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思い出のライブと本の話。

編集部の中野です。
23年12月で入社3年目になります。えらい。
 
イースト・プレスnoteの総監督であるU氏と
「最近のうちのnoteは業務外の内容やどんな人が働いているのかの記事が少ないね~」
という会話を経て、筆を執ることになりました。
 
私にとってイースト・プレスといえば「劔くんの本を出している会社」でした。
 
『あの頃。男子かしまし物語』


きっかけは高校で同じクラスだった竹内くん(映像ディレクター、映画監督。劔くんがマネージャーをやっていた「神聖かまってちゃん」の撮影もしてました)

竹内くんが監督を務めた『世界の終わりのいずこねこ』

 そんな竹内くんと心斎橋のライブハウスで目当てのバンド(チッツ)を一緒に観に行った対バンのベースが劔くんで彼からデモCDを買って少し話したのが出会い。関西のライブハウス界隈にいたのでちょこちょこ顔を合わせたり「恋愛研究会」や「あらかじめ決められた恋人たち」のライブも観に行ったりといった感じでした。「恋愛研究会」については是非書籍や映画で。
2008年に私が就職で京都から東京に引っ越した際に劔くんも渋谷LUSHというライブハウスで働きだしていていつも受付にいたので、まさに「あの頃」のタイムラインになんとなく触れていたので、イチ読者として「あの頃」を読んだ感覚は新鮮でした。まさかその出版社に自分が入社しているとは~。

私物。面接の時も持っていきました

で。私の趣味はライブハウスに行くこととランニングです。(読書も……好き……です)
先日発売された『文學界』の2023年12月号で高橋弘希さんとピエール中野さんの「ロックバンドは終わらない──邦楽ロック五〇年クロニクル」がとてもおもしろく、そういえば「90年代日本メロディックパンク・クロニクル」なる本をいつか制作したいなというのを思い出しました。
今は家族の時間が最優先なので「これだけは!」といったライブにしか足を運ばなくなりましたが、なんだかんで1000を超える回数のライブに足を運んでいるので(幾ら使ったかは恐ろしくて思い出せない)思い出に残っている公演とその頃読んでいた本を紹介してみたいな~と思います。
  

■1996/12/22(日)
スピッツ 

SPITZ JAMBOREE TOUR '96-'97
神戸文化ホール
当時13歳でした。中学1年生の頃に生まれて初めて行ったライブだったようです。しかも1人。おこづかいを貯めて行ったのでしょうか。
アンコールが「空も飛べるはず」→「旅人」→「青い車」だったんですが、最後に聴いた「青い車」がとんでもなく良くて、地元のジャスコでイースト・プレスが刊行している『青い車』を買ったのでした。20数年前からちゃんとイースト・プレスの本にふれていたことに今気づきました。『青い車』は今もたまに読みます。地方(兵庫県明石市)で裏原カルチャーに憧れていたので映画の『青い車』もとても好きです。

私物。後日この本を編集した大先輩にも会えました。


■1998/12/13(日)
thee michelle gun elephant

WORLD PSYCHO BLUES TOUR
大阪城ホール
14歳。NHK-FMでたまたま流れた「キャンディ・ハウス」で人生が変わったと言っても過言ではない私が初めて生でミッシェルのライブを体感した公演。初めてダイブした(ダイブは危険です)神戸チキンジョージ(移転前)やBLANKEY JET CITYとUAのスリーマンライブも思い出深いですが、初体験の衝撃は忘れられんですね。音がめちゃくちゃデカくて1週間耳鳴りしてました。このころはずーっと「ROCKIN'ON JAPAN」を教室で読んでるような中学生でした。

このあたりのは捨てずにおいてます。神保町の古本屋さん行くとびっくりする金額で売ってます

 

■2000/08/26(日)
Hi-STANDARD

AIRJAM2000
千葉マリンスタジアム
17歳。メロコア・スカパンク全盛期の頃です。当時関西ではブライアン・バートンルイスが地上波で音楽番組をやっていて、「青春18切符を使えば数千円でエアジャムにいける!」みたいな特集に目を輝かせて、兵庫県明石市から千葉県の千葉マリンスタジアムに12時間かけて移動しました。ロックフェスというフォーマットが当時はまだ確立されていなかったのもあり、「スタンディングゾーンから一度出てしまうともうスタンディングゾーンには戻れない」「真夏の8月で水が完売した」などあり、意識朦朧とする中「なんでこんなところに来てしまったんだろう……」と終始後悔していたのですが、ハイスタのライブですべてが吹き飛んだ感じがありますし。今でもあの瞬間は脳裏に蘇ってきます。が、もう23年も立っているのに愕然としています。この頃読んでいた本はまちがいなく『かんたん図解 ホームページ―FrontPage Express編 』(技術評論社)でした。個人ホームページの全盛期だったのでFrontPage Expressの操作法に加え、動画やサウンドを取り込む方法、掲示板やチャットルームの開設方法、さらにHTML言語も勉強できるという私の人生ナンバーワン「実用書」はこの一冊です。

