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セルフマネジメント

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これまでの経験を振り返って思ったこと、自分自身のこと
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記事一覧

適応力

前回、「サバイバルの時代」について投稿した。コロナによって否応なしに変わってゆく周りの環境に今後はさまざまなカタチで最適化してゆかねばならない。 一方で飲食業を始め、経済的にダメージを受けている人たちは、いつになったらこの長いトンネルから抜け出せるのかという不安を抱えながら日々暮らしている。まさに「座して死を待つのみ」といった様相である。 変化に対応できたものが生き残れるダウィーンの進化論で有名なこの説を、考えてみると我々の日常で既に目に見えるカタチで明暗が分かれてきてい

サバイバルの時代

今年は東日本大震災からちょうど10年にあたる。震災当日、私は東京の会社の事務所で打ち合わせをしていた。東京では地震は良くあるので、そのときもすぐに収まるものだと軽い気持ちで考えていた。が、そうではなかった。事務所は最新の耐震設計が施されたビルだったので、まさか倒壊することはないだろうと思ったが、揺れは続き次第に激しくなり、空間がねじれ、壁が液状化したような、それまで経験したことのない命の危険を感じた体験だった。 一瞬にして東京の風景が変わった揺れは収まったものの、余震の危険

周りに生かされていること

親父が急逝して早いもので今年で3年目を迎える。軽い肺炎に罹り、1週間ほど入院すると連絡があって、その1ヶ月後帰らぬ人となったのはいまだに記憶に新しい。 その年の暮れに自分は当時働いていた会社を辞めてUターンすることを決意し、今に至っている。当時、親父は東京オリンピック開催が決まり、それまでは生きていたいと言っていた。しかし、その後こんな未曾有の状況になろうとは当時想像すらしていなかっただろう。 人生とは皮肉なもの母親は今、ボクの千葉の家の近くの施設で暮らしている。当時、認

戦略がある、とは?

前回、「戦術の寄せ集めでは勝てない」という記事を投稿した。だから、これからは戦略を考える必要性があることは理解していただけたかもしれない。 それでは、「戦略がある」組織や人というのはどういうことなのかについて、少し自分の考えをまとめてみたい。 やらないことが明確であること戦略がある組織や人かどうかを判断するのは割とシンプルだと思っている。その方法とは、「やらないことが明確になっているかどうか」。 戦略のない組織というのは、これが明確になっていない。たとえば一旦、やらない

優秀な人の見分け方

さまざまな縁で出会う方の中には優秀な人がいる。優秀という定義は、この場合、「実行力の高い人」ということで話を進める。ビジネスにしてもプライベートにしても、この実行力というチカラはとても重要だ。 一方、「頭の良い人」というのもある。この場合、学歴優秀で有名大学に合格するような人のことを思い浮かべて欲しい。こういうタイプの人たちはとても理解が早く、物事の本質を即座に理解できる。しかし、このような人たちが必ずしも、先の「実行力の高い人」とは限らないのだ。私の中では実行力の高い人の

自分の意思

最近の国会答弁を見ていると、プライマリーバランス黒字化を固辞する財務省および麻生財務大臣と、自民党西田参議の対立が興味深い。 この中で、恐らく麻生大臣は財政出動をさらに強化しなければデフレ脱却できないとわかっているはずだし、赤字国債を適度に発行する範囲内であればハイパーインフレは起きないとわかっていながら、財務省側の立場で発言していることがとても不思議なわけである。 本音と建て前結局、「本音と建て前」の世界なのだろう。しかし、これではいつか自分の中で自己矛盾を起こす。心理

想定外の想定

文部科学省によれば、2050年までに中国のGDPは日本の10倍程度になるという推計が出ている。コロナ禍でも中国はパンデミックを早期に抑え込み、前年対比8%増と日本とは違い、既に経済は復活を遂げている。そのため、2020年以降の予測はさらに前倒しになる可能性が高い。 低迷する日本と海外資本最近、ホテルや旅館などの買収を希望する中国系資本企業が殺到しているそうだ。ぐんぐん成長する中国資本が着実に日本に流入していることの証だろう。一昨年くらいからゲストハウスが流行し始めた際、

