見出し画像

『年末年始はスプマンテがかかせない』

イタリアでは12月8日が祭日(L'Immacolata Concezione)、聖母マリアがキリストを宿した日とされています。
この日からクリスマス飾り、ツリーの飾りをする家庭が多いです。この時期からクリスマスのお料理やお菓子、テーブルコーディネートを考えはじめるのも毎年恒例ですね。



さて、カトリックが主流のイタリアではクリスマスの昼に家族、親戚が集まり大人数での食事会が盛大に開らかれます。そのはじまりにかかせないのが『スプマンテSpumante』、イタリアンスパークリングワインの最高峰です。寒い時期ですが、暖かいお部屋でキンキンに冷えたスプマンテで乾杯すると耐久レースのような食事がスタートします。毎年集まるメンバーが「胃袋にもう1ミリもスペースがない。」と再現シーンかと思わせる会話をしつつ、デザートに突入します。クリスマスらしいドルチェが食卓に並び、そこで甘いスプマンンテが開栓されます。

この『スプマンテSpumante』と名乗れるスパークリングワインは、発酵により発生した二酸化炭素による圧力の違いで、EU域内で定められており、スパークリングワインは1バール以上2.5バール以下の圧力とされ、スプマンテと名乗れるのは3.5バール以上です。『泡』をイタリア語で『スプーマ(Spuma)』と呼ばれることが名前の由来とされ、製法は『シャルマン方式』『クラシック方式』があります。ワインやスパークリングワインが好きな人なら耳にしたことがある『シャルマン方式』、実はピエモンテ州アスティ県でワイン研究家のイタリア人『フェデリコ・マルティノッティFederico Martinotti』氏が考案し、その後、フランス人『ウジェーヌ・シャルマンEugène Charmat』氏が設備を考案しました。1895年にティノッティ氏が特許取得、1910年にシャルマン氏が特許取得しました。この製法と製法名が世界中で使われていますが、実はイタリア人も関係していたのですね。いつもクリエイティブなイタリア人には驚かされますが、実用化や商業化などが不得意だなと思うのが『スプマンテSpumante』の歴史にも隠れていました。このシャルマン方式は、大きなタンクを使用して発酵させることで発酵時間を短縮でき、クラシック製法より短期間(30-180日)、6か月を超えない製造期間でできることが特徴のひとつのようです。一方、クラシック方式は少なくとも2-3年、5年を超える期間を要します。

どの方式がいいのかいろいろとあるとは思いますが、こうして手軽にスプマンテを楽しめるモノにしてくれたことに私はとても感謝しています。

クリスマスはもちろん、イタリアのカウントダウンにかかせないスプマンテは手土産にもぴったりですね。


『L'essenza della vita(レッセンツィア・デッラ・ヴィータ)~ 暮らしへのエッセンス ~』


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?