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eagleshibakawaが選ぶ、楽天イーグルス2018年の10大ニュース!!

みなさん、こんにちは!
信州上田在住の@eagleshibakawaと申します。

郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える、楽天イーグルス推しの野球好き。
「1球単位」の楽天戦プレーデータを2012年から集計する記録好き。
野球やイーグルスに対する想いが高じ、「野球太郎」など野球専門媒体への寄稿歴もある、クロマティ・ビックリマン・キン消し世代です。

2018年もはやいもので、残すところ1週間をきりました。
今年もブログ、note、メルマガ、Twitterなどで読者のみなさんにはお世話になりました。

1年間の感謝の意味を込めて、eagleshibakawaが選ぶプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの2018年10大ニュースを書いてみました。

以下、時系列順に発表します。
1トピック文字数400字になります。
今回は無料、最後まで閲覧いただけます。

御笑覧いただけたら幸いです。

1:闘将の突然すぎる死去

1/6(土)未明、まさかの訃報は、ぼくのお正月気分を一気に吹き飛ばした。

星野仙一享年70歳。監督退任後はげっそり痩せこける時期もあって心配されたが、前年暮れの「野球殿堂入りを祝う会」では闘将節も戻り顔色も良く、ホッとした矢先の報せだった。

東北に花咲かせた功労者の突然すぎる死去は、想像以上に組織を揺るがすことになる。

弔い合戦の御旗を掲げて一致団結するかと思いきや、「重し」が取れたことで球団内部の規律が崩壊。
前年夏の大失速でV逸した梨田昌孝監督の発言権の低下は、後見役を失ったことで決定的になり、表面化したフロントと現場の権力闘争で終始後手後手に。
オーダーの日替わり定食化や息の合わない選手入れ替えなど起用法にも影を落とす事態に陥った。

優勝が悲壮感溢れる絶対的ノルマと化し、意気込んだ選手は重圧に負け、空回りの連続。開幕ダッシュを決めた1年前の自分達の活躍にも悩まされ、焦りが焦りを呼ぶ悪循環にハマった。

2:東北開幕戦で痛恨の惜敗

薄暮の仙台に日本ハムを迎え撃った東北開幕戦。全選手が背番号77を着用する闘将追悼試合は、打線が不発。0-2の惜敗を喫した。

あらゆる意味で今年を象徴する負け戦になった。

本拠地勝率.290、仙台で喫した49敗のうち10敗が1点も取れなかった零敗で、本戦はその1試合を担った。

9回は松井裕樹が2失点。抑え転向後では防御率ワースト3.65を記録し、自己最多タイの8敗に終わった今年を象徴する失点劇になった。

遊撃・茂木栄五郎は攻守で精彩を欠く始末。
打では走者有で迎えた全4打席4凡退。守備では9回無死2,1塁、投ゴで2塁ベースカバーが遅れ、無死満塁を引き起こす守備ミスを犯し、これまたプロ3年目にして最悪の成績に終わる今年を象徴するゲームになった。

そのなか、健闘したのは先発・岸孝之だった。8回3安打無失点。自身初のパリーグ最優秀防御率へ向けて上々の第一歩を踏み出している。

翌日も2-5で敗れた楽天は2016年6/11以来の最下位に転落した。

3:「交流戦の星」古川侑利プロ初勝利!

5/6西武戦(●E0-11L)の自力V消滅後、楽天は借金を最大16個から12個に減らし、交流戦へ臨んだ。例年パリーグが優位に立つ当該期間で借金を一ケタに減らすプランは、はたして崩れた。

12球団中まさかの最下位で6/16阪神戦(●E1-2T)の試合後に梨田監督が電撃辞任。その苦境を救ったのが、古川侑利だった。

2軍防御率0.61と無双を決めていた高卒5年目が、5/29に満を持して1軍合流。6/5巨人戦(〇E4-1G)で念願のプロ初勝利。天国の闘将が最もこだわった球界の盟主との一戦でのプロ初勝利は球団史上初。
チームにとって6/5は通算1勝8敗と「負けの特異日」だったが、平均145.7キロの速球を主体に闘志溢れる力投で5回6安打1失点に抑えた。

圧巻は、あの坂本勇人から真っすぐで2奪三振。1点差に迫られた5回2死3,1塁、元犬鷲戦士マギーを149キロでねじ伏せ、勝利投手の権利を手中にしたシーンだ。

この後、古川は3連勝。交流戦チーム6勝のうち半分は23歳右腕の躍動によるものだった。

4:快勝を飾った平石監督代行の初指揮ゲーム

梨田監督の辞任を受け、平石洋介ヘッド兼打撃コーチが監督代行に就任。初采配を執った6/17阪神戦(〇E8-0T)は、《2018年ベストゲームの最有力候補》だ。

打線が二桁安打で先発投手がハイクオリティスタート。5点以上の大差をつけた零封勝利は、今年は本戦のほかに9/6日本ハム戦(〇E10-0F)だけだった。

美馬学が今年唯一と言える快投をみせた。開幕9登板で6連敗と苦しむなか、「本当に勝てるのかなって落ち込んだ時もあった」というベテランが、7回3安打無失点でようやく掴んだ初勝利。左打者を7人並べた金本阪神に対し、外角狙いシュートが絶品。平均125.3キロのカーブも織り交ぜ、左打者を19打数2安打に封じた。

打線は虎投手陣の速球を完全攻略。銀次、アマダー、藤田一也はいずれも真っすぐ撃ちのホームラン。

平石楽天の象徴になり、本戦以降41試合で組まれ、勝率.600を挙げた「1番・田中、2番・茂木、3番・島内」の『タナモギアイランド』のデビュー戦にもなっている。

5:天敵・菊池雄星を完全攻略

今年を象徴するゲームといえば、7/20西武戦(○E7-2L)もその1つになる。

トピックは「天敵攻略」。

足かけ3年、今年4/28まで楽天戦通算13連勝。昨年は防御率0.55と完璧にヤられた菊池雄星との対決でリベンジに成功した。8試合対決して4試合で5得点以上、防御率も4.50にさせ、「雄星アレルギー」を完全払拭した。

本戦も同様、スコアレスの中盤5回、渡辺直人から助言を受けた今江年晶の先制ソロなどで2点先制すると、翌6回は無死満塁を作り、その渡辺の走者一掃打などで4得点。塩見貴洋の好投を大きく助けた。

注目は、雄星の看板球スライダーに対し、楽天打線の対応力が上がったこと。同空振り率は前年比4.6%削減、同打率は.065上昇。誘い球を見切り、有利な状況で速球に狙いを絞ることができた。

もう1つは、6回の攻撃が今年初の無死満塁だったこと。最も得点が入る最大チャンスを開幕83試合目まで作ることができなかったところに、今年の得点力不足が表れている。

6:真夏の5時間7分を制した若鷲劇弾

時計の針が23時をまわった延長11回、山下斐紹によるプロ初本塁打でサヨナラを飾った7/24日本ハム戦(○E10-8F)は、今なお脳裏に焼きつくミラクル勝利だ。

おりしも楽天は「後半戦台風の目」だった。球宴明け、5位とのゲーム差10.0と引き離されるなか、8/2オリックス戦(○E3-2Bs)まで12勝2敗の好成績。5位・オリックスが3勝12敗と成績を落としたこともあり、8/2には1.5に縮まり3位との差も4.5に。

そのなかで発生した《8点取られても勝利をつかむ5時間7分の幕切れ》だったのだ。

6回6失点。右肘の違和感で本調子ではない則本昂大をナイン全員が支えた。

3回終了時に2-5の追う展開は、4回から毎回1点ずつ得点で8回終了時に7-7へ。延長11回表の守備で1死満塁を松井とのコンビで防いだ直後、山下のバットから「本当に最後まで何が起きる分からない」と栗原健太打撃コーチが感嘆した会心の一撃が生まれた。
野手全員を使い切った総力戦の結末にふさわしい殊勲打になった。

7:アマダー裏切りの強制シャットダウン

「何かが起きる予兆か?!」。前述の劇的勝利を目撃したぼくらファンは俄然、胸を熱くした。ところが、その何か?とは、8/3のアマダー、美馬の戦線離脱だったわけだ。

開幕から調子上がらなかった美馬はさておき、問題はアマダーである。

球宴後、チームが「遅れた快進撃」をみせた当該期間、アマダーはOPS1.111の驚異の打棒で打線を牽引した。ぼくが親しみを込めて彼を「A-Mad」と呼ぶようになったのもこの頃だ。

それがまさかこんな筋書きが待っていようとは・・・ 

好調のチームに動揺走り、8/3を境に一気に失速。結局、8月は8勝15敗2分で終えるハメになった。

時系列を簡単に確認したい。7/23、交流戦時に採取された尿検体から2種類の禁止薬物が検出。本人希望で8/1には再分析が実施。前日8/2はその結果が出た日だった。

抹消の表向きは右脇腹痛。しかし、8/2の結果を受けての処置だったと言える。NPBから禁止薬物出場停止6か月が公表されたのは、それから1週間後のことだった。

8:珍事?! 水を差した4年ぶりのトリプルプレー

12球団最低得点の背景には、パリーグ最多タイ109併殺打の影響も大きい。1つのプレーで複数アウトを計上するゲッツーは、戦況を大きく変えてしまう。じつは楽天の併殺打は3年連続でリーグ最多なのだ。

この109本のほか、三振ゲッツーやライナー飛び出しゲッツーなども入れると129回。1試合にほぼ1回ペースの高頻度で発生した。

一方、楽天守備陣が獲得したゲッツーは113回。そのため攻撃時における129回という数の多さがお分かりいただけると思う。

6連敗の只中だった8/28西武戦(●E5-6)では、NPBで4年ぶりのトリプルプレーが発生した。

田中の初回先頭打者弾で1点先制した楽天はなおも無死2,1塁の好機。4番・今江の打球が野手正面を突く三ゴになり、三塁ベースを踏まれて5-5-4-3のアッと言う間の三重殺に遭った。この後も5回1死1塁、6回1死満塁、7回1死1塁、いずれも併殺網にかかり、1試合4併殺でアウト9個ぶんを喪失とチグハグさが目立つ負け戦になった。

9:田中和基、球団初の野手新人王!

FA市場と同じく《今オフ鷲ファン最大の関心事》になった平成最後の新人王。11月27日、ぼくらのカー君がみごと球団初の野手新人王に輝き、2年前に茂木が届かなかった雪辱を晴らした。

ライバル・山本由伸(オリックス)とは42票の大差。規定打席で残した打率.265、18本塁打、21盗塁は、近い将来のトリプルスリーを予感させるもので、保守的な価値眼が根強い番記者陣をも唸らせる数字になった。

4月の2軍調整中、池山隆寛2軍監督からの助言で始めたノーステップ打法。新型スタイルを高い身体能力とクレバーな野球脳でモノにすると、潜在能力を一気に開花させた。

すり足にしたことで視線のブレが減り、空振り率が前年18.6%から今年11.7%と大きく改善。直前球との緩急差25キロ以上でも打率.300を記録。

左打席で左翼4、左中間1、中堅1、右中間1、右翼4、右打席で左翼2、左中間2、中堅2、右中間1と両打席でホームランを広角に飛ばす力量は、ぼくらを強く魅了した。

10:V奪回のキーマン、浅村栄斗FA入団

《東北新時代》を押し開く優勝請負人として浅村栄斗ほど最適な人材はいない。そのことは-63に終わったチームの得失点差が教えてくれる。

これは、浅村が所有する選手価値でほぼ埋め合わせ可能な数字だからだ。今年の浅村は平均的な選手と比べて何勝ぶん勝利に貢献したかを表わすセイバーメトリクスの選手総合指標WARで6.6を記録していた。

統計学上、得失点差10点=1勝の価値とされている。ちょうど楽天の二塁手は藤田一也の加齢で世代交代を迎えていただけに、ポジション的にも申し分ないものになった。

アッと驚いた、優勝球団から最下位球団へ異例のFA入団。その背景には、現役時代に西武でプレーした石井一久GMと、昨年までライオンズに在籍し、浅村ら後輩の良き兄貴分だった渡辺直の存在が大きいとされる。

楽天のフロントが、浅村FAまで視野に入れて、渡辺直と和解し、亡き闘将に代わる新GMとして石井氏に白羽の矢を立てたとしたら、これは大あっぱれ!だ。

【終】

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