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デミロマンティックはなぜ人を好きになりにくいのか深掘りしてみた


最初に断っておくと、“デミロマンティック”と書いてますが、すべてのデミロマさんに当てはまるわけではありません。

今回は、あくまでも私の個人的な経験から導き出した、

デミロマンティックはなぜ人を好きになりにくいのか

を、深掘りしていきます。



本題に入る前に、デミロマンティックってなに?という方向けに、少し説明を。

デミロマンティックとは、強い感情的な絆や、信頼関係が築かれている関係の人に対してのみ、稀に恋愛感情を抱くと言われています。

なかなか人を好きにならない恋愛傾向のことを、デミロマンティックと言います。

私はこれまで、デミロマンティックとして、記事をいくつか書いてきました。

で、早速結論から書きますと、なぜデミロマンティックは人を好きになりにくいのか、
それは


一途だから。


デミロマンティックは、人を好きになったらめちゃくちゃ一途になるから。

だから、なかなか人を好きになれない。



デミロマンティックさんは、重いくらい一途なのです。

好きになったら、本当にその人のことしか好きにならないし、その人以外目に入りません。

デミロマンティックさんは、生涯をかけて全身全霊で愛せるかどうか見極めるため、なかなか人を好きになれない、というかならない・・・・のです。

恋のエンジンがかかるのは遅いけど、一度火がついたらその炎の勢いがものすごいのです。

好きになったらものすごい嫉妬するし、ものすごい執着する。独占欲が爆発して、ものすご~く重くなります。

そしてこの傾向は、デミロマさんなりの“傷つかないための処世術”から来ています。



私は以前、デミロマンティックになる要因の一つに、家庭環境があるのではないかということを記事に書きました。

デミロマンティックとアダルトチルドレンの関係について、詳しい因果関係は定かではありませんが、

私はこちらの記事で、人を好きになりにくい傾向は、両親の不仲などの家庭環境から来ているのではないかと書きました。

不仲な両親を見て育った関係から

自分なんかが好かれるわけがない
自分なんかが愛されるわけない

と人からの好意に対して疑心暗鬼になってしまったり、

どうせ人はいつか別れる
愛が続くことはない

といった間違った概念が植え付けられてしまうことがあります。

自分が愛される存在であることに疑いを持ってしまう

また、

人と人が永遠に愛し合うということはあり得ない

という思い込みから、人を好きになることのハードルが高くなってしまうのです。

“人を好きになっても相手が自分を好きになってくれるとは限らないし、両想いになったとしても相手が去って行ってしまうかもしれない”

そんな風に恋愛に対して苦手意識を持っているので、カジュアルに恋愛を楽しんでいる人たちを見ると、

なんで?どうして?
なんでそんなに簡単に交換・・できるの?自分は持っていることを自覚することすら難しいのに。

と混乱し、恋愛に対するフットワークの違いに愕然としてしまいます。



デミロマさんは、失敗したくないのです。
デミロマさんは、傷つきたくないのです。

大事に持っているものを、簡単に人に明け渡すことができないのです。

自分の大事なものを渡した場所・・が、

頑丈か
雨漏りしないか

また、すぐに劣化しないか(飽きられてポイっと捨てられないか)

その見極めをするために、時間を要してしまうのです。

それが、“強い信頼関係が結ばれないと恋愛感情を抱かない”ということなのです。



あるブログに、“女性は会話欲が満たされることを重視し、男性は性欲が満たされることを重視する”と書かれていて、妙に腑に落ちたことがありました。

デミロマさんの場合、性別関係なく、一般的な人に比べて、この“会話欲”が満たされることが、その先の恋愛に進むための重要な鍵になると感じます。

つまり、デミロマさんは、会話欲が満たされて初めて、その先に進みたいという欲求が生まれるのです。(デミセクシャルとデミロマンティックは厳密には違いますが)

