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良くも悪くもマーベル映画みたいなゲーム『スパイダーマン2 | Marvel's Spider-Man 2』


ゲーム概要

二人のスパイダーマン、ピーター・パーカーとマイルズ・モラレスが登場する大人気「Marvel’s Spider-Man」シリーズが、新たな冒険と共に帰ってくる。

スイング、ジャンプ、そして新たな移動方法ウェブ・ウィングでマーベル世界のニューヨークを飛び回ろう。ピーターとマイルズが愛する街や大切な人々に最強のヴィランであるヴェノムの脅威が迫る。二人のスパイダーマンを瞬時に切り替えながら、それぞれが持つド派手な新能力とストーリーを体験しよう。

https://www.playstation.com/ja-jp/games/marvels-spider-man-2/
PS
 Storeより引用

プレイ時間

クリアかつトロフィーコンプリートまで26時間

レビュー

変わらず爽快な移動と戦闘

本作はPS4時代から「Marvel's Spider-Man」シリーズとしてインソムニアック開発、SIEパブリッシャーで続くシリーズの3作目にあたる(リマスター除く)
無印の「Marvel's Spider-Man」と本作の間には「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」というマイルズ・モラレスが主人公の作品がある。

オープンワールドのニューヨークを快適な操作性でスイングしたり、スピード感と爽快感がありながら、意外と歯ごたえもあるバトルも楽しめるシリーズとしての特徴を引き継いだ本作は、新たなスキルやガジェットによりさらにその楽しさが引き上げられた。

特にバトルにおいては複数の敵に対して強く出れるスキルやガジェットが増えた印象で、ワラワラ敵が生えてきてもガジェットのコンボで一遍に処理したり、スキルでパワープレイを楽しむこともできる。

もちろん難易度調整も可能なので、初心者でも十分最後までプレイできるはずだ。

移動に関しては通常のスイングはもちろん、今作から導入されたウェブ・ウィングによって滑空することできるようになった。
また、発売当初話題にもなったが、ファストトラベルのシステムがマップのほとんど任意の場所にシームレスで飛ぶことができるという驚くほど快適になっている。

とにかく普通にプレイしていてストレスを感じさせない設計になっていて、最先端のゲームというものを体感できるゲームになっている。

ところで、初代のころにあったMJ(ピーターの彼女)をプレイするパートは今作にもある。
初代では戦闘能力を持たないので、ステルスプレイを強要され、そこそこにストレスになっていた要素であったが、本作ではMJがステルスキルや射撃スキルを手に入れて戦闘能力が向上したので幾分かプレイしやすくなっている。
とはいえスパイダーマンのゲームやってて一般人を操作したくはないので、続編があればMJ操作パートはいらないなと思います。


それから、本作では主人公がピーター・パーカーとマイルズ・モラレスの二人なので、タッグで戦闘する場面も多い。
さらにはブラックキャットなどの他のキャラクターとの共闘もある。

共闘でのみ発生する演出などもあるので、
いかにかっこよく戦闘するかを考えながら操作するのも面白い。


サブミッションを持っとくれ

本作はメインストーリーとは別に、スパイダーマンに寄せられる住民からの依頼を解決するサブミッションが存在するが、その数がいささか少ないような気がする。
初代とかはもう少しあった気がするが、本作では10個あったかどうか?という感じだ。

代わりにちょっとしたミニゲーム的なアクティビティは数多くある。
が、結局のところそこにストーリー性は薄く、単純作業と化してしまう。

映画のような規模の大きいヴィランとの戦いもいいが、せっかくのゲームという媒体なので、親愛なる隣人として、住民との交流や色々な方向性を持った小話を楽しみたいという思いもある。
本作はストーリーがずっと暗い感じなので、サブミッションでスパイダーマンの日常を楽しめる要素があれば、『バランス』も取れたかと思う。


この先ネタバレありなのでご注意



クレイブン・ザ・ハンターの存在理由

本作のヴィランの1人、中盤の最後くらいまで敵となるのがクレイブン・ザ・ハンターだ。
クレイブンを主役とした映画が予定されているということなので、それの影響での出演かもしれない。

が、本作におけるクレイブンの役割はいまいちよく分からない。
序盤からヴィラン御用達の収監施設ラフトから移送されるスコーピオンやマーティン・リーを拉致したり、コナーズ博士をまたリザードマンにしたりと、狩りの獲物を作ろうとしているらしいのだが、なんかやり方が回りくどい。
スパイダーマンに執着してしつこいくらい戦わされたと思ったら、ヴェノムに対象を変えたり、そのヴェノムがヴィランとして安定してきたらあっさり退場するし、普通に性格も悪いので最初から最後まで株が下がり続けていく舞台装置然としていた。

周りのモブハンターもバトル中はやたら煽ってくるのでうるさいし。

なんかもう少しバックグラウンド描いたりとか、目的はっきりさせてそれに徹する姿見せたり、魅力ある描写の仕方はできなかったかと思う。
本作のもう一人のヴィランであるヴェノムはとりあえず豪快に街を破壊しまくるのでそれだけで魅力になっていたが…


逆にヴェノム周りは面白い

本作ではピーター・パーカーの親友ハリー・オズボーンが登場する。
ピーターとハリーの関係についての深掘りはストーリー上で丁寧に描写され、高校時代を追体験したり、MJも交えて遊園地で遊んでいる姿は微笑ましい。
そしてそんな良い関係を築いていた3人の関係に、シンビオートの力によってヒビが入り、ハリーがヴェノムに乗っ取られる展開と、それを何とか救おうとピーター、MJ、マイルズが奮戦する終盤は純粋に素晴らしい出来になっていたと思う。

また、最後はこれハリー死んだだろと思っていたので、生存していたことは素直に良かったと感じた…一方で、そういえばゴブリン出てなかったな…という気持ちになった。

ごりごりに続編匂わせしているので、いずれハリーもゴブリンになるのかな…とか思うが、いっそのことゲームでくらいはハリーに幸せになってほしい。


小綺麗な良作に見えて、人は選ぶかもしれない

先述の通り少し気になるところはあれど、ゲームとしてはやはり面白い。

映画のスパイダーマンを自分で操作したいとか、ニューヨークの街を自由にスイングできる爽快感を楽しみたいなら、本作はぜひおすすめしたい。
ボリュームとしてはあまり多くはないがゲーマーではない人にはちょうどいいとも思う。

一方で本作は時代の潮流に従ったポリコレ要素も欠かしていない。
ヴィランとの戦闘は結構しつこく続くので苦痛に感じるかもしれない。
そもそもスパイダーマンシリーズの履修がちょっと必要かもしれない。
そんな要素が様々含まれているので、手放しで誰にでもお勧めできるとは私は言えない。
敢えて言えば、良くも悪くもマーベル映画みたいなゲーム、という評価になるだろう。

あとフォトモードは神。


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