徹夜してコンペや課題やって、ゼミ室に寝泊まりして、設計事務所でバイトして、建築学生サークル入って、オープンデスク行って、有名建築家の講演会行って、Twitterに「作品が評価されない悔しい。けど、自分は気に入ってる、評価されなくてもいい」みたいなツイートして、仲間とアツい建築論をかわすっていう量産型テンプレ建築学生って昔から沢山居るじゃないですか。

あれどうも僕は学生時代から共感出来ないのですよね。共感出来ないというか、実感が無いというか、自分にとってはリアリティが無いというか。

せっかく成績とかいいのに同じようなこと感じて「なんかこの界隈嫌だな、、、」と、意匠系行くの躊躇する人も一定数居ると思います。

が、安心して下さい。

「俺は違う！」とか「個性！」とかそういうのではなく、普通に「僕はこうでした。こういう人も居ます。だからそこのあなた、安心して下さい。」という意味も込めて、僕はこういう意匠研ガチ勢の建築学生でした。ってのを書いてみます。

最初に、

僕は建築は好きです。興味もあります。大学の成績も良かったです。設計課題も真面目にやっていました。学内上位常連くらいには評価も良かったです。コンペも結構とっています。卒業設計展の有名どころはほぼ参加して何かしら引っかかっています。

昔も今も建築の本は（も）沢山読んでいると思います。今6帖のスペースを本だけに使ってる部屋があるくらい積読してあります。

大学卒業してから不動産の販売の仕事していますが、未だに3日に1回くらいのペースで即日設計してるくらいには建築を考える事が好きです。

というように、建築には興味ありますし、普通に好きです。

ただ、結構ガチな意匠研だったのですが、ゼミの先生（有名建築家）の展示会の準備とか、事務所の手伝いも1回も行ったことがないです。先生の手伝いサボったら別の取り巻き建築家に「詫び状持って行っとけ」と言われ、「今後も参加できないので沢山持ってきました」って何十枚かまとめて持っていって怒られたことがあります。

たまに先生に嫌われてハラスメント的なこと受ける心配とか無かったのですか？と聞かれるのですが、そうなったら普通に（なんの迷いも恐怖も心配もなく）学校辞めようと思ってましたし、幸い先生が人格者だったのか教育に興味が無いのか、そういう目に会うことは無かったです。

もちろん外部のオープンデスクも設計事務所のバイトも1回も行ったことがないです。

学生団体みたいなのにも1回も参加してないです。合同設計演習みたいなのに強制参加させられそうになったことがありますが、途中で友達に車で誘拐してもらって逃走しました。誰も追ってこなかったです。

TAやったことないです。TAに世話になった記憶も無いです。先輩にCGやCADを教わったことも1回も無いです。ただ、コンペ参加する際にコンペ雑誌を読みまくってトレースしまくったので、面識の無い先輩方には世話になったかもしれません。

学生時代SNSは一切やっていないです。なので有名建築家のツイートとかも見たこと無かったです。後輩から「えぇえへぇへぇ、ビールキメましょうよｗ」とか言われて「何やねんそれ気持ちの悪い」っていうやり取りから少しずつ建築家のツイートの存在を認知しました。

ゼミで誰かと一緒に徹夜した経験もないです。当時から同じゼミの人1人しか連絡先知りません。誰かと真面目に建築を見に行ったこともないです。一度昔からフォローしてくれてる人と飯がてら建築見学行ったのですが、あれは建築見学ではなく「建物内部一周競歩」でした。それくらい見ても仕方ないという感じに思っています（真面目に見る時は他人と行かず一人で行って黙々と実測します。）

ゼミの先輩達に死ぬほど嫌われていましたので、ゼミ室にはほとんど行ったこと無いです。作業（プレボ・模型も）はほぼすべてアパートでやっていました。

appleの商品一切持っていない（学生時代も、今も）です。学部4年までガラケーでしたし、スマホはAndroidで、PCはWindowsのゲーミングノートでした。

建築学生時代、海外留学も経験無いです。ゼミの研修兼ねた海外旅行も参加していないです。ただ、昔海外住んでたので海外の有名建築は沢山見たことがあります。※僕の親が建築関係者というわけではないです。親がええ格好して建築見学してたのにたまたまついて行ってただけだと思います。

