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傑作! 運慶の毘沙門天に会いに。伊豆へ。

僕は、仏像好き。

仏像を見るため

だけ

に出かけることも、可能。(抱き合わせの目的地ナシでも、ね)

ということで、行ってきました。伊豆の

願成就院(がんじょうじゅいん)。

ちょっと遠いんですが、一度は見ておきたかったんですよね、

運慶の傑作を!

このお寺はそもそも、北条時政公!が娘(北条政子!)婿の源頼朝公!の奥州藤原氏!征伐の戦勝を祈願して建てたという、

もの凄い有名人オンパレード

の由来を持ちます。

が、こぢんまりしたお寺です。残念ながら当初の建物は焼けてしまい巨大だった伽藍の殆どが残っていません。

しかし!

仏像が本当に素晴らしい。

なんと五体もの、運慶自らがノミを振るった、という国宝が

見られます。

火事の時はどうしたかって?

当時の方々が担いで避難させたとのことです。

スゲえな。先人達は。

その命懸けの行動のお陰で、現代でも運慶の傑作が見られる。感謝。
中でも私が見たかったのが、毘沙門天立像。

いやー、めちゃくちゃ完成度高いです。

そりゃ、国宝だわな。

と、一瞥しただけで、そう思わせます。

(写真禁止のためネットより拝借[小坊主の放浪記]さんより。運慶展での写真。)

どーですか、このポーズ。

圧倒的な写実性。きっと運慶はA型だったんだろうなと思わせる、細部までとことんこだわったリアル感。例えば…

右の袖の衣が、ふっと揺れた瞬間を切り取った感じ。

腰をくの字に曲げ左足に体重をかけた絶妙なバランス。

武具の下に、筋肉だけでなく、力士のような肉感も併せ持った力強さ。

そして、緊張感の中にも余裕をたたえる表情。

スバラシイ。

↑イSムというブランドの毘沙門天フィギュアは、かなり再現性が高いと思います。

お次は不動明王。
こちらは、

ひとえにその眼力。

2人の童子像ももちろん、運慶作の国宝です。

(願成就院さんのHPより。)

そして、ワタクシお決まりのご朱印。外国人の方が書いて下さいます(あとでネットで調べると英国ご出身の僧侶の方とのこと)。

デザインとバランスが素晴らしい!

「毘沙門天」と「阿弥陀如来」と「不動明王」から選べます(もちろん、全部でも)。
ワタクシ迷わず、毘沙門天。

最後に一つだけ、

これは、願成就院の場合は当時の建物が焼けてしまっているので仕方ないことなんですが、やはり、

仏像の前に一人たたずみ、心静かにその姿を見る

に当たって私が非常に大事だと思う、

凛とした空間感

というのは、やはり奈良、京都のお寺、例えば三十三間堂東大寺戒壇堂、東大寺法華堂(三月堂)、新薬師寺あたり、本当に素晴らしいんだな、と改めて感じました。
空気感じゃなく、空間感なんですよね。

建物に対して仏像がデカいことで、仏像側から圧迫してくるような緊張感(法華堂)

とか、

逆に建物の空間に余裕があることで、ただただ静かに、思う存分仏像に向き合える感じ(戒壇堂)

とか、

拝観者の動線が、静かに、しかし感動のステージに、急に躍り出るような感じ(三十三間堂)

とかね。

ちなみにワタクシ、全くの無宗教なんですが、やっぱりこういう場所に行くとホント、心洗われる感じがするというか、街や仕事の喧騒から離れられるんです。行くと、手を合わせたくなります。自然と、ね。

それはさておき、仏像好きの方にとって、本当にこの願成就院の仏像は、

一度は見ておかねばならない、マスト

のものだと思いますよ。
以前、デザイン最強の仏像ランキングって勝手にやったんですけど、実際に見たことのない仏像は入れていませんでした。今回、この目でじっくり見させていただいた結果、

東大寺戒壇堂の広目天と並び、ワタクシの中でランキング第1位タイです!

それでは、またー!

サポートいただけるなら、グンとやる気出します。