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【ブックレビュー】ライオンのおやつ

私はいつも「死にたい」と思って生きている。自分の最期がどういう風になるのかばかりを考えている。

だから、「長生きして色々な世界を見たい」と語る人は、自分にとっては眩しすぎるし、近寄りがたいと、いつも感じる。私は早く死にたいのだ。それも、できる限り、はやく。

でも、私は自分で死を選ぶことはしない。そう決めている。もちろん、今のところは、だが。生きているのではなく、生かされていると思うから。

人は、生を受けたそのときから修行が始まっている。生きることは行なのだと、いつも思っている。

そのことが、ストイックさみたいな風に周囲には映るのかもしれないけれど、私は、この生き方を不幸であるとは思っていない。幸せであるという価値観が「希望」や「キラキラしたもの」でなくてはいけない理由はないはずだ。日々、命を頂きながら、感謝をしながら生きていく。それは十分に幸せなことだと思う。

何かを羨ましく、生に希望を抱きしがみ続ける人生は、私には合わない。それこそ自分を不幸にする感じがする。たくさんの経験は要らない。希望を頂かず、流れに身を委ね、目の前のことをできる限りの精一杯で対峙し、得られた出会いや経験を大事にする。そして、神様の思し召しに従って最期を迎える。それが私にとっての「生きる」だ。

そのときまで、自分の目の前に降りかかって来るものは全て「行」なんだと思っている。良いと感じることも悪いと感じることも。それらは自分の感じ方次第で変わるものだから。

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この文章が私自身のことなのか、この本を読んでいてただ感化されて紡ぎ出されたどこかの物語の主人公の話なのか、自分でも正直よく分からない。たぶん、半分は自分のことであり、たぶん、半分は創作の世界のことなんだろうと思う。自分のことなんて分かっているようで何にも分かっていないのだから。

ワクチンに異物が混入していたって、それによって自分の身体が拒絶反応を起こすのか、そうじゃないのかだって分からない。その程度のこと。何もかもを知ろうとすることはきっと傲慢なのだ。

だから、きっと紡ぎ出される文章だってそういう曖昧なものでしかないのだと思う。

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今日私は、とても素敵な本と出会いました。
そう、それはたぶん、ぬくもりの物語。

◾️ ライオンのおやつ
https://is.gd/KDGG69

#ブックレビュー  #小川糸 #ライオンのおやつ

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