BlogとSNSが存在していなかったインターネット時代を未だに懐かしむ

 

■2002/07/04(日)
CAPTAIN HEDGE HOG

LASTGIG
渋谷AX
19歳。いわゆる「エアジャム世代」がみんな好きだったBRAHMAN、HUSKING BEE、BACK DROP BOMBはじめ、「メロコア」というざっくりと一括りにされがちな時代で、CAPTAIN HEDGE HOGは知る人ぞ知る、みたいな存在だったのかなと思いますが、いまだに私の心を離さないバンドであります。結構人生が大変な時期だったのですが「もうキャプヘジが一生観られない」というところで兵庫県から向かいました。そしたら20年以上経ったいまでもキャプヘジはたまにライブをやっています。ふしぎ。
この頃読んでた本は中島らもさんの『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』(集英社文庫)でした。らもさんのおかげで暗黒の19歳~20歳を乗り越えられたわたくしです。「酒に強くなる方法」もこの本で学びました。(今考えたら急性アルコール中毒待ったなし)

何度読んだか数え切れません。


■2002年7月20日
NUMBER GIRL

LIVE TOUR “NUM-HEAVYMETALLIC”
なんばHatch
19歳。前述の通り、人生が大変な時期だったのですが「もうナンバーガールが一生観られない」という想いから足を運んだ公演です。そしたら去年2度目の解散ライブを去年横浜アリーナで観ました。なんやねん。

これもまたご縁なのですが、『クイック・ジャパン Vol.37』で当時編集長だった、現・百万年書房の北尾修一さんの『巻頭冒険企画 本誌の過剰接待!? ナンバーガール向井秀徳が中野のキャバクラに潜入‼︎』が本当に本当におもしろくて、アンケートハガキに北尾さんに熱い感想ハガキを書きました。あとがきに「当編集部ではライターを募集しています」みたいなことを北尾さんが書かれていて、「いつか働きたいです」みたいなことも書いた気がします。
20年の時を経て、北尾修一さんの著作『いつもよりも具体的な本づくりの話を。』の編集担当に自分がなっているとは人生ってすげえなって今でも思っています。
『いつもよりも具体的な本づくりの話を。』は本当に良い本なので全員買ってください。
 
 

■2008年3月29日
湯川潮音

弦とわたしツアー
九段会館 大ホール

4月1日が入職日だったのですんごい憂鬱だったのを覚えています。1曲目が「朝の讃歌」を潮音さんがアカペラで歌いだしたのですが、涙がダバダバと溢れてきまして。
“ああ 今日もあなたに すてきなことがあるといい わたしはひたすら 祈っている ただそれだけしかできない”
の歌詞に今も勇気づけられている自分がいます。
2011年の東日本大震災で帰宅困難者になった際、九段会館の前を通りました。その日の天井崩落事故の影響で九段ホールはなくなってしまいました。いまも仕事の資料探しで付近の千代田区図書館によく行くのでそのことをいつも思い出す日々です。
その頃読んでいたのが内田樹さんの『街場の教育論』(ミシマ社)でした。人生ベスト5に入る名著です。教育にかかわる(すなわち全国民)に読んでほしい一冊。

  

■2011年9月3日
Riddim Saunter

FAREWELL PARTY
東京・中野サンプラザ
2011年は東日本大震災。その22ヶ月後に結婚と人生の転換期な1年だったのですが、わたしの人生ナンバーワンバンド、Riddim Saunterが解散した年でもありました。まさかの最前列。中野サンプラザも今年で閉館になってしまいましたね。ドラムの古川太一くん(現KONCOS、LEARNERS)には以前勤めていた出版社でグッズ制作のデザインを担当してくれました。

今見てもかわいいな……


■2022年7月29日
VAMPIRE WEEKEND

FUJI ROCK FESTIVAL'22
 この頃はイースト・プレスにもう入社してたんですが当時の上司に「●●と◯◯があるんですが、フジロックに……行き…」「ああ、いいよいいよ行ってきなよ」と即レスしてくれてなんていい会社なんや~と感激した思い出があります。そんな中でのヘッドライナーのVAMPIRE WEEKENDはすんばらしかったです。「音楽って無限大!」みたいな39歳とは思えない感想しか出ませんでした。PAトラブルで中断した際に、AC/DCの「Back In Black」がずーっと流れていて、ちょうど編集を担当した『マーベル・シネマティック・ユニバース音楽考』が7月刊だったので、「おお…アイアンマン!」と感動したのは苗場で私だけかもしれません。

  

■2023年9月3日
the dadadadys

渋谷La.mama
最近のバンドでMAX最高愛してるバンド。それがthe dadadadysです。
この日は対バンのおとぼけビ~バ~もすごくよかったんですが、この日初めて観たthe dadadadysには忘れていた初期衝動を全て思い出させてくれたのです。会社でも基本的に
the dadadadysのTシャツを着ています。

 【Youtube】

 
 そんな人間が日々本をつくっている弊社をよろしくおねがいしま~す。(唐突に終了)


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