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もう一つの大観峯

「ガイドブックに載っていないひみつのお気に入りスポット」はいくつかあるのですが、その中の一つが今日訪れた立山町の「大観峯自然公園」です。

大観峰というと、立山黒部アルペンルートのロープウェーに乗って黒部ダムを望む場所が超有名です。

しかし、そもそも「大観峰」というのは一般名詞で「とても眺めの良い場所」には結構つけられている名前です。今はないけれど、大川寺遊園の最初に立ったコンクリート製のあずまや(今も唯一現存している)も古いガイドブックには「大観峯」と書かれていました。

話を立山町の大観峯に戻すと、この公園はちょうど上市町と立山町の中間の尾根線上にあります。立山町側からは、四谷尾の「昆虫王国立山」の奥から続く林道を進めば到達しますし、上池町側からは柿沢の大岩山日岩寺に続く道の脇に案内標識が建っています。

細くてくねくねしているが悪路とまではいかない林道を車で20分ほど登ると、もう大観峯自然公園の駐車場です。対向車はほとんどいませんが、まれにぶっとばしてくる車もいるしダウンヒルしてくる自転車もいるので注意が必要です。

ちょっと古いが荒れた感じはない。ゴミとか落書きもない。

かつてはBBQコーナーやキャンプ場、子供公園等で賑わった場所だけあって、水道とトイレは整備されています。ただし飲用水ではないらしいです。

クルマを降り、てくてくと5分ほど登山道っぽい道を歩くともうゴールの展望広場です。


この先に進んでいく。熊鈴、熊スプレーはあった方がよい。


道端はずっとイノシシの堀跡とにおいがすごい。


大観峰、標高325m。三角点があるだけあって景色は最高なのです。

標識。


三角点。
上市側。


魚津・滑川方面
富山市街地方面。

訪れた11月2日は、まだ紅葉は山頂付近に始まった感じでしたが、十分綺麗でしたね。
11月下旬ころにはピークではないでしょうか。

いい感じの紅葉をひとりじめ。

この大観峯自然公園は、景色や紅葉だけではなく、バードウォッチングにもとってもいい場所なんですよ。タカの渡りの時にはサシバやハチクマが、新緑の時期にはオオルリやキビタキ、ホトトギス、サンコウチョウなどが、と、四季折々の野鳥が、車から徒歩5分の距離で、大パノラマを背景に楽しめるんです。しかも人はほとんどいないんです。独り占めです。

今日はあんまり出なかったけど。

トビ。


ノスリ。

あ、あんまり鳥がいなくても、双眼鏡があれば楽しめますよ。
昼には遠景を眺めるだけで楽しいし、夜にはスターウォッチングや夜景も楽しめます。

ミラージュランドだ!
新湊大橋もクッキリ!
富山市街地と城山。白鳥城の展望台がかすかに見えるので、向こうからもこちらが見えるはず。
上市町側にある城が平山。城跡なので頂上が整地されています。
よく見ると人がいます。やっほーー!!!

こんな大パノラマの整備された自然公園がほぼ貸し切り状態で利用できるのはとっても嬉しいので私はほぼ毎月通っているのですが、さらにこの公園にはマニア垂涎のスペシャルな石碑と石像があります。

ウミガメ。なぜか山中にウミガメ。「友」の文字がはめ込まれている。
ガマガエル。なぜか山頂にガマガエル。「愛」の文字がはめ込まれている。
ウミガメとガマガエルに関する昔話を記した碑文。友愛の物語らしい。

碑文に書かれた昔話は長いので、以下に要約してこの記事の最後とします。

・むかし、池田という里に「くろ〇ぼ池」という放送コードNGな名前の池があり、ガマガエルがいっぱい住んでいた。

・ある日、ガマガエルのボスのガマの枕元にお地蔵さんが立ち、「水橋の海岸に弱ったウミガメが打ち上げられている。可哀そうなことだ」と話された。

・ガマガエルたちは「弱ったウミガメは、立山の熊の肝を飲ませれば治るぞ!」と勝手に思い立ち、立山の熊の同意も得ずに、仲間たちを連れてはるばる立山町から水橋の海岸まで行った。

・ウミガメは大けがをしていた。その時点で「熊の肝で治る」という線は消えたのだが、ガマガエルたちは気にせずにウミガメを連れて立山を目指した。

・その道中、ウミガメはみるみる弱っていった。

・弱ったウミガメは「最後に海が見たい」と言った。

・ガマガエルたちは、なぜか海に引き返すことをせず、ウミガメをこの大観峯まで神輿のように担ぎ上げて海を見せてあげた。

・そこでボスのガマは「元気を出すんだ!立山の熊さんもきっとそのうちに来る!」と無責任なことを言い、ウミガメに酒を飲ませた。

・夕日が沈むと、冷たくなったウミガメは石となり、酒はカメの血となりましたとさ。

【教訓】よけいなことはするな。



【調査地】大観峰自然公園
【観察者名】たかはし
【天候】はれ
【観察開始日時】2022年11月2日 11時0分
【観察終了日時】2022年11月2日 13時0分
【観察概要】
【観察種】
[種名] [数] [メモ]
1.キジバト 1
2.トビ 1
3.ノスリ 1
4.ハシブトガラス 1
5.ヤマガラ 2
6.シジュウカラ 3
7.ヒヨドリ 5
8.ウグイス 1

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