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勝手に!お悩み相談「快楽(ドーパミン)について」


勝手にお悩み相談の時間でございます。
今回は「快楽(ドーパミン)」についてお話しします。

「快楽」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? ソファーでゴロゴロしているとき、美味しい食べ物を食べたとき、サウナでリフレッシュしたときなど、様々な場面で心地よさを感じますよね。

しかし、快楽だけを追い求めた結果、以前よりも快楽を感じにくくなり、毎日が充実しているとは感じられなくなってしまうことがあります。このような状況に陥ってしまう原因は何なのでしょうか?

構成としては、まず古代ギリシャの哲学者たちが「快楽」についてどのように考えたかを紹介します。その後、『ドーパミン中毒』を参考にして、「快楽」に向き合う方法について述べ、筆者自身の意見を述べていきます。ぜひ最後までお付き合いください。

古代ギリシャ哲学

まずは、古代ギリシャの哲学者たちがどのように「快楽」について考えていたかについて紹介します。ここでは、エピクロスとゼノンについて解説します。この二人は、ヘレニズム時代の哲学者として有名です。ヘレニズム時代とは、アレクサンドロス大王の東征によってポリス(都市国家)が崩壊し、個人の生き方が重要視された時代です。それではさっそく見ていきましょう!

エピクロス


まず、エピクロスの思想についてです。
エピクロスの思想は一般的に快楽主義と呼ばれますが、それはなぜでしょうか。
彼は、人生の目的が幸福であり、幸福=快楽と考えました。
ここで注意が必要なのは、快楽の定義です。
彼が考える快楽とは、持続的なものであり、単に感覚的に心地よいものではありません。
例えば、一日中家で何もせずに過ごすことは、短期的には快感を感じるかもしれませんが、やがて無力感を感じるため、持続的な快楽とは言えません。
したがって、それを真の快楽とは呼ばないのです。
また、彼が幸福を実現するために重視したのは、体の健康と精神的な不安のない状態でした。
そのため、彼は「エピクロスの園」と呼ばれる学園を設立し、弟子たちとともに引きこもること。
確かに、この方法は根本的な解決策ですね笑。彼のモットーは「隠れて生きよ」でした。
現代では同じ方法を取ることは難しいかもしれませんが、彼がこのような生き方を選んだのはすごく面白いし、新しい考え方を私たちに与えてくれますね。

ゼノン


次に、ゼノンについてです。
彼の思想は、エピクロスと正反対の禁欲主義と呼ばれます。
人間は理性に従って生き、欲望にとらわれない生き方が理想だと主張しました。
また、社会貢献の重要性も主張していたようです。エピクロスとは正反対のように思えますが、二人には共通している点があります。
それは、「魂の安定」を目指したことです。アプローチは違いますが、快楽とどう向き合うかという観点から、互いが心の落ち着いた状態を目指したということですね。

『ドーパミン中毒』より


次に、最近読んで感銘を受けた『ドーパミン中毒』の内容を参考に、苦痛と快楽を感じるメカニズムについて紹介します。
苦痛と快楽を感じる脳の部位は実は同じであることが分かっています。そして、それはシーソーのようなもので、苦痛を感じれば快楽の方に傾き、快楽を感じれば苦痛の方に傾きます。
つまり、快楽を感じるための行動を続けていくと、それは次第に苦痛へと変わっていくのです。逆に先に苦痛を感じれば、快楽を得られるわけです。その例として、サウナやコールドシャワーが挙げられます。最近私も毎日コールドシャワーをやっているのですが、頭が冴えてやるべきことに集中できています。心臓などご病気のある方、弱い方にはもちろんお勧めできませんが、そうではない方は試してみる価値アリです!ただし、あまりハマりすぎると苦痛中毒のようになってしまうこともあるようなので注意が必要です。

筆者より


「快楽」を巡る議論について、いかがでしたでしょうか。

私はエピクロス派か、ゼノン派かと言われればエピクロス派ですね。今、色々行動して頑張ろうと思っているのは、自分にとっての持続的な快楽(自分の好きなタイミング・好きな分野・好きな時間働けば生活ができる状態)を得るためです。そのため、現在は禁欲主義的になってしまっている節はありますが笑。

上記の議論を受けて、私が最近よく思うのは手軽に得られるドーパミン源の過剰摂取は問題であるということです。それらが与える幸福感は長くは続かないためです。脳のメカニズム的に言えば、「快楽→苦痛」のサイクルです。
デジタルドラッグ*(過度な娯楽要素に振り切った動画)やアルコールなど、手が届きやすい依存性のあるものを生活の糧にして使い続けると、次第に喜びを感じなくなります。
私の意見としては、もちろん手軽なドーパミンもある程度なら良いと思いますし、私自身もある程度楽しんでいますが、長期的な依存症に罹ってしまえば人生の光が失われます。

持続的な快楽を得るために最も必要なことは自分が幸せと感じるときはどんな時かを明確にすること、言い換えれば「夢を持つこと」だと思います。
私にとっては、幸せとは不安がない状態で自分が好きなことをやってお金も生み出し、日々を過ごせるということ。端的に申し上げると私はサイドFIREすることが夢です!誰に何と言われてもこの夢のために行動します。
夢のために行動しているときは辛いことも含めて楽しいです。何かできないことがあればそれを乗り越えるために努力して、乗り越えられるようになるプロセスがたまりません笑。
実際このようにして、なりたい自分の状態を思い描きながら行動した末に得られる物質。それこそが真のドーパミンではないでしょうか。


(*文中の表現で「ドラッグ」がありますが、一般的には薬物を指す言葉であり、本文中の用法は特殊です。ですが、依存症に陥る危険性があるということを明示するため、本文中ではこの表現を使用しています。)


参考文献
・アンナ・レンブケ、『ドーパミン中毒』、新潮社、2022年。
・浜島書店編集部、『最新図説 倫理』、浜島書店、2018年。

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