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きみたちはとっくにスマホネイティブ(2019/09/19)

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・2019年9月某日。姪っ子ちゃん(1)たちの家庭まで、あーりんは某線を乗り継ぎ向かった。目的はお世話。あーりんを呼ぶなんて「よほど」だな、と思うも、「いないよりは全然マシ」と聞き及び、そんなもんかなあと思いながら、間違えて急行に乗り駅をひとつ飛ばししていた・・・。

・そう、無知とは時になんたる幸せであろうか。赤ちゃんの子育てという世界が、愛情と緊張の疾風怒濤(シュトルム・ウント・ドランク)であることを、あーりんは知らなかったのだ。「赤ちゃんの面倒を見ること」とは、いわば、一時も休むことなく、周囲の特大のリスクに注意しながら、言葉の通じない相手の様子を観察し、その感情を理解しようと務め、ほぼまったく無作為に起こる生理的現象に対処し、それでいて、なにより、優しさでもって接する、というか優しく接せざるを得ない・・・そんな、一種の「業」と称してもよいものだったのだ。半日で、その辺り、よーくわかった。なるほど・・・これは猫の手でも借りたいね。

姪っ子ちゃん(1)は、既にそうとうしっかりとした小娘であった。あたらしく見えたものには、必ず無表情でじっと観察の目を注ぐし、いつもなにか計算して考えているふしがある。泣いたふりは得意技だ。身長はあーりんの膝よりやや高いくらいで、とてとて走る。好物は芋。スマホをスワイプするのとYouTubeとかの音楽に合わせて踊るのが好き。こやつもしやナーヴァスな人見知りか??と思いきや、公園では見ず知らずの子を相手に、言語に依存しないコミュニケーション能力の高さを見せつけた・・・・。

・「まあ、お姉ちゃんだからね」と思った。

・そして、あーりんがおそるおそるおむつを取り替えたのは、ベビーベッドに陣取り、眠ったりぐずったりをひたすらに繰り返す、甥っ子ちゃん(0歳1ヶ月)だった・・・・。

・読者のあなたは、弟あるいは妹のいるお姉ちゃんという存在に、これからなることができるでしょうか?いいえ、なれません。だが姪っ子ちゃんは、先月から、そのお姉ちゃんとしての宿命を背負って生きることになったのだ・・・・。

・あーりんが小さなお尻を上げてなんとか甥っ子ちゃんのおむつを取り替え終えた頃、姪っ子ちゃんはベビーベッドに歩み寄ってきて、「なんか知らんけど最近うちに来たやつ」の頭を、あーりんの20分の1くらいの質量の手で「なでなで」した。

・その時の彼女の表情は、笑顔ではなかった。厳かだった。

・あーりんは、そんな1歳児を見て、「かなわないなあ」と確信した。

・新入りのREIWAボーイである甥っ子ちゃんに対して、「やっぱ野郎の顔だねえ」と告げると、姪っ子ちゃんたちの「ぱぱ」は微妙な反応を見せるので、あーりんは軽率な言動は慎むべきだと悟った。親バカは、決してバカじゃない。人として、生命として、親バカであることは、至極当然の理なのだ。

・世の中のパパ、ママの皆さん、応援しています。マジで。フレー・フレー。

 

・翌日の夜、帰宅後、なんだかお鍋が食べたくなったので急遽作ってひとりで食べた。足りない材料の買い出しにいったドラッグストアであーりんが目にしたのは、ハロウィン特集のお菓子棚であった。デフォルメされた幽霊が笑っている。冬が近づいている。

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