たんぽぽの小さい花がまだ寒い春の風に吹かれて小刻みに揺れています。踏まれてしまいそうな高さでも花を咲かせる可憐さは、図太さの裏返しかもしれません。そしていつのまにか綿毛に変わって、春の温かい風に乗って一斉に飛び立っていく、様々な節目を迎えた人々のように。。。

風に揺れるたんぽぽの様子をあちこちに散りばめた短いトリル、長いトリルで描写しました。また、最後のコーダは、綿毛となったたんぽぽが上昇する気流に乗って一斉に舞い上がる様子を表しています。三連符と八分音符の交差する派手なアルペジオで舞い上がっていく様子を描写しました。この曲は、飛び立つ綿毛たちのように旅立っていく人たちへの応援歌になりそうです。卒業式や結婚式のBGMに弾いてみたいです。

と書きましたが、最初からそう考えて弾いたというのではなく、数年ぶりに再発見して聴いたときの感想によるあとづけです。この曲は、だいぶ前に家の電子ピアノで夜ふかししながら録音したきり、数年ほど忘れていました。その後、ハードディスク入れ替えなどでピアノ演奏録音ファイルを整理していて、無事、再発見されました。録音した当時は曲名を舟歌と名付けていたようです。派手な終わりの雰囲気にしっくり来たのがタンポポの綿毛の飛翔だったので、たんぽぽ、タンポポの綿毛などに改名することにしました。

曲の2分あたりからの綿毛が一斉に飛んでいくところをぜひお聴きください

楽譜はこちらで200円で購入できます。

曲情報
・アンダンテ・変ホ長調、四分の四拍子・二部形式
2015年10月9日から2016年1月9日の間の何処かで弾いた一回きり録音
YAMAHA-CLP575でUSERAUDIO030として保存された曲