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江國滋『俳句とあそぶ法』

この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2023.07.22 Saturday)に掲載された内容を転載しています。by 事務局長・八塚秀美
参照元:http://info.e-nhkk.net/

1984年に単行本で発売、1987年には文庫化されるなど、昭和の俳句ブームを牽引したといわれる江國滋さんの俳句入門書が復刊されました。

裏表紙には、

「ちょっと俳句をかじっただけの素人」と自称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想という「わな」に気づき、それを誘発する「俳句そのものに内在する何か」に迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、専門俳人たちの常識も容赦なく断罪。一方、作り手となった初心者に対しては、「俳句は遊びである。遊びだからこそ厳格なルールに従うべきである」と掲げ、世にはびこるセオリーを覆し、皮肉やユーモアを交えて江國流俳句の楽しみ方を実践的に説いてゆく。

と紹介されています。

あくまで江國さんは「素人料簡に徹したつもり」であり、だからこそ、ふざけずに「大まじめに書いたつもり」だと言いきります。 とはいえ、鷗外や漱石の句を添作してみたり、死亡記事から追悼句の実作演習をしてみたり……と、「くだければくだけるほど楽しい」と感じながら、まさに「俳句とあそぶ」江國さんの息づかいに満ちた一冊となっています。江國さん自身が滋酔郎の俳号で参加していた、小沢昭一さんや、永六輔さんらと作った「東京やなぎ句会」の話題も登場します。

初版は、40年近く前に出た本ですが、「俳句とあそぶ」とは今を楽しむことであり、時を経ても俳句の楽しみ方は変わらないのだな、と感じさせられた復刊本でした。

俳句は遊びだ! 人生の杖となる遊びだ! 真剣に遊ぶ。江國滋流俳句の楽しみ方。――俳人・夏井いつき

帯より