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学生が始める学食のロス削減   ー環境省✖️TABETE “ No Food Loss!” Youth Action Projectの参加を通して学んだこと⑦第2回ごみ調査編ー

ここまで約2ヶ月の間、食べ残し、調理クズ、サンプルと言う3つの課題に対し計画と実行を繰り返してきました。
それぞれに対するアクションには果たしてどのような効果があったのでしょうか?
第1回のゴミ調査の結果と比較して、その成果を確かめたいと思います。


1.ゴミ調査の概要

2020年12月17日から23日までの平日5日間分のゴミを調査。
第1回のゴミ調査同様、事前に学食職員の方に
調理前
調理中(野菜クズ)
調理後(食べ残し)
サンプル

の袋にそれぞれ分別していただきました。

また、今回のゴミ調査ではコロナウイルス感染拡大防止のため、組成調査は行いませんでした。


2.調査の結果、分かったことは3つ

調査の結果は以下の表の通りです。Beforeが第一回目のゴミ調査の結果、Afterが今回のゴミ調査結果です。

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この数値結果から3点のことがわかります。

①食べ残しは減少傾向が見られたものの大幅な削減には至らなかった
②調理クズは、切るときの工夫で少し減らすことができた
③サンプルはモニター表示に変更したのでゼロ達成!

なお、調理前のゴミは前回と同じくゼロであることもわかりました。


ゴミ調査の様子↓

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3.この結果から得られた気づきは4つ

この調査結果を経て、これまで行ってきたプロジェクトに対する気づきが4点挙げられます。

①正しい現状把握がまず大切

生ゴミの組成調査や利用者アンケートなど、現状を正しく理解した上で施策を計画・実行することは、方向性に迷いが見えたときにも軸がぶれずに進めることができるので何よりも大切です。
特に、生ゴミの調査は食べ残しの中でも米が大半を占めるほか、好き嫌いによって残されたのではないかと予測できますし、調理クズもどのような形で野菜が切られているのか、捨てられた状態を見ることで改善すべき点が見えてきます。

ヒヤリングだけでなく現状を自分たちの目で見て確かめることは、想像以上に大きな発見がありました。

②ごはんの食べ残しに対して、量の調整はあまり効果がない可能性

食べ残しの原因は「量の申告の有無」ではなく
・量以外の理由で食べきらない
・自分の本当に食べられる量を認知していない

という2つが考えられます。
量以外の理由には、食べる時間の長短といった制約や、ごはんの味なども一因としてあげることができます。

③仕組みで出るロスは仕組みを変えれば即時ゼロになる

今回ロスゼロを達成できたサンプルに関しては、毎日変わるメニューに対応するためメニュー表示に現物を使用していたという背景がありました。現物で表示されている意図を知った上で、フードロスを出さない方法を考え実行すれば、今回のようにデジタル表示へと仕組みを変えることでロスゼロを達成できます。

また、賞味期限切れなどで捨ててしまう調理前のゴミも、冷蔵庫内のレイアウトや発注の工夫を行うことでロズゼロを達成できていました。

④少量であればコンポスト消化は学校でも可能

調理中の野菜クズに関しては、できるだけ野菜を無駄なく使うなど切り方の工夫をすれば最小限までロスを減らすことができるため、その工夫をした上でコンポストを導入することが最も効果的であると考えられます。
特に大学の学食など多くの料理を提供する場所では野菜クズの数も多く、またコンポストは一度に大量の野菜を分解することはできないため、工夫とコンポストの両方を行うことがロスゼロ達成の近道となります。


以上の結果を踏まえ、いよいよ最終報告会です!


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