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訪問鍼灸マッサージ専業はやめたほうがいい


前の記事で、訪問鍼灸マッサージが稼げなくなると考える根拠について解説しました。

そもそも、私は訪問鍼灸マッサージ専業で収入を得ようとすることは
勧めません。

ですが、副業などとして別の収入に加えるならば良い選択枝になると
考えます。

本記事では、そう考える理由を解説します。
先に書いておきますが、条件によっては、この記事の限りではないので
ご承知おきください。

1.訪問鍼灸マッサージはどのくらい稼げるのか

そもそも、訪問鍼灸マッサージはどのくらい稼げるか、という話ですが
まず、昨今よくみられる訪問鍼灸マッサージの情報商材を売っている業者や
フランチャイズ加盟店を募集している業者が提示している条件で
計算してましょう。

・一時間あたりに一人施術(移動時間込み)
・一日8時間稼働。
・月稼働日数20日
・一回の施術あたりの単価 施術料