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・別役実『鳥づくし』を読む。本当につまらなすぎて衝撃を受けた。最初の数ページで退屈さが閾値を超えてしまった。一生懸命ひねくれてシニカルな笑いを作ってやろうという意図が透けて見える。全編通して滑りも滑りの大ド滑り。ユリイカの特集を見たら、冒頭の娘のインタビューで、自著はくれないけどエドワードゴーリーを読ませてくれたとかいう話で心底うんざりしてやめた。別役実を好きな人間は全員嫌いだ。「おれたちは本物のユーモアを知っている」という、青っ白いインテリの鼻っ面をぶん殴って回りたい。

・200ページずっと鉛筆の削り方をバカ丁寧に説明する本とか、『◯◯づくし』シリーズとかの、面白くない上に自分が賢いと思っている人間の「おれたち、真面目にバカやれます」という自負が本当に気色悪い。フランクファートの『ウンコな議論』も別役実と同じ理由で同じくらい大嫌いだ。大学にもこういうサークルが山ほどある。早稲田生だけど生きたまま芋虫食べちゃいます!早稲田生だけどかくれんぼをガチでやっちゃってます!早稲田生だけどこんなバカできちゃいます!ああ不快極まる!嫌だ嫌だ嫌だ!書いていて鳥肌が立つ。怒りと嫌悪がおさまらぬ。不愉快だ!金輪際このことは書かない。嫌だ嫌だ、本当に不愉快だ!

・金輪際書かぬと言ったが一応別役実の擁護もしておく。「ひとつの文章を、官僚にいやおうなく受け入れさせるためのこつは、論理的精緻さではなく、詩的飛躍」だという警句は、退屈だが、悪くはない。一冊全体がつまんなすぎちゃってるド滑りドビチグソまみれだったから、この一行だけぼんやり浮いている。しかし退屈だ。お前の本は2度と読まぬ。

・後輩と一緒に飯を食っていた。後輩が、おかずも終わりかけに白米を7, 8割残していた。「ちゃんと計算して食わないからそうなるのだ」と嘲ったら、「味の濃いものを食った後の口直しというか、口内をニュートラルにするために白米が残ってるといいんです」と反論された。苦し紛れの詭弁と切り捨てるには随分説得力がある。そういう考えもあるのか。

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