メタボリズム展誘われて行ったら同じ美術館でドラクエ展が同時開催しており、迷わずドラクエ展入って一緒に居た建築学生とはぐれたので自然解散したことがあります。

コンペの表彰状に建築家のサインとか入ってたりする（今も入ってるんですかね？）ので沢山もらいましたが、興味持ったり大事に保管したことは一回も無いです。大学出てから何度か引っ越ししたので今どこにあるのか、そもそも僕が持ってるのかも知らないです。

食事、飲みにはかなり沢山誘っていただきました。なので当時若手、今はわりと有名みたいな建築家と食事・飲みに行った事は沢山あります。※個人的にオープンデスクとか行って模型製作作業員やるよりこっち行ったほうが面白いし勉強になると思うのですが、、、

名刺がオシャレ・デザイン度外視の顔面ドアップ写真1枚にぎっしりプロフィール書いた「漢名刺」だったので、配れば結構覚えていただけたのかと思います。そのおかげで沢山誘っていただけたのかもしれません。

就活してる友人に付き合ってくれと頼まれて建築家の講演会に一緒に行ったことはありますが、始まるまでの待ち時間暇すぎて飲み屋入って時間潰そうかと、店入ったっきり講演会行くのが面倒くさくなり、そのまま酒のんで帰りました。

コンペの表彰式終わるタイミングで魔女の宅急便予約していることが多く、予約時間までに講評会・表彰式が終わらない場合途中で会場を抜けることが多かったのでコンペ後の懇親会とかもほぼ参加してないです。参加してもタダで飯くえて酒飲めるのだけが嬉しくて周りの人とほぼ話していないです。ただ、輪を乱すとかは嫌いなので、毎回「みんな仲良くなればいいな」とお祈り申し上げてそっと「すみません、次あるんです」って帰っていました。

たまにコンペ終わりに話しかけてくれる優しい人がいましたが、真面目に建築の話をしたことはほぼ無いです。「あ、スマブラって誰使います？僕フォックスでｆす」みたいな会話した記憶はあります。ただ、今後の参考にってことでPFもらったりはしていました。

今も付き合いのある建築学生時代の友人に「あなたの作品に共感しました」みたいな人は人いないです。そして友人と建築についてアツい議論するみたいな事はほぼ無かったです。留年した友人達と酒のんで64のスマブラばかりしていました。

長い間大学に顔出してない期間があり、理由を聞かれた同じゼミの人が先生に詰められ、耐えきれずに僕がエロゲにハマって大学休んでるとチクってしまったことがあります。事実なので全然良いですが。

ほぼ初対面同士の知らん集団で酒飲んでて5～６時間経って全員寝た中、謎に1人だけ起きてた人と「足りんから飲み直そうか」と夜中一緒にコンビニ行って酒買ってそこから次の日の昼まで酒飲んでたら仲良くなった。みたいな人ばかり今でも仲がよく、今でも付き合いがあります。
※一応少ないですが設計事務所、ゼネコン、アトリエにも友人は居ます。

という感じで、要約すると「奇をてらって」とか「俺は他と違う」みたいな感覚一切無く純粋に自分の思うままに学生生活送った結果オープンデスクも教授の手伝いも留学も設計事務所バイトも学生団体もSNSも一切経験無い建築学生でしたが、楽しく過ごせましたしコンペも沢山取れましたし、卒業後の進路も一切困ってないですし、何より建築は今も興味ありますし好きですということです。（ただ、建築界隈で働きたくはないです）

若くて最高に頭働く大学の時間って限られてますからね。必要無いことはやらなくてもいいし、その選択は自分でやればいいんです。

量産型に当てはまらないって人も興味があるなら安心して意匠研とか行けばいいと思います。僕も総じて楽しかったですから。

それでは