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難しい仕事は進め方を見える化しよう

新しいことを企画して実現するまでの仕事の進め方は、規模が大きくなればなるほど複雑になってきます。
さて、そんな難しい仕事を「とりあえず動く」とやってしまうとどうなるでしょう?おそらく多くの場合、目先のタスクを、優先順位やゴールまでの道筋を考えずに動いてしまい、気がづけばゴールと大きく乖離していくことになってしまいます。下図のようなイメージです。

ゴールまでの道筋を考えて仕事を進めていくことで効率よく仕事は進みます。


道筋をつけるにはまずはゴールが何かをはっきりさせなければなりません。
達成条件をはっきりさせましょう。
例えば、「コンサートを実現する」というゴールについて考えてみましょう。これを達成には下記の条件が必須でしょう。
①出演者が確定している
②コンサートのセットリストが確定している
③会場が確保できている
④会場のセッティングができている
⑤集客が損益分岐点を超えている。
(色々考えるともっとたくさんの要素があると思いますが話を分かりやすくするためこのくらいにしておきます)

さて、達成条件が見えてきたら、これをどういった順番で進めるかを考えなければなりません。出演を依頼するにはいつどこで実施するかが決まってなければなりません。集客を行うには出演者が決まってなければなりません。会場の機材やセッティングは出演者のセットリストも考慮する必要があるでしょう。そんなことを考えながら順番を考えていくと、仕事のアプローチが見えてきます。
①会場の確保
②出演者の調整
③集客
③セットリストの確定
⑤会場のセッティング


こうやってアプローチが見えてくると、それぞれの大括りのタスクがざっくり過ぎるので、細かく分解をしていく必要があります。
「①会場の確保」を行うまでにやることを細かく分解していくと下記の様に細かくやるべきことがあります。
①-1 選択基準の決定
①-2 会場候補の洗い出し
①-3 各会場の条件の比較
①-4 会場候補の確定
①-5 会場との交渉
①-6 会場確定
こんな感じで①~⑤までの全てのタスクをまずはわかる範囲で分解していくとゴールまでの道筋がはっきりと見えてきます。


こうやって分解しただけで仕事が見える化できたかというと、まだちょっとたりません。
「③集客」を行うには広告宣伝活動や営業活動が必要になります。目標の人数を集客するにはある程度の期間を要します。仮に、③のタスクを下記の様に定義したとします。
③-1 市場調査
③-2 集客戦略策定
③-3 広告の制作
④-4 広告宣伝活動
この様に分解したとします。「③-1 市場調査」や「③-2 集客戦略策定」は①のタスクと並行で進めることは可能でしょう。しかし「③-3 広告の制作」になってくると会場が確定し出演者も確定していないと進めることが出来ないでしょう。こういった前後関係を整理する必要があります。
更に、「③-3 広告の制作」と「④-4 広告宣伝活動」にはある程度の時間が必要であることをからその時間を確保するためには、①や②のタスクの期限が自ずと確定していきます。
こういった整理を行うことで仕事のクリティカルパス(このタスクが遅れると仕事全体が遅れてしまうというポイント)もはっきりしてきます。
例えば「①会場の確保」と「②出演者の調整」は時間を要することが想定できますが、これが遅れてしまうと、並行で動いていた「③-1 市場調査」と「③-2 集客戦略策定」が予定通りに進んでも仕事全体が遅れます。①②の担当者は、これを理解して期限を死守するように動かなければなりません。


異常の様に仕事を分解して見える化したうえで、進捗を管理していく手法をWBS(Work Breakdown Structure)といいます。
見える化した仕事はガントチャートといわれるチャートにすることで、進捗がぱっと見で分かりやすくなります。


いつも納期直前でバタバタしているような方は、以上を参考にして、仕事を見える化しながら進めて頂くと、大きな失敗は少なくなっていくでしょう。

更に、デスマーチに陥らないノウハウとしては、リスクや問題の管理手法、遅延のリカバリー方法などを知っておくとよいと思いますが、それはまた別途記事にしたいと思います。

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