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本当に効果があった英語勉強法を公開します。[前編]

英語を勉強した理由

冒頭の写真は1年間で使った英語の参考書の山です。高校2年生のお正月、アメリカの大学に進学することを決めました。東京で生まれ東京で育った私は、アメリカという国にいつも憧れていました。勉強の大変さや、家族や友達から離れ離れになることは、その好奇心の前では微々たるものに思えました。食事や文化の違いすらも、当時の自分にとっては単に興味をそそられるものでした。

高い授業料も奨学生になれば賄える。ただ一つの問題は英語でした。アメリカの大学に行くにはTOEFLという留学生向けのテストと、SATというアメリカ版センター試験のようなテストを受ける必要がありました。また、仮に大学に受かったとしても、当時の英語力では授業や生活に支障をきたすことは誰の目にも明らかでした。

ということで、海外大学への進学を決めた2016年1月から、大学への出願が終わった2017年1月までの1年間、私は毎日を英語に費やしました。その結果、無事アメリカの四年生私立大学に進学し、今年でアメリカ生活も3年目となりました。今回はその1年間の英語学習のプロセスをシェアさせていただきます。少しでも日本で英語を勉強する人たちの参考になれば幸いです。

1-3月:【音読】速読英単語シリーズ

アメリカに行くと決めた正月休みの朝(1月3日だったと思います)、本屋に行き、英語の学習書を2冊買いました。Z会の速読英単語(必修編)と速読英熟語(CD付き)。受験英語の鉄板として多くの受験生に愛用されている速読シリーズは、知っている人も多いかと思います。

インターネットでリサーチした方法に自分なりのアレンジを加えて、毎日2-3時間、約2ヶ月半の間、1日も欠かさないことなく音読の勉強をしました。勉強を始めた時の私は、リスニング、リーディング、発音、語彙、すべての面で基礎ができていませんでした。振り返ってみると、この音読は基礎を築くためには最良の方法でした。

勉強するのは、1日1パッセージ。1分程度で読み終わるこの文章を10回繰り返します。その一回一回にそれぞれ目的があります。

1回目。文に目を通す前に、まずは普通のスピードで聴いてみます。何について話しているかわかったところで、2回目。わからない単語はノートにメモしておきます。この2回はリスニングの練習になります。

3回目の前に文章を黙読します。ここで、隣ページにある日本語訳は見ないこと。わからない単語は蛍光ペンなどで印をつけます。文を読みながら、もう一度音源を聞きます。

4回目は声を出して音読。先程聴いた音源にできるだけ近い読み方を心がけます。ここで、日本語訳を見て、文章の意味を確認します。

文章の意味がわかったところで、単語の確認を行います。次ページの単語を一つずつ、ノートに写していきます。この時、単語の他の意味、注意点などを全て写すようにしました。本に書いてある情報をひとつ残らず頭の中に刻むようにノートを取ります。CDを使って発音の練習もします。

5回目。文の意味がわかったところで、もう一度音源を聴いてみます。6回目。文章を見ながらCDに合わせて音読します。CDについていけないところを練習して、7回目。つっかえたところは音源を一時停止して、読めるようになるまで、何度でも繰り返します。

音源のスピードを上げて8回目。ここまでくればもう文章の内容はほぼ覚えているはずです。9回目は本を閉じて、CDに合わせて音読します。もう一度スピードを上げ、本を閉じたままで10回目。

慣れてくると、これが大体1時間程度でできるようになります。これを英単語と英熟語それぞれ一パッセージずつなので、約2時間。2ヶ月あれば終わる計算になります。

ただ、これはあくまで基礎の練習。これに加え、CDの音源をスマホやiPodに移し、通学路や休み時間の間、四六時中音読します。当時は道行く人から白い目で見られることもありましたが、気にしないで続けました。

本も常に持ち歩き、暇さえあれば単語の意味やフレーズを頭に叩き込むように、前日習った文章を繰り返し読みます。時間がある週末は、最初の方の文章も復習して、忘れないようにしましょう。