どれだけ印象が良くても、相性の良さを感じていても、会話欲が満たされていないと、友達から恋人に昇格することはありません。



一般的には、友達から恋人になるまで、目立った障壁は存在していません。

あったとしても、ちょっとまたいだりジャンプしたりすれば、飛び越えられる程度と言えます。

一般的な関係性の場合


しかし、デミロマンティックの場合、この友達から恋人の間に、高い壁が立ちはだかっている状態と言えます。


デミロマンティックの場合


たとえ友達だとしても、越えなければならない障害がまだまだあるのです。

つまり、デミロマンティックにとっては、会話欲が満たされ、

“この人は信頼するに十分な人で、自分の愛を捧げるに値する人である。”

と認められたときに、初めて高い壁がなくなり友達から恋人へと昇格するのです。

(恋人になるための入り口は友達が絶対条件・・・・なので、必然的に人を好きになる確率は低くなります。)



私は以前に子ども向け英会話講師をしていたころ、ある同僚のことをいいなと思っていました。

その同僚とは担当する幼稚園が一緒で、その幼稚園まで車移動だったため、週に1回車内でいろいろな話をする機会がありました。(往復1時間ほど)

そして、私が恋心を自覚したのはどのタイミングかというと、一緒に仕事をするようになってから1年経った頃でした。


もちろん個人差があって一概には言えないと思いますが、週に1回1時間会話する機会があれば、

だいたい2、3ヵ月から少なくとも半年以内には、恋心を自覚する人が大半なんじゃないかと思います。

しかし当時の私にとっては、会話欲が満たされないと相手との信頼関係が築けず、恋心を自覚するまでに、結果的に1年かかりました。


繰り返しになりますが、デミロマンティックにとって、友達と恋人の間に存在する壁を乗り越えないと、恋愛感情を持つことはありません。


壁を乗り越えるの図


もしもデミロマさんに気になる人ができたら、さながらクライミングのように、指定されたポイントを通って頂上を目指してもらわなければなりません。

(というか、デミロマさんが少しでも相手を意識した段階で、評価が始まっているのです。)


☑嘘をつかない
☑優しくて誠実
☑尊敬できる
☑自立している
☑穏やかで感情的にならない

そして何より、自分のことを一途に愛してくれる

基準は人それぞれかと思いますが、私の感覚としては各項目別に評価が分かれていて、

その評価基準が満たされたことで初めて、恋愛対象として相手を認識するようになるといった感じです。

ここまで読んで頂いた方は、え、何様?と思われるかもしれませんが、デミロマンティックにとっては、それだけ愛することに対して厳しい条件を持っていることが多いのです。

そして、十分に相手とかかわりを持った上で、各項目で合格だと感じると、

“この人素敵だな…、好きだな😳”

