自動車学校の働き方改革①

最近「働き方改革」という言葉を聞かない日はない、というくらい関心が高まっています。労働時間にフォーカスがされるのはダメ云々というお話は世間の有識者にお任せするとして、これから私の自動車学校で取組む改革について、リアルにやったこと、リアルに起きた変化や反発について発信していこうと思います。

働き方改革は自己実現できる会社づくり
リアルな話を始める前に、まずは私の自動車学校の働き方改革の考え方をまずは整理します。

当然のことながら「働き方改革」で目指すのは、従業員が限られた時間の中でより大きな付加価値を生む仕事を実行できる会社にすることです。

この目標は自動車学校業界には特に重要な取組です。なぜなら、自動車学校業界を取り巻く環境はこれからますます厳しくなるためです。少子高齢化や若者の車離れでマーケットが縮小していくことに加え、今後は自動運転の技術の進歩にともなって自動車学校のビジネスモデルにも何かしら変化が起こると考えられます。更に深刻な問題として、マーケットが縮小しているにも関わらず深刻な人手不足に陥っており、インストラクターの負担が物理的にも心理的にも大きくなる傾向にあります。

大きな要因としては、主要なターゲットである高校生が通学可能になる時期に合わせて需要が大きく増減する季節商売であることが挙げられます。しかし、私がそれ以上に問題と考えているのは「状況の変化に応じて自分を変化させる」ことをこれまで殆ど行っていないことです。

そして「変化が苦手」という体質のままでは、これからの時代を生き抜くことはできないと私は考えています。世界はこれからの未来を生きる私たちにとって非常に厳しい環境に変化しつつあるためです。その変化の要因をリンダ・グラットンは著書「ワークシフト」の中でテクノロジーの変化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、エネルギー・環境問題の深刻化の5つを挙げています。これらは企業の大小や都市か田舎かに関わらず私たちの働き方に大きく影響します。この要因がもたらす変化に鈍感な人や企業には「繁栄から締め出される未来」が待っているでしょう。世界のメガトレンドに対応して変化していくことができなければ、もはや生き延びていけないのです。

変化が必要な理由は「生き抜くため」だけではありません。私たちは自身の幸福を追求するためにも変化していく必要があります。私たちは誰がいつ決めたかも分からない「合理性のない常識」で自分自身を雁字搦めに縛り付けています。私たちが意思決定をする時に、自己実現をするために自由な意思で選べる選択肢が幾つもあります。しかし、常識に囚われている人には、先人が準備している選択肢以外を選ぶことがなかなかできません。選択肢が見えていなかったり、見えていても周囲からの「常識に従え」という同調圧力に屈してしまったり。そうしているうちに思考が常識の枠から外れることができなくなります。「常識」は、自動的に先例を踏襲させて世の中を安定させるための1つの知恵ではあり、その背景には一定の合理性があった過去もあるものでしょう。しかし、ドッグイヤーで変化する現代では昨日の合理的な選択が今日も合理的とは限りません。常に常識を疑いながら、その時点でのベストを自分の自由な曇りのない意思で選択する習慣が必要です。そうしなければ、時代に取り残されて、世の中に振り回せれ、流されるまま生きていくしかありません。それは自己実現には遠く及ばない生き方です。つまり、自身の幸せを掴むには常に常識の殻を破ることができる自由な意思を持つ人間でなくてはなりません。

これまでの自動車学校は毎日毎日10時間の教習をひたすらこなす労働力を従業員に求めていました。「自動車学校とはそんなもの」という割り切りをしてしまっています。しかし、それでは会社が変化していくことはありません。変化しないということは生産性の低い会社の仕組みをこれからも継続して、ゆでガエルの様に死んでいくことに他なりません。私はそうでない会社の未来を創るために働き方改革に取組みたいと考えています。弊社の目指す働き方改革のゴールは、社員全員が自己実現できる会社であることです。これこそが会社の生産性向上のための最も大切なビジョンなのです。

社員全員がやりがいのある仕事をして、毎日をワクワクしながら働ける仕組みと環境を作る。その成果として会社全体の生産性が高まることが私の考える働き方改革です。

働き方改革で会社が取組べきこと
働き方改革で実際に行うことは、日々の行動を常に変化させる仕組と環境づくりです。

仕組とは業務プロセス、組織、ITのことです。取組みについては3つがポイントがあると考えています。1つは無駄なくスピーティに動ける効率性、2つ目に変化への対応が容易に行える柔軟性です。ただ、機能や制度を整えるだけではうまく機能することはないため、3つ目に大事なことは、働き方に関する意識改革です。

上記の仕組を構築したうえで、会社の利益と従業員の自己実現をマッチさせるためにも、働く人のワクワクするようなモチベーションを生み出す環境づくりを合わせて行う必要があると私は考えています。

現在、弊社では効率性の向上と働き方に関する意識改革から手を付けています。次回からはこれらの取組の中でリアルに起きたことを中心に述べていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?