イシュー・ドリブン

最近、いろいろな団体を営業訪問している。その中であらためて思うのは、明確な課題意識があるにも関わらず、現実解を見いだせていない現状があちこちに散見されるということだ。なぜ、現実解を見いだせないのか、その理由を考えてみると、これまで受けてきた教育にその原因があるように思える。つまり、「ドリル型」と言われる答えが決まっている問題を解く訓練に長けていても、自ら目の前の状況を俯瞰し、その中で解決するべき重要な問題を見いだして課題設定ができること。また、それを解決するための数々の方法論

自己開示のススメ

相手との信頼関係を結ぶためには「自己開示」が必要だと言われている。そのためには相手より先に自分のことを話して自己開示をしてゆくことが有効だ。 自己開示するときの言葉の難しさ自分のことを今以上に分かって欲しい、また相手のことを今以上に分かりたい。信頼したい相手に対してはそう思うのが自然の成り行きだろう。しかし、その前提として互いに一定の信頼感がなければならない。 そして、自己開示するときには「言語」によってコミュニケーションをはかる必要がある。 他人というのは自分と生まれ

ペルソナマーケティング

「ペルソナ(persona)」とは、サービス・商品の典型的なユーザー像のことで、ターゲティングとはまた違うマーケティング上の概念。随分前からジオグラフィック(国や地域、居住地などの地理的属性)なセグメンテーションだけではマーケティングの効果が薄れてきており、ライフスタイルや趣味、価値観などより人間的な指向性に踏み込んだマーケティングが求められてきており、人物像の設定をより深くすることで効果を上げようとするものである。 複数のペルソナを持つ現代人ペルソナマーケティングが提唱さ

心の距離

人付き合いの中で、人は無意識に相手との心の距離を保っている。好感を持っている相手とは心の距離を縮めたいと思うし、逆に興味関心が無い相手に対しては一定の距離を保とうとする。 互いに心を開いた関係本来、多くの人は好感を持つ相手にはお互いに心を開いて、承認欲求を満たしたり、自己肯定感を高められる存在としてリスペクトしあうなどの関係性を求めている。それが互いの満足感を充足することになるし、それを望んでいるはずである。 ところで、子供たちはなぜすぐ友達になれるのだろうか。それは、お

ジョハリの窓

米国で1950年代、心理学者のジョセフ・ルフトとハリー・インガムによって提唱されたもので、心理学の嗜みのある方にとっては良く知られたモデル。 どんなものかこの図が全てなのだが、人間関係において自分と他人との関係性を示すもの。 「開放の窓」 自分も他人も知っている自己 「盲点の窓」 自分は気がついていないが、他人は知っている自己 「秘密の窓」 自分は知っているが、他人は気づいていない自己 「未知の窓」 誰からもまだ知られていない自己 という4象限からなるもので、簡単

デジタル・デトックスについて

昨日、Clubhouseの話題で「デジタル・デトックス」について意見交換があり、とても興味深く聴かせていただいた。これは、スマホ依存がエスカレートしている今、少しデジタルから距離をおいて依存度を減らしたほうが良いのではないかという話である。 私こと完全にデジタル依存症と言える。仕事がらITに関わる日常ということもあるし、サラリーマンだった頃は仕事が全て情報管理されていたし、ボスからメッセンジャーでどんどん指示が飛んでくる。そういうプレッシャーの中で日々生活していたのだから、

概念を超えた理解

最近、國分功一郎さんの著書「中動態の世界」を読書会で知ることとなった。読書会に書籍の着荷が間に合わなかったので、概要だけ聞いていたのだが、正直、頭をハンマーでガツンと殴られたような(普通、殴られたら死ぬだろという突っ込みは置いておいて)衝撃を受けた。 この書籍によれば、「能動態」と「受動態」の外側に「中動態」という世界があり、言語学的に実は歴史を辿ると、そもそもは「能動態」と「中動態」が存在し、「受動態」はその後からクローズアップされてきたのだという、誤解を恐れず簡単に言え