アルジャーノンに花束を

読んだ〜。

翻訳された本だけど、すごく日本語と相性が良いと思った。一人称視点の日記形式で進む物語は、知的障害を持った主人公が手術を経て、知能指数を上げるけど、徐々にまた知能が落ちていってしまう。その過程が文章の表現や誤字や脱字で丁寧に描かれている。日本語の漢字カタカナひらがながすごくマッチしているに感じた。原本の英語ではどのように表現されてるのかな。

知らなかった方が幸せなこともあるし、知って初めて気づくこともある。
手術前のチャーリイは周りの人と対等で友人だと思ってたけど実はただ障害者として馬鹿にしていただけだっと手術後に気づく。知能指数をどんどん上げて、周りの研究者ですらを下に見る。恋をしたり、過去のトラウマに何度も引っ掻き回されたりする。アルジャーノンの後を追うことを少しずつ理解する。その過程が全部荒削りで見ていて切なかったし、苦しい。

でも、小さい頃のチャーリイも賢くなる前のチャーリイも手術後のチャーリイも元に戻っていくチャーリイも結局ずっと優しさに溢れているんだよな。「アルジャーノンに花束を」読む前と読んだ後ではタイトルの重みが全然違う。

名作なだけに読んでよかったと思った。

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