と恋愛感情が芽生えるのです。

こんな感じで↓


しかし、その壁があまりにも高いので、デミロマさんは好きな人・・・・がなかなかできないのです。


noteに多数デミロマンティックの記事を投稿されているデミロマ会議さんの記事に、

コップに最後の1滴が注がれて水が溢れるまでは、相手に対して好きな気持ちがここまで募っていたことに全く無自覚であるのだ。

デミロマンティックは自分の恋愛感情にも他人の恋愛感情にも鈍感なのか?|デミロマンティックの私に見える世界より引用

とあるのですが、このコップは壁に置き換えられます。


意識した段階で壁を登り始めている


つまり、私の感覚では、相手を意識している段階で好き・・ではあるのですが、まだちゃんとした好き・・・・・・・・じゃないのです。

ちゃんとした好きを自覚するときとは、相手が壁を登り切った段階であり、デミロマ会議さんの言う、コップの水があふれた段階なのです。


…なんだかめんどくさいですね。

そうなのです。デミロマンティックは、めんどくさいのです。


いちいち細かいこと言ってないでとりあえず付き合ってみたらいいじゃん。

好きかどうかいちいち考えたってキリがないよ。

その通りなのです。

けど、デミロマンティックにとって人を好きになることは、一般の人とはニュアンスが違うのです。

なぜなら、全身全霊をかけて相手を愛することが、相手に対して一番誠実で真摯な対応だと考えているからです。


冒頭でもお伝えしましたが、デミロマさんの愛は重いのです。

なぜなら、失敗したくないから。傷つきたくないから。

本当は、深く愛されたいのです。

ちゃんと、愛されたいのです。

ただ、愛されることが信じられないのです。

だから、大きなLOVEの袋を小分けにして相手に渡すことができず、重たい愛を抱える状態になるのです。

その代わり、好きになった相手にはとことん尽くすし、自分のすべてを捧げる勢いで愛したいと思っています。



じゃあ、好きな人がなかなかできないデミロマさんは、どうすればいいのか。

壁を低くしてみたらいいじゃないかと考えても、自分の中で作り上げた基準を崩すことはハードルが高いのです。

そもそも、壁を高くすることは、デミロマさんにとって一種の処世術なのです。

好きになった相手にフラれたとき、

“ほらね、やっぱり愛なんて存在しないし、自分を好きになってくれる人なんていないんだ。”

そうやって傷つかないために、自分なりに編み出した防御壁なのです。

この防御壁をクリアしてくれた人なら、きっと私のことを一生裏切らないで愛し続けてくれるだろう。

デミロマさんは、そう確信するまで恋心を自覚できないのです。

ただ、この防御壁のせいで、“みんなと同じように恋愛できない”とコンプレックスを抱えてしまうこともあります。



ここで、この防御壁を振り返ってみます。

☑嘘をつかない
☑優しくて誠実
☑尊敬できる
☑自立している
☑穏やかで感情的にならない
☑一途に自分を愛してくれる


よく見てみると、このチェック項目は、実は自分に対して要求していることだとわかります。

つまり、このチェック項目をまずは自分自身に対して満たしてあげれば、おのずと壁は低くなるのです。


自分が満たされれば、外に求めることはなくなります。

人はやがて離れていく
どうせ私は愛されない

この呪いから、まずは自分で自分を解放してあげる必要があるのです。

傷ついた心を守るために防御壁が高くなることは、なんらおかしいことではありません。

大事なのは、その防御壁に対して、“自分は人並みに恋愛できない”とコンプレックスや罪悪感を持つのではなく、

まずは自分を愛で満たしてあげることに意識を向けることなのです。


大丈夫だよ
あなたは愛されるよ
人を心から愛していいんだよ


そう、自分に優しく語りかけてあげるのです。

すると、あなたを愛してくれる人たちが自然と集まってきます。



恋人に対して求める理想のタイプは、実は自分がなりたいタイプだと言われます。

そしてその理想のタイプは、もうすでに自分がなっているのです。

見えないだけ、自覚していないだけで、その理想のタイプになる能力を私たちはすでに持っているのです。


もしも、こんな人じゃないと好きになれない、恋愛感情が持てない、と感じていたら、

まずは真っ先に、理想の人に自分がなること。

正確に言うと、その理想の人になっているのに、自覚がない・・・・・自分に気づくこと。


そうやって、一つずつ絡まった糸をほぐすように自分に対する認識を変えていくと、自然と友達と恋人の間にある壁は低くなります。

そして、自分の中に芽生えた“小さな好き”を、大切にできるようになります。


そんなに深く考えなくてもいいのです。

自分だって人だって、変わっていきます。

そもそも、その人のどこに焦点を当てるかで、目に映る人物像は変わります。

今見ているその人の姿が、絶対ではないのです。



まずは、自分はもう理想の人になっていたことに気づくこと。

自分からの愛に気づき、呪縛から自分を解き放ってあげること。


自分は欠けた存在であるという思い込みを手放すと、自然と自分と同じように自分を愛してくれる人と出会えます。


もしも人を好きになりにくいとコンプレックスを感じている方がいたら、

まずは、自分を守るために必要な防御壁だったのだと、自分を肯定してあげてください。

その上で、自分自身の手で、自分は愛されないという呪いから、自分を解放してあげてください。



あなたが、ありのままのあなたで愛される世界で、自分らしく過ごせますように…😊💓



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