるカウンターとなります。1マナと自ターンでのアクションを阻害しないのも良いですね。但し《緻密》に当たらないため、他のカウンターと散らして1枚のみの採用としています。

《夏の帳》 2枚
2種目の1マナカウンター枠。同じく《緻密》が貫通するものの、1ドローのおまけがあまりに大きく、対イゼットマークタイドで特に強力な1枚です。《思考囲い》、《悲嘆》を有するラクドス想起相手にもサイドインします。

《神秘の論争》
3種目のカウンターです。此方は《緻密》も消せるものの、《衝撃の足音》、《死せる生》といった"続唱"本体に弱いのが欠点です。今回はリスト公開性ということもあり3種散らしましたが、環境と好みによって可変の枠になります。

《至高の評決》
《ギルドパクトの力線》デッキの隆盛に伴い採用。対リビングエンドにも《指輪》による延命からの回答として有効です。マナシンボルが厳しいこと、置物に触れないのがデメリット。《仕組まれた爆薬》と悩んだ枠です。

《呪われたトーテム像》 2枚
対ヨーグモス、鱗親和専用カード。前者はクリーチャーを徹底的に潰すという動きが取れなかった場合《ヨーグモス》が現れた時点で数枚のドローを許してしまいます。これが《飢餓の潮流、グリスト》や《アガサの魂の大釜》に繋がると劣勢となるため、包括的な対策カードを採ることとしました。《虹色の終焉》を1枚削ったことを補完する意図もあります。自軍だと《ハーフリング》、《寓話》が影響を受けます。

《虚空の杯》 2枚
"続唱"対策。自身が誘発するためX=0で2枚並べることが不可能で、3枚取ると被りが頻発したため2枚としています。《テフェリー》と両方を持っている場合は、《緻密》にも当たる《テフェリー》からプレイします。両方にカウンターを切った場合は手札を4枚失うため"続唱"が1発止まりなことが多く、相手が《サイ》なら優勢です。《死せる生》は余裕で死に得るので、手札と相談してもう1枚カウンターを抱えるまで構えるのも選択肢です。

■不採用カード紹介

ここからは不採用としたカードの紹介です。最後まで悩んだものもあれば、検討すらしなかったカードもあります。

《敏捷なこそ泥、ラガバン》
先手の圧を更に高める1枚ではあるものの、ゲームレンジに合っていないと判断しました。また《テフェリー》と《寓話》は《ハーフリング》が無いと後手では間に合っていない場面も多く、これ以上先手用のカードを増やしたくなかった事情もあります。1t目に出したいため複数枚積むことになりますが、メタ上位のデッキにはサイズ負けする、あるいは1点火力が多く搭載されている点も評価を下げます。

《復活した精霊信者、ニッサ》
フェッチランドを絡めた《ニッサ》+3マナスペルの展開は目を見張るものがあります。しかし除去の前にはただの3/3のため、基本的には4t目に展開したいクリーチャーです。そして4マナ域には《オムナス》と《指輪》が控えています。一方でマナと手札が溢れる中盤以降ではどちらも不要であり、《ニッサ》を強力に扱えるタイミングというのは意外と限られます。
更に言えば、サーチの不確定性は常に不満の種でした。

盤面が空→《オムナス》
盤面に《オムナス》がいる→消極的《孤独》
ライフが欲しい→《オムナス》
除去が欲しい→《孤独》

このように欲しいカードは状況によりはっきりしています。中盤に《サイ》に押される場面が目立ったため、4マナ域の削減と確率傾斜のために《オムナス》を3枚としたリストも試しましたがしっくり来ず。最大のブン回りパターンを削っているのでそれも当然ですね。更に言えば、そもそもフェッチランドが無い場面では許容できない弱さを誇ります。
このように最大値が極大、それ以外は並以下という評価に落ち着き、常に安定した出力が出せる《寓話》を優先することになりました。3/3/3というサイズは非"昂揚"時の《邪悪な熱気》、《死亡》、非"紛争"時の《致命的な一押し》に当たらないものの、メリットとしては小さいです。

《拘留代理人》
《サイ》対策となるカード。その他多くマッチでのバリューが低く、除去された際のリスクが大きすぎてプレイできない場面が頻発したため即解雇に。採用するなら《エラダムリーの呼び声》がセットです。枠はありません。

《守護フェリダー》
《サヒーリ・ライ》コンボの片割れ。単体で弱すぎます。また、各種ピッチエレメンタルに当たる点を加味しても《テフェリー》との3枚コンボです。終盤の消耗戦でサクっと勝てるのは好印象ですが、フィニッシュ時以外に不要なカードをデッキに入れたくありません。

《機械の母、エリシュ・ノーン》
同型、アミュレットを筆頭に効くマッチでは劇的なカード。誘発が倍加するので《オムナス》が簡単に4点飛ばすようになります。一方で環境上位のデッキには全く刺さらず、誘発倍加も間に合わないかオーバーキルかのどちらかという印象。5マナという重さもあり、今回は削りました。

《約束された終末、エムラクール》
前述の通り、《ティシャーナ》の登場で肝心の能力が消えるようになりました。本体の13/13飛行も処理必須ではあるものの、《孤独》と《力線》が当たるため信頼できません。更に言えば《指輪》が出ているとゲームが全く進まないことも多く、能力自体の決定力も落ちています。