2冊が終わる頃には、英語の発音は見違えるほど上達していました。リスニングも、最初は1回聴いただけではなにもわからなかったのが、1回で大体の意味は掴めるようになっていました。こちらがアマゾンのリンクです。私はCDを買いましたが、音声はZ会のウェブサイト上で無料ダウンロードできるようです。

速読英熟語の方は音声がダウンロードできないようです。

このシリーズの秀逸なところは、学習したフレーズが後々のパッセージで繰り返し使われている点です。違う文脈で同じフレーズを見る機会が多いほど、私たちの脳はそのフレーズを覚えるようにできています。

正確な比較はできませんが、この2冊を終えた時点でTOEICレベルの文章は読めるようになっていたはずです。リーディング、リスニング、スピーキングの基礎を同時に築くことができていました。

4-6月:【英単語】DUO&ピーナツシリーズ&TOEFL対策

さらに語彙を増やすために、英単語DUO3.0と英単語ピーナツ(銅、銀、金)を使いました。どちらも同じように、フレーズや文をノートに写し、単語、熟語の意味をその隣(または下)に書き取ります。

こちらも、音源をiPodに入れて四六時中リピートしていました。もちろん、音声に合わせて声に出して練習します。速読シリーズと同じように、本も持ち歩いて頭にフレーズを叩き込みました。3年経った今でもいくつかのフレーズは覚えているほどです。

英単語DUO3.0は単語を短文で覚えるという構成で、これもまた大学受験会ではよく知られた名著です。CDは基礎用と復習用がありますが、速読シリーズでリスニングの基礎は出来上がっているはずなので、復習用だけで十分です。

英単語ピーナツシリーズ(CD付き)は、単語を2つセットで覚えるという非常に面白い構成で、銅、銀、金の順番にレベルが上がっていきます。金メダルはTOEFLやSATのレベルだったと記憶しているので、日本の大学受験には必要ないはずです。

気を付けること

このように、最初の半年間は基礎となる単語、熟語の知識をつけること、読む・聞く・話すの基本をマスターすることに集中しました。この時期は上達している感覚がわかりにくく、勉強も地道なスタイルなので、本当に意味があるのか不安になることもありました。

しかし、何度も言いますが、振り返ってみると、英語の基礎ができていなかった当時の自分にとって、この時期は本当に重要でした。なんの勉強でもそうですが、特に言語では、知っていることが多ければ多いほど、新しいことを覚えるのが非常に簡単になります。

文を読みながら単語やフレーズを覚えていくと、次第に英語の「型」のようなものが、なんとなく感覚で分かるようになってきます。音読でも、強弱のつけ方、呼吸の入れ方などは、毎日の繰り返しの中で少しずつ体に染みついていくものです。

このように、言語学習は経験とコツが非常に大切な分野だと思います。最初は苦しくて大変ですが、後々報われると思って頑張りましょう。

と同時に、頭を使って勉強することの大切さも忘れないでください。例えば、ただ新出単語を書き写すのではなく、すでに知っている単語との関連性を意識する。作業的に10回読むのではなく、一回一回、意味を考えながら読む。ただ適当に発音を真似するのではなく、スペルと発音の関連性を考える。

こういった細かいところに意識することを2か月、3か月と積み重ねていくと、先程の「型」、あるいは「コツ」のようなものが身についてきます。もう一度、言語の学習に限ったことではありませんが、

1.基礎を大切にすること

2.頭を使いながら学習すること

この2点を忘れないようにしてください。

残りは後編にて

記事が長くなってしまったので、残りの半年間については後編に書きます。ただ、日本の大学受験やTOEICが目的であれば、純粋な英語力という点ではここに載せた勉強法で十分な筈です。難関大学受験などでもう少し難しい単語が知りたい人は速読英単語の上級編やピーナツの金メダルをやってもいいでしょう。後編はTOEFL、SATといった、アメリカ留学を目指す方のための勉強法になります。

後編は7-8月:【会話】、9-12月:【受験】、1月:【出願】エッセイ、という構成になります。また、留学直前の準備期間、留学してからの英語学習法にも触れたいと思いますので、お楽しみに!

ご質問などあればお気軽にコメントしてください。アメリカへの留学を考えている方がnoteにどれほどいるかわかりませんが、お役に立てれば幸いです。

Have a nice day!

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