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70.14:10 パリ・オペラ座で記憶喪失!?

スチーム式加湿器を導入して2日目。
最高です。
あの辛い咳から解放されました。
人生に潤いは必要だと再認識しました。


パリ旅行記をたまにnoteで書いている。

もう十数年前なのではっきりとは思い出せない部分もあるが、とても楽しい旅であった。
その中でも最もはっきり思い出せないもの。
それが、

「オペラ」

である。

食べ物ではない。
パリと言えば、あの総合芸術の「オペラ」も有名なのだ。

音楽をかじっていた者として、ヨーロッパでのオペラ鑑賞はどうしてもしたいことの一つであった。
勿論、以前書いたように「のだめカンタービレ」にはまった影響もあるが。

また、旅友も音楽関係の友人たちだったので、皆で意気揚々としてパリ・オペラ座を目指した。

パリのオペラ座は、ガルニエ宮とオペラ・バスティーユがあり、あの有名な建物はガルニエ宮で、バレエを中心に公演している。
オペラは主にバスティーユで行われている。

チケットを持っていなかったので、窓口でつたない英語を駆使して何とか入手した。
奮発して、前方上手側の席にした。

一旦ホテルに戻り、夜の公演時間までにフォーマルな洋服に着替えることにした。
私が着たのは黒のワンピースに茶色のブーツ(写真を見て確認した。)。
皆思い思いのおめかしをして、夜に備えた。

そしていよいよオペラ・バスティーユへ。
新しいオペラ座は近代的な建物で、日本のホールとあまり変わらない印象だった。
やはりパリと言えば、ガルニエ宮。
あちらでオペラが見たかった、というのが正直な気持ちであった。

しかし、本場でオペラが見られることに対しての期待は膨らむばかり。
自分たちの席に座ると、始まるのを今か今かと待った。
肝心の演目であるが、全く知らない新しいオペラであった。

そして、いよいよ開演。
フランス語のオペラだったため、全く分からなかった。
ただ、字幕が英語で出ていたので、それを必死で追いながら何となくあらすじをつかむ。
その間にもどんどん話は進んでいく。

そうしている間に、ついに「あれ」がやってきた。

そう、睡魔である。

クラシック音楽はものすごく睡眠導入効果がある上に、時差ボケ、旅疲れ、フランス語が分からずぼーっとする、座り心地の良い座席、などあらゆる「気持ちよく眠れる」条件がそろっていたのだ。
貧乏学生旅行。
大金をはたいて手に入れたチケット。
寝てしまうなんて、勿体ない。
そう思って必死に抗った。

しかし、徐々に重くなる瞼。
静かな音楽が流れる。

私は、眠った。

どれくらい眠ったのだろう。
周りの拍手で目が覚めた。
はい。
もう終わっていました。

恐る恐る周りを見回すと、私と同じように眠りから覚めた旅友たちの顔があった。
良かった、自分だけじゃない。
しかし、寝てしまった罪悪感もあった。

もう二度と行けないかもしれないオペラ座でのオペラ鑑賞。
悔しかった。
今なら笑い話であるが、当時は折角の機会を逃した自分が情けなかった。

もしまたパリに行けるとしたら、ぜひオペラ鑑賞をリベンジしたい。
その時は体調をばっちり整えて、臨むのだ。
絶対寝ないぞ、と強く誓ったのであった。

とは言え、そんな機会は今後来るのだろうか。
この円安だ。
なかなか遠いパリなのである。

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