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目に見えない根っこを考える

「少し反抗的な態度で、足を組んで授業を受けている生徒がいる。校内の先生方の中には指導をあきらめ、注意しない人も増えてきた。どうすればやめさせることができるか。」

若手の先生から質問を受けたことがある。

よくよく話を聞いてみると、先生によって態度を変えるわけではないこと、多くの先生方は直接注意することはなく、若手に注意をするよう促すことなどが分かった。

これ以上の詳細な状況は分からないが、1つ言えることは、先生方全員が足を組むことを「注意という手立て」のみでやめさせようとしても、ほとんど効果はないということである。その場では、毎回、しぶしぶ態度を改めるかもしれないが根本的な問題は解決しないからである。

組織的に対応するのは大切なことであるが「対応の仕方」を考える必要がある。この場合で言うと「注意」という手立て以外の方法を考えることである。そのためには「足を組んで授業を受ける理由」を探っていくことになる。

もしかしたら「授業で自分の存在が無視されていると感じているからかもしれない。」「これまでの指導に不満をもっている」「他の生徒に対して存在意義を示すためのアピール」「注目獲得欲求」など様々なことが考えられる。ABC分析などでアセスメントしたり、何なら本人に聞いてみたりしてもよい。その行動が生まれる要因をとらえた上で、効果的な指導を考えること、そして、その指導を先生方で共有し、試行錯誤しながら対応するのである。

「足を組む」という目に見える行為の下には、目に見えない根っこの課題がある。この根っこの課題を解決するためには「その行為を注意する」だけの指導ではなく、その行為が発生する要因を考え、効果的な指導を組織的に対応していくことが大切なのである。目に見える行為だけを注意だけで、指導続けると、余計に事態は悪化することもあり、その後の指導はより大変になることがある。

当たり前のことかもしれないが、意外に見落とされがちなことである。

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