ストリクスヘイヴン産のこの枠が至高

《対抗呪文》
カウンターが欲しいのは事実ですが、青青要求はもう全く許容できる次元にありません。

《一時の猶予》
色シンボルが緩い一方で、根本的な解決にならない1枚。"続唱"に強いのは良いものの、他の軽量スペル全てに弱いこと、後手で特に弱いことが欠点。構える動きが弱いこと、1tを買ってもそこで大きく優位を取れるデッキでもないことから不採用です。

《ドビンの拒否権》
最序盤に青白を揃える動きが苦しく、"続唱"デッキ相手に常に2マナ構えるとテンポ損が著しいので全て1マナカウンターとしています。この間に《ティシャーナ》でクロックを刻まれ、《アノールの焔》でカードを稼がれる展開となりがちです。

《エラダムリーの呼び声》
サーチに2マナ使う動きが弱いです。サーチ先も特段選択肢が広い訳でもなく、自分の動きを優先したい今回のリストには合いません。

《星界の再誕》
そもそもカードとして弱いです。3マナスペルでありながら、キープ基準とならないのは致死的です。釣って嬉しいカードが多いことは認めますが、そもそも墓地に落ちているという状況が限定的であり、ドローによってもバリューが前後する点で不足です。《テフェリー》を釣って"続唱"を防ぎたい??《テフェリー》の居場所は墓地ではなく追放領域かデッキトップです。

《活性の力》
主なターゲットとなる鱗親和、アミュレットが少ないと判断。現リストは特にメタ上位のデッキに寄せてあります。

《サヒーリ・ライ》
《守護フェリダー》コンボの片割れ。《ハーフリング》が絡めば2t目に出せ、ドローの質を向上させられるのは良いのですが、役割に乏しすぎます。"-2"能力から《鏡像》が即起動するのは面白いですが、その余裕がある盤面は既に優勢です。コンボに注力する際に枠を大きく割く必要がある点も評価を下げました。

《ニッサの誓い》
《テフェリー》と合わせるとカードカウントを稼げるものの、《寓話》を採ったことで拾えないカードが増加。潤滑油としても《寓話》の方が優れていると判断したため不採用です。

《仕組まれた爆薬》
《ギルドパクトの力線》の登場により《ドラコの末裔》が流行、それに伴い全体除去の枠は《至高の評決》に譲りました。《精力の護符》、《硬化した鱗》など置物を流せるのは魅力的なので、そうしたデッキが流行っているなら常に検討できるカードです。

■個別マッチアップ

今回もインアウトとゲームプランを記載しますが、参考までにお願いします。サイド1枚の有無で相性が上下するマッチが非常に多いです。あくまで現リストにおける認識です。

●カスケードクラッシュ

先手《力線》4out、後手《寓話》2、《力線》2out

メイン : 五分  サイド : 微有利
先手後手が非常に重要なマッチになります。《ハーフリング》から《テフェリー》が通れば勝利ですが、《死亡》《火/氷》《緻密》《否定の力》とあらゆる妨害が飛んできます。このため後手の2t《テフェリー》はほぼ間に合いません。最も厄介なのが《緻密》ですが、メインではケア不能なため積極的にプレイしていきましょう。ただし3/3飛行が定着しないよう、4マナオープンに突っ込むのだけはNGです。また、一度《サイ》が出てきても、《オムナス》がいれば毎ターンの4点ゲインでごまかすことが可能です。このためにも序盤のフェッチランドは《ティシャーナ》に引っかからないタイミングで起動しましょう。《火/氷》で隙ができるのは致し方ありません。サイド後は《緻密》や《否定の力》を弾くカードと、《虚空の杯》や《ティシャーナ》のように"続唱"を防ぐカードが増えます。優位に戦えるようになりますが、相手からも《月の大魔術師》《血染めの月》が入ってきます。優先して基本地形を持って来るよう注意です。

●ドメインカスケード

メイン : 微有利  サイド : 微有利
純正3色から《ティシャーナ》や《アノールの焔》が抜け、《ギルドパクトの力線》と《ドラコの末裔》が増えたタイプ。2枚使って4/4飛行絆魂警戒という動きが《サイ》2体と比べて与しやすく、土地を伸ばす動きへの妨害がないため有利に戦うことが出来ます。《テフェリー》が"続唱"対策となりつつ、《ギルドパクトの力線》を退かせるのが良いですね。概ね返しの《末裔》アタックで落ちますが、大きくテンポを取れるので、他のカードを展開する余裕ができます。

●リビングエンド

メイン : 五分  サイド : 微有利
カスケードクラッシュ同様に《ハーフリング》からの《テフェリー》というご無礼ムーブがあり、通れば勝勢。但しクロックの遅さから、《大田原》に辿り着かれると大量にクリーチャーが展開されることとなります。現リストではメインに全体除去を取っていないため、ある程度クリーチャーが溜まった状態で《死せる生》が通るのが敗北条件です。《死せる生》に《孤独》を合わせれば壁+除去とできるのは有名なテクニックですが、《オリファント》と《気前の良いエント》が《孤独》との1:2交換を許さないサイズのため、昔程の優位性は無くなりました。中盤に余裕があれば《寓話》で《オムナス》を捨てておきましょう。サイドからは大量の対策カードが入ります。《テフェリー》の維持を最優先に、素出しされるクリーチャーを捌いていきましょう。

さて、無料範囲はここまでとさせて頂きます。
残る10種のデッキについても同様、あるいはそれ以上に解説しておりますので、興味を持って頂けた方は是非ご覧頂けると幸いです。

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