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さよならのプロポーズ。

ちっちです。
本日は所用のためイレギュラーな時間のアップとさせていただきます♪

突然ですが、ハッピーなシチュエーションってどんなものを思い浮かべますか。
例えばこどもが生まれる瞬間、誕生日パーティー、入学式や卒業式、そしてプロポーズの瞬間など。
一方で、全ての人にとってそれが幸せではないこともあるようでして。
今回は昔、私の知人に起きたことを書いていこうと思います。

(いつもの私の記事と毛色が違う始まり方ですが、しっかり目につながっています。記事の最後にネタバラシをするので、ご興味があればお付き合いくださいませ。)


さよならのプロポーズ。

これは私の大学時代の親友の友達に起こったこと。

親友の友達を仮にカリナさんとしたいと思います。
カリナさんには大学時代から付き合っていた彼氏がいました。

カリナさんと彼氏は大学で教育を学んでいました。
カリナさんは地元で教師になり、彼氏は地元の企業に就職。大学を卒業しても遠距離恋愛になることなく二人は愛を育んでいました。

社会人になって一年が経とうとしていた時のこと。
カリナさんたちは素敵なレストランでディナーをしていました。
おしゃれなレストラン。
美しくておいしい料理。
きらびやかな夜景。
ディナーが一区切りつくと、彼氏はおもむろに手のひらにのるくらい小さな箱を取り出しました。
その中には、ダイヤが輝く指輪が入っていました。
「カリナ、俺と結婚してくれ。」
彼氏は意を決して言いました。

これぞ幸せの絶頂のシーン。
しかし、なんとこの後カリナさんは大激怒したのです。

一体なぜなのでしょうか。
ちなみに私は、プロポーズのときに指輪を贈って彼女を怒らせたというのは、カリナさんのケースしか知りません。
みなさまはどうしてカリナさんは怒ったと思いますか?


プロポーズにはある事情があった。

実際のところ、カリナさんははじめ指輪を見た時、飛び上がるくらい喜んだそうです。
しかし、カリナさんは不思議に思いました。
なぜ今なのだろう。
二人はこのとき社会人一年目の新米さんです。
家族として腰を据える前に、勉強したいこと、自由なお金で遊びたいこと、たくさんありました。

それなのに今結婚?
カリナさんは彼氏が何かに焦っているように感じました。

カリナさんは率直に彼氏に尋ねました。
すると彼氏は言いにくそうに話し出しました。
「カリナ、実は俺、転勤することになって」
実は彼氏は数日前、会社に都会の支社に異動するように言われていたのです。
そしてそこは当時二人の住んでいるところから到底通うことのできない遠い場所でした。
彼氏は意を決して本当の気持ちをカリナさんに伝えました。
「カリナ、俺と一緒に都会で暮らしてくれないか。」

ところで。
私はカリナさんとは1、2回会ったことがあるのですが、とても活発で社交的。いるだけで場が明るくなるような人です。
そして人、こどもが大好きです。
カリナさんを見ると、こういう人が学校の先生を志すんだなと思いますし、こういう人に教わるこどもたちは幸せだと思います。
そしてもうひとつ、カリナさんは故郷を深く愛していました。
カリナさんの地元はどこまでも田園風景と山々が広がっている自然豊かな地。
住んでいる人々は皆穏やかで、多くの人が故郷を愛しており、カリナさんもその一人でした。
カリナさんは地元の教師になることで、大好きなこどもたちと大好きな故郷で暮らすことを選んだのです。

プロポーズの場面に戻します。
大好きな彼氏はプロポーズしたとき見知らぬ都会の地で二人支え合って暮らすことを望みました。
一方でプロポーズを受けるということは、彼氏と共に故郷を離れ、カリナさんの夢を諦めることを意味していました。

みなさまでしたら、どんな決断をされるでしょうか。


カリナさんが激怒した理由。

それではカリナさんの決断を書こうと思います。
先ほど書きましたが、カリナさんの場合、大激怒しました。

「何よ、この指輪」
カリナさんは静かに彼氏に言いました。
怒りで声が震えています。
「指輪を出せば、うまくいくとでも思ったの?」
ここまでプロポーズ成功しか想像していなかった彼氏の顔が真っ青になっていきます。

婚約指輪。
それは婚約をプロポーズの言葉以上に強く約束するものだと思います。
一方で婚約から逃れられないという側面もあるのではないでしょうか。
今回の場合、カリナさんはまだ結婚するつもりはなく、夢を追っている途中で、そんなとき突然婚約指輪を贈られたらどう感じるでしょうか。
婚約指輪はとても高価なものであり男性の精一杯の愛を形にしたものだと思います。
大好きな人からそれを受け取らないことが許されるのでしょうか。
女性がNOと言える余地を限りなく狭めていないでしょうか。

カリナさんは涙を湛えた瞳で彼氏をじっと見つめて言いました。
「あんたは卑怯だね。」

結局カリナさんは、指輪を受け取りませんでした。

二人はこの後別れたそうです。


婚約指輪の力。

みなさまはどう思われましたでしょうか。

私の浅い個人的な感想を書こうとすると、まずは指輪なんて用意せずに彼氏が「転勤先についてきてほしい」と相談していたら、また未来は変わっていたのかもしれないなーって思います。

とはいっても、彼氏が無茶苦茶悪いわけではないと思います。
カリナさんたちと全く同じでも、夢をあきらめて彼氏と結婚する人は多いのではないでしょうか。
婚約指輪を彼氏の覚悟と捉えるか。
はたまた束縛と捉えるか。
こういうのは人それぞれですよね。


実はこれは原案です。

ではでは、最初に書いたネタバラシの時間です。

ここまで読んでいただいて、「あれ?どこかで見た話だな」と思った方……
鋭い!
そう。
これは私のオリジナルまんが「まひるのヒーロー。」の原案の一部です。
第8話の婚約指輪のシーンはカリナさんのことを思い浮かべながら作りました。

主人公のまひるは彼氏との将来の価値観の違いに揺れ、彼氏よりも仕事を優先してしまう。
大切なお客さんに応えたい気持ちは本当。
苛立つ彼氏から突きつけられる冷たい言葉。
お互い譲り合えず。
決裂し、呆然とする彼氏は夜の公園をふらつく。
彼氏の手には婚約指輪が。
この日は実は、二人が付き合い始めてちょうど10年になる記念日だった。

うーん。
こうやってみるとできたものはだいぶ違いますね。
まんがの方はどっちもどっちのように描いていますが、実はカリナさんたちのことを思い浮かべながら作りました。


いかがでしたでしょうか。

今回はまんがの元ネタについて書いてみました。
元ネタがある場合、できたものは全くの別物でも自分で一からクリエイトするのよりリアルな雰囲気になる気がします。

そんなところで、今回の記事は締めようと思います。
なんだか長い記事になってしまいましたね。
ここまで読んでいただいた方ありがとうございました!

それではまたお会いしましょう。

では。

ちっち。

まだまだ未熟者ですが、もしサポートいただけたら資料購入に活用させていただきます😌✨