高川学園と北海の独断と偏見レビュー
第98回全国高校サッカー選手権、高川学園と北海の独断と偏見レビュー。
前半はセーフティサッカー
試合の前半は完全に北海のペースだった。
北海はFW18番寒河江のフィジカルの強さ、FW14番湊のスピードを活かし、効果的なパスも使って攻撃を組み立てていた。
前半に放ったシュートは5本、一方の高川学園はゼロ。
決め手に欠けた北海に助けられた感は否めなかった。
ジェイ氏のツイートにもあるように、前半はセーフティにという印象が強かった。
相手ブロック内へのパスはほとんどなく、解説者が指摘していたように、ポジトラ時でも一旦後ろにボールを下げることが多かった。
北海に守備の陣形を整える時間を与えてしまい、攻め手がなくなっていたように見えた。
後半のメンバー交代とシステム変更
前半のセーフティサッカーに、強力アタッカー陣がベンチスタートだったため「後半勝負なのか?」と感じたのかもしれない。
後半開始早々、高川学園のベンチが動く。
県予選決勝で決勝点を上げたFW20番河野が投入され、後半49分にゲームが動く。
コーナーキックからファーサイドに飛び込んだMF13番内田が待望の先制点を上げた。
やはりセットプレーは試合の流れに関係なくゲームを動かす。
これまで優位に試合を進めていた北海だったが、自分たちの得意とするセットプレーからの失点は、彼らに何かしらの影響を与えたはずだ。
ここから試合は高川学園の流れになる。
守備時は5バックで対応するシステムに変更。
3バック+両WBといった方が的確だろうか。
FW9番土井やDF14番末永を投入し、堅い守備を構築しながらも、前半と比べて明らかに攻撃の時間が増えていた。
放ったシュート数は前半と逆転し、高川学園が5本で北海は2本。
北海は最後まで高川学園の牙城を崩すことができなかった。
主将渾身の1点を守り切り、高川学園が1-0で勝利した。
高川学園の選手層の厚さ
県予選ではメンバー外だった大型FW19番中川をスタメン起用。
同じスタメンのDF22番三浦も、県予選では出場機会のなかった選手。
FW9番土井のような高速ドリブラーが後半からフレッシュな状態で出てくると、相手はたまらないだろう。
国体3位に貢献した14番末永も短い出場時間の中、高いパフォーマンスを示した。
同じく国体経験のあるDF16番今田がゲーム終盤に登場するなど、やはり高川学園の選手層は厚い。
選手交代を効果的に使った高川学園の見事な戦略も、勝利の要因のひとつである。
2回戦の対戦相手は名門仙台育英
2回戦で対戦する仙台育英は、その歴史や背景が高川学園と類似しているチームである。
選手権には3年連続34回目の出場、宮城県では屈指の名門校。
最高成績はベスト4だが、最後の4強入りは1965年まで遡る。
今大会は「2回戦の壁を越える」ことを目標としているように、最高成績のベスト4以上、2回戦突破を目標とする高川学園と重なる。
今の高川学園の選手層の厚さをもってすれば、決して敵わない相手ではない。
伝統ある高川学園のサッカーを体現し、2回戦突破を期待している。
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