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神ゲーやるなら今『Cyberpunk2077 | サイバーパンク2077』


ゲーム概要

『サイバーパンク2077』は、巨大都市ナイトシティを舞台に、生存をかけた戦いに身を投じることになった主人公“V(ヴィー)”を操るオープンワールド・アクションアドベンチャーRPG。
外見からサイバーウェアによる身体強化、プレイスタイルまで、豊富なカスタマイズ要素を用意。無数の選択肢を通じて、自分だけのストーリーを語れ。
ナイトシティはレジェンドが生まれる街――そして君の伝説はここから始まる。
数多くの改良を重ね、無料追加コンテンツも実装!

Steamストアページ
https://store.steampowered.com/app/1091500/2077/?l=japanese

プレイ時間:DLC含めトロコンして120時間ほど

レビュー

既プレイ未プレイ、どちらもやるなら今

本作の発売日は3年前、2020年の12月だ。
発売前の時点でウィッチャー3開発元のCDProject REDの開発であったり、貴重なサイバーパンクSFのオープンワールドゲームということで注目を集めていたが、いざ発売されるとCS版では処理落ち、エラー落ちが頻繁に起こったり、進行に影響するバグやセーブデータが破損するバグなど、素材はいいがプレイするにはちょっとキツい状況だった。
Steamでの評価も一時期「賛否両論」にまで落ち込んだこともあったらしい。

だが、度重なるアップデートと、アニメ「エッジランナーズ」によるユーザーの復帰により、次第に再評価も進み、ついにSteam評価も「非常に好評」に返り咲いた。
ちなみにアニメ「エッジランナーズ」のレビューはこちら👇

また、2023年9月には2.0アップデートによる一部システムの刷新と、大型DLC「仮初めの自由」による新マップや新キャラ、新シナリオなど、続編レベルのコンテンツが配信された。

3年前の発売当初、『面白いかと聞かれたらまあ面白い、ちゃんとゴリゴリのサイバーパンクをこの規模で作ってあるゲームは唯一無二だから。でも人には勧めづらい。自分でもプレイしていてストレスを感じる点は多い。』
そんな評価だったサイバーパンク2077だが、ついに紛うことなく素晴らしい出来のゲームになった。

私は以前PS4で一度クリアまでプレイしたが、今回DLCが配信されるのをきっかけに再度1からPS5でプレイしなおした。

一部システムの刷新などもあるので、もし興味があったり、あるいはアニメの聖地巡礼をしたいということであれば今やるのがベストだ。もちろん、発売当初プレイして投げた人やDLCに興味ある人も今ならお勧めだ。

なお、PCのスペックが足りているならSteam版をお勧めする。
実はPS5だとまだ時折エラー落ちがある。オートセーブとロードの早さのおかげであまりストレスではないが。
また、コンシューマ版では表現上削られているシーン(具体的にはパートナーとのロマンスシーンや一部武器の見た目)があったり、Modを導入できる利点もあるので環境があるのであればSteam版の方がいい。


はい、この先ネタバレありです


シナリオが抜群に面白い

本作は一人称視点のオープンワールド形式のアクションゲームだ。
元がTRPGだけに世界設定が緻密で、ナイトシティを支配する巨大企業や地元に根付いた複数のギャング組織、周辺の荒野を縄張りとしているノーマッドなど、街を取り巻く勢力図はもちろん、2077年の先端技術であるインプランによる身体の改造や、魂・意識の電子化などSF好きにはたまらない世界を提供してくれる。


主人公であるVは相棒のジャッキーと共に、舞台であるナイトシティで傭兵稼業を営んでいる。成り上がりを目指してとある依頼を受けたVとジャッキーは、ナイトシティ有数の巨大企業アラサカの機密技術である『Relic』というデータチップを盗み出すが、トラブルの末、Vはその『Relic』を自分にインストールする。

だが、『Relic』というチップは、故人の意識データを保存し、それをインストールした人物の人格を意識データに沿って変えていくという代物だった。
Vがインストールした『Relic』に保存されていたのは伝説のテロリスト、ジョニー・シルバーハンドの記憶痕跡であり、何か対処をしなければ遠くないうちにVの人格はジョニーに乗っ取られてしまうことを知る。

『Relic』を取り除き生き延びるため、Vはナイトシティであらゆる人や組織を利用したり助けたり利用されたり助けられたり、時にはジョニーと罵りあったりコントしたり、ナイトシティを駆けずり回りながら生き延びる術を探し求めていく。

そんな本作、面白い要素は様々あるのだが、特筆すべきはやはりそのシナリオの奥深さにあると思う。

ストーリーラインとしては、巨大企業とギャングの陰謀に巻き込まれた主人公が、頭の中のテロリスト・ジョニーと共に生き延びる術を探す、という分かりやすいものになっているが、ナイトシティというトチ狂った舞台と『Relic』を含めたインプラント技術が状況や理解を複雑にする。

次第にジョニー・シルバーハンドの意識に乗っ取られていく主人公Vの自他の意識の境界線や死の境界線、そして、インプラントによる人間性とサイバーサイコの境界線、サイバーパンクだからこそ描写できる様々な「エッジ」を体験することができる。

本作はマルチエンディングで、『Relic』から解放されるために企業に盾突くか、あるいは企業の手を借りるか、ジョニーに肉体を譲るか、ジョニーを電子空間に送り出すかを選択することになる。
また、それまでのサイドシナリオで関わった勢力との協力を選択することもできる。
いずれにしても、企業に盾突くルートであればVは先の命は短くともナイトシティの伝説に名を連ねることになる。
また、企業に肩入れするルートでも、ジョニーから解放されはするものの、認知機能に影響を受けたVの余命はあと半年と告げられる。そこで地球に帰るか、自身もコンストラクトとなるかを選択することになり、いずれにしても太く短い人生が見えている。

そんな本編のエンディングに加えて、もう一つの答えを出しているのがDLCによって追加されたエンディングだ。
このエンドではDLCによって助けることになったソングバードやリードの協力と、新合衆国のサポートによって『Relic』から解放され、余命も極端に短くはならずに済む。
だが、その代償にVは戦闘用インプラントなど負荷の高いサイバーウェアを生涯身に着けることができなくなる。つまり傭兵稼業もできなくなれば、そもそもナイトシティでは珍しいほぼ生身の身体となってしまう。
そうして一般人になったVは、ひとりナイトシティの人ごみに消えていく…
このルートでVは主人公の座を降り、細く長く生きていく選択肢を手にしたのだ。それが良いか悪いかはともかく、如何ともしがたい物悲しさを感じさせるエンディングだった。

ロールプレイに徹してこその面白さ

本作では主人公の見た目はもちろん、スキルやサイバーウェアによる戦闘の仕方・ビルドを自分好みに変えることができる。

例えばエッジランナーズのルーシーのように、ハッキングとモノワイヤーに特化したビルドができたり、

腕から生やしたマンティスブレードや刀で空中を駆け回りながら敵を切り刻んだり(敵の身体切断によって発動するスキルもある)、サンデヴィスタンで時間の流れを遅くして無双したり、自分のHPを犠牲にオーバークロックしてハッキングだけで敵のシナプスを焼き切ったり、もちろんオーソドックスに銃火器で打倒していくことも可能だ。

DLCによってスキルツリーが刷新され、新たに機動性が上がるスキルも増えたことで、ただでさえ面白かった戦闘がさらに柔軟で爽快感のあるものに進化していた。

戦闘はもちろん、ストーリーで選択可能なVの発言なども含めてロールプレイに徹するのがこの作品を楽しむ秘訣だ。
元がTRPGだけにこのあたりの自由度に幅を持たせたのか、FPSということも相まってナイトシティに飛び込んだつもりでプレイするとより楽しめる。

DLCシナリオについて

前述しているが2023年9月に追加シナリオを含む有料DLC「仮初めの自由」が発売された。
このDLCは新規マップ「ドッグタウン」とそのドッグタウンで繰り広げられる新たなストーリー、そして複数の武器や勢力、音楽、本編への追加エンディングなど、続編レベルで完成度の高いコンテンツになっている。

特に素晴らしいのはやはりストーリーで、新合衆国大統領の乗ったシャトルが無法者の集まりであるドッグタウンに不時着したところからそれは始まる。大統領直属のハッカー・ソングバードに依頼されて大統領を救出したVは、今度はドッグタウンの頭目に囚われたソングバードを助け出すため、同じく新合衆国エージェントのリードやアレックスと共にスパイのように敵陣へと潜み乗り込んでいく。
その中で次第に露になってくる登場人物たちの関係性や裏の顔を前にして、Vは次第に誰を信じればいいのかが分からなくなっていく。
誰を信じ、誰を裏切るのかはプレイヤーに委ねられる。

スパイスリラーをテーマに綴られるストーリーは、演出もまた映画のように絵になり情緒的で素晴らしい。
個人的には、特にDLCシナリオでリード生存の場合のエンディング後のシーンや、本編に追加になった塔エンディングのミスティと話した後なんかは小洒落た良作映画を見た後のような読後感で思わずため息の漏れる出来だった。

まとめ

冒頭にも述べたが、やるなら今だ。
サイドシナリオも網羅してクリアしようと思うと100時間は超えるので是非とも時間のあるうちにじっくりプレイして、ナイトシティに没入してほしい。

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