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【戦評】1点差を鷲づかみにした鷲投手陣の『4つの武器』~8月21日○楽天6-5オリックス

K-鈴木の失投を攻略した4番・枡田の3ラン

長く続いた3週連続の6連戦日程。
その最終戦の日曜日、7-8で落とし自力CSが消滅した楽天。
週明け火曜日は仕切り直し、5位・オリックス2連戦は最下位脱出への試金石になった。

その初戦、楽天が6-5で逃げ切った。

本拠地の夜空を彩る久々のホームラン攻勢になった。
1試合3本塁打は7/24日本ハム戦(○E10-8F)以来、今季5度目だ。

3発それぞれが貴重な大当たりになっている。

4番・枡田の3号3ランは、3回に飛び出した先制弾。
チームきってのビール党がみせた夏を乗り切る気合いの一閃は、制球不安定な相手先発、K-鈴木の初球その失投を打ち砕く当たりだった。

プロ初先発のK-鈴木が左打者の内角を狙って投げ込んできたストレート16球の1球を仕留めた。

当該球が内角に到達したのは1球のみ。
その1球も低めに大きく外れるボール球で、若月が要求したとおり内角にビシッと投げ切った球はゼロ。
大半が真中・外角に抜ける球になっていた。

その不安定な左打者内角狙い速球を仕留めたのが、この回の田中の中安、翌4回ペゲーロ右安、そして枡田の3ランだったわけだ。

両軍のスタメン

オリックス=1番・大城(三)、2番・福田(二)、3番・伏見(一)、4番・吉田正(右)、5番・T-岡田(左)、6番・マレーロ(指)、7番・安達(遊)、8番・小田(中)、9番・若月(捕)、先発・K-鈴木(右投)

楽天=1番・田中(中)、2番・今江(一)、3番・島内(左)、4番・枡田(指)、5番・銀次(二)、6番・ウィーラー(三)、7番・嶋(捕)、8番・ペゲーロ(右)、9番・西巻(遊)、先発・則本(右投)

理想のかたち

枡田の号砲に続いたのが、ウィーラー。
僕らファンの心配を払拭する大当たりになった。

8/3に1軍復帰した直後はブイブイ好調。
8/9日本ハム戦(○E10-0F)では5打点の活躍もみせたが、翌8/10から下降線に入っていく。
8/10~8/19まで31打数3単打、そのヒット3本も2本は内野安打で、バッティングの状態が心配されるなかでの8号ソロだ。

苦手にする低めフォークを仕留めたのも良かった。
本人も完璧な一撃だったのだろう、1塁ベースを回るとき、いつにも増して力強い拳を掲げながらのダイヤモンド1周になった。

落ちようとする球の下側に「理想のかたち」でバットを入れ、左中間という「理想の打球方向」でのホームラン。
この日のウィーラーは、三ゴ、左中本、左中二、遊ゴと、いずれも打球は三遊間~左中間方向を記録した。
今季この人が不調に陥っている要因の1つは、打球がセンターから右方向に集まりすぎていることがあった。
センターから右方向は、引っ張ったときと比べて、どうしても長打になりにくい。
そのため、引っ張り方向に全て飛んだ本戦は「復活への兆し」と言えそうだ。

本人も本戦の戦果に手ごたえを感じたのか、4打席目の初球には、今季初めてセーフティバントの構えをみせて投手に揺さぶりをかける珍場面も。
心に余裕ができたからこそのパフォーマンスだろう。

104打席ぶりのホームラン

そしてペゲーロだ。
6回裏に飛び出した17号ソロが決勝点になった。

リカバリーの一撃だ。

5点先行したゲーム展開は直前の6回表、則本がオリの長打攻勢に屈し、まさかの5失点。
その5失点に絡んだのが、ペゲーロの拙い守備だった。

2点を失い、なおも2死2,1塁、7番・安達が打ち返した右翼フェンス際の飛球。
ペゲーロは余裕を残しながら背走し、ウォーニングゾーンの中で半身になり最後は前向きへ。
落下点に入ったかにみえた右飛コースだった。

ところがだ。

打球はその頭上を襲った。
慌ててグラブを伸ばすも取り切れず後方に着弾、2点三塁打を許した。

そのミスをすぐさま取り返した一発は、6/30西武戦(○E9-1L)以来、じつに104打席ぶりのホームラン。
この間の103打席、フェンス直撃3本を含む塀際飛球は5本あったが、いずれも柵越えせず。

僕らファンも本人も悶々とする中、外角146キロ速球を上手くジャストミートした。
昨年は4度あったウィーラーとペゲーロのアベック弾は、今シーズン初になった。

ただ、大切なのは今後も続けることができるかだ。

というのは、、、

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