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星野高士『俳句真髄-鬼の高士の俳句指南』

この記事は、日本俳句教育研究会のJUGEMブログ(2018.07.07 Saturday)に掲載された内容を転載しています。by 事務局長・八塚秀美
参照元:http://info.e-nhkk.net/

「そもそも俳句の『俳』という文字は、『遊ぶ・戯れる・おどける』という意味である。人と違ったことをして楽しまなければ俳人ではない。」との本文に象徴されるように「遊び心」をもって、俳句を楽しみたい初心者への指南書です。

「季題」の魅力や、「季題との付き合い方」はもちろん、俳句でよく言われる「写生」についても、「写生と写実」の違いをあげて「スケッチ」だけに止まらない「俳句にとっての写生」が語られます。「『一歩近づく』のではなく、『一歩離れる』」写生、また、「着眼点を、どうやったら相手に伝えられるかを考える」ことで生まれる「客観性」など、例句をあげながら、初心者の疑問が一つ一つ解き明かされていきます。最終章は、「添削道場」で、具体的な添削例は実作の際のヒントになりそうです。

「いい句」ではなく「おもしろい句」を目指す、個性的な魅力ある俳人になるための一冊です。