【試合評】目撃した茂木栄五郎のポテンシャル。中田賢一が楽天キラーに成長したその理由~2016年8月24日●楽天イーグルス0-5ソフトバンク

鷹狩り左腕vs暴れ牛右腕の対決

楽天は今季ヤフオクドーム初見参の塩見貴洋、球団史上初の左腕二桁勝利を狙うには、そろそろ7勝目が欲しいところ。対するソフトバンクは中田賢一。日本ハムとの激しい首位争いを繰り広げる佳境の中、昨年来から楽天キラーに成長している「暴れ牛」を送り込んできた。

6回までスコア0-0は、今シーズン8度目。両先発とも序盤から制球に悩み、球数過多ながらも、まさに粘投。両者譲らずの投手戦の様相を呈し、試合は終盤を迎えていた。

均衡破るのは一発かミスかという展開だ。7回表、楽天の攻撃は期待されたアマダー見三振など三者凡退に終わってしまう。すると、その直後の7回裏のことだった。塩見が2点を失った。

両軍のスタメン

楽天=1番・島内(中)、2番・茂木(遊)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(左)、5番・今江(三)、6番・岡島(右)、7番・アマダー(指)、8番・藤田(捕)、9番・嶋(捕)、先発・塩見(左投)

ソフトバンク=1番・中村晃(一)、2番・今宮(遊)、3番・柳田(中)、4番・内川(指)、5番・松田(三)、6番・吉村(右)、7番・江川(左)、8番・本多(二)、9番・細川(捕)、先発・中田(右投)

藤田美技直後、塩見が江川に被弾

先頭の6番・吉村の当たりは中前ヒットコース。2塁ベース右、セカンド左を襲うゴロ打球。これをセカンド藤田が球際で逆シングル好捕、流れるような見事なジャンピングスローで1塁送球アウトにする、この人の一町名一番地と言える美技で1アウトにとった直後、均衡は破られた。

続く7番・江川との対決だった。この日1軍昇格してきたばかりの右打者に、気をつけていきたいボール先行2-0から、フォークが甘くなった。外から入り、高めに上ずったフォークを一閃。打った瞬間に江川が右手を突き上げる右越えの1号ソロ。

福山みごとな火消しも、相原、武藤が炎上

この後、8番・本多にも安打出塁され、進塁打で二進後、1番・中村に痛烈なセンター返しを浴び、2点目を失った。塩見はここで降板。殿軍を両リーグ8月月間最多登板になった福山が見事務め上げたが、2点を追いかけた翌8回は昨日1軍昇格してきたばかりの三番手・相原、4番手・武藤が誤算。武藤が松田に決定的な22号3ランを浴び、万事休すになっている。

イーグルスは散発3安打。貰った四球は6個と多く、塁に出る機会は多かったが、三振ゲッツーやライナー飛び出しゲッツーなど3度の併殺で逸機するなど拙攻も目立ち、今季14度目の零敗。

チーム成績は4位、110試合48勝59敗3分の勝率.449。ゲーム差は1位・ソフトバンク、2位・日本ハムと19.0、3位・ロッテと9.5変わらず、5位・西武と1.5、6位・オリックスと6.0としている。

各種戦績は、後半戦14勝14敗1分、8月10勝8敗1分、直近10試合5勝4敗1分、ソフトバンク戦5勝12敗1分、ビジター戦20勝32敗2分になった。

塩見はあと一歩でハイクオリティスタート目前ながらも、援護に恵まれず、敗戦投手になってしまった。

7回に先制2失点をしたとはいえ、6回までゼロを並べ続けた塩見に敗戦の責任はなく、散発3安打とひとえに打線のふがいなさが際立つゲームになった。

改めて確認した茂木栄五郎のバットマンとしての資質

その中、孤軍奮闘したのが2番・茂木栄五郎だ。右翼三、四球、見三振、左安のマルチ安打の槍働きだった。

初回に見せた一塁線を痛烈なゴロで破り、スピードに乗ったベースランニングで一気に三塁を陥れたプロ通算4本目の三塁打のみごとさもさることながら、私がポテンシャルを感じたのは、7回の左安だった。

というのは、、、

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