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心霊体験①

ワタクシ、これまでに幾つか心霊体験をしております。
心霊と言っても、恐怖だけではありません。ちょっと心が温かくなるようなこともあったり色々です。
そんなことを何回かに分けてお話出来たらと思います。

今回は初めての心霊体験についてお話したいと思います。

あれはワタクシが小学校2年生の夏の夜のことです。夜中に目を覚ましたワタクシは、妙な音がすることに気が付きました。最初は「ウゥ~~~」という音のようだったのですが、その音は時間と共に大きくなり、やがてそれが何であるかが分かりました。その音とは「お経を読む声」だったのです。

その音、お経の声はワタクシの頭上をグルグル回り、仏壇によくある「おりん」が時々「チ~ン」となっていました。家に仏壇は無かったので、そんなものが鳴るはずがありません。「何なんだ!これは!?」と怖くなり、タオルケットを頭から被り、何も見ないように目をギュッと瞑っていました。

しかし、お経の声は止みません。おりんもチンチン鳴っています。不思議なのは、タオルケットを頭から被って目を瞑っているのに、脳裏には私の頭上をお坊さんのような人が何人もグルグル回っているのが浮かぶのです。

どれくらい時間が経ったでしょうか。声がだんだん小さくなってきました。おりんも鳴っていましたが、「チーン」ではなく、時々「カツッ」という手で押さえた鈴を叩くような鈍い音が混ざるようになりました。声が小さくなったこともあり、恐る恐るタオルケットから顔を出し、勇気を振り絞って目を開けてみると、薄っすら外が明るくなっていました。それで安心したのか、ワタクシはそのまま眠ってしまいました。

朝、目が覚めると、別に異変はありません。いつもと同じいつもの部屋です。母親に昨夜のことを話しても「それは夢でしょ」みたいに取り合ってもらえません。まぁそれはそうとしか言えないでしょうけど、自分的にはそれは夢ではないことは確かです。かと言って、確かめようもありませんし、どうすることも出来ません。「何だったんだ、あれは??」と思いながら、ガラス戸に目をやると、ちょっと気になるものがありました。その部屋には、大きなガラス戸の上に通気口のような小さなガラス戸が組み込まれていて、そのガラス戸を押さえるストッパーのようなものがありました。何の気なくそのストッパーを弾いてみると、ストッパーがガラス戸に当たります。

「なるほど。そうかも・・・」

ストッパーがガラス戸に当たる音、それはおりんを手で押さえたような鈍い「カツッ」という音、夜中に聞こえたその音と同じだったのです。

ワタクシは「お経を唱えていたお坊さんが、時々窓ガラスを叩いていたのではないか」と仮説を立てました。何も確証はありませんが、そうだったのではないかと今でも思っています。

この話に結論はありませんが、実は興味深い話があります。あの稲川淳二さんが学生の頃に経験した話に、似たようなものがあったのです。寝ている自分の頭上を、何人ものお坊さんがお経を唱えながらグルグル回っているという話です。また、似たような話を別の人の話として聞いたこともあります。頭上をお坊さんがお経を唱えながら回る、それは人間に共通した何かであるということでしょうか。それはまさに、ユングが提唱する「集合的無意識」なのかもしれませんね。

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