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【試合評】 最後の最後で響いた「正捕手の負傷離脱」~4月29日●楽天2-3x日本ハム

正捕手・嶋の1軍登録抹消

試合前に届いた報せは「衝撃的」すぎた。
報道によると、今朝、腰の痛みを訴え、梨田昌孝監督が言うには「1週間くらい試合に出るのは難しそうだったので」抹消になったという。

開幕来、スタメンマスクをかぶり続け、全守備回179回の91.4%でホームプレートを守ってきた。
打っては出塁率.393、IsoD.176は規定打席到達内でリーグ2位。
最多12犠打を決めるなど、打線の下位で攻撃の差配も振るってきた。
1番・茂木、2番・ペゲーロの調子の良さは、主に9番で「渋い活躍」を続けてきた嶋との相乗効果がもたらす部分も大きいと思う。

それにしても、タイミングが悪すぎだ。
今日から始まった大型連休8ゲーム。
イーグルスの「真の地力」が試される期間である。

札幌で日本ハムと2連戦を戦った後、楽天は週明け2日から今シーズン初の6連戦日程へ突入する。
5月2日~4日まで仙台でオリックスを迎え撃つと、5月5日~7日は所沢に転戦、西武と戦うスケジュールになっている。
上位2球団との6連戦は、オリックスは金子千尋、西勇輝、ディクソン、西武は菊池雄星、野上亮磨、ウルフの先発が予想され、ともに敵軍の「表ローテ」との対決になるのだ。

初の日本一に輝いた2013年を振り返ると、ゴールデンウィークの6連勝が大きかった。
天敵・金子千尋から5年ぶりに勝利すると一気に借金完済。
貯金まで作って優勝戦線への第一歩を踏み出す「日本一への起点」になった。

当時と同じように、弾みをつける戦いができるかどうかという大切な8ゲームの直前に、正捕手を欠いた鷲軍は、大型連休8ゲームの初戦を2-3x、今季3度目のサヨナラ負けで落とした。

8試合ぶりに2点の先行を許した楽天は、5番・銀次が粘って9球目を先頭打者四球で歩いた7回、岡島がチャンスを拡大し、藤田、茂木の2本のタイムリーで同点に追いついていた。

しかし、2-2の同点で迎えた9回裏、開幕14登板無失点が続いていた松井裕が田中賢にサヨナラ打を浴び、今季3度目の1点差負けになった。

これでチーム成績は1位、20試合15勝5敗。
ゲーム差は2位・オリックスと1.5、3位・西武と4.5、4位・ソフトバンクと4.5、5位・ロッテと9.0、6位・日本ハムと11.0になっている。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(一)、6番・島内(中)、7番・岡島(左)、8番・藤田(二)、9番・足立(捕)、先発・美馬(右投)

日本ハム=1番・西川(左)、2番・松本(右)、3番・近藤(指)、4番・中田(一)、5番・レアード(三)、6番・田中賢(二)、7番・大田(中)、8番・市川(捕)、9番・中島卓(遊)、先発・有原(右投)

嶋不在を感じさせた足立の配球

嶋の代役でスタメンマスクをかぶったのは、細川亨ではなく、足立祐一だった。

2年目の今シーズンは開幕直前にインフルエンザに罹患。
1軍に合流したのは4月15日のこと。
以来、途中出場3試合で合計5.2イニングでマスクをかぶっていた。
その足立が今季初スタメン。

昨年、美馬と組んだときの捕手防御率が4.83だったことで心配されたが、そつのないリードで7回2失点。

しかし、2-2の同点で迎えた最終9回裏だった。
「嶋の穴」を感じずにはいられないシーンが待ち受けていたのだ。

1死後、3番・近藤に粘られ、フルカウント11球勝負がはずれて四球。4番・中田の空三振時、近藤に二盗を許して2死2塁。
続く5番・レアードに三遊間ゴロ突破を許し、2死3,1塁で6番・田中賢にカウントを取りにいくスライダーの高め失投を右前へ弾き返されてしまった。
3塁から近藤がサヨナラのホームを踏み、ゲームセットというシーンだったが、ぼくが疑問に感じたのは、近藤との対決劇だった。

打率.457(試合前)は現在パリーグの首位打者だが、本戦では美馬が遊ゴ、空三振、左飛と3タコに退けていた。
この場面も、スライダー、スライダー、ストレートの外角攻めで1-2に追い込むことに成功していた。

しかし追い込んだ後の変化球3連投で粘られ、悩まされた楽天バッテリーはストレート3連投に切り替える。
これも粘られてしまい、この一連の過程でカウントも1-2から3-2に悪化。

結局、ラスト1球、ストレート攻めから一転、外角低めに誘うスライダーに変更し、これをしっかり見きめられてフォアボールを与えた場面だった。
この後、松井裕は崩れてしまった。

ぼくは、この9回、松井裕は、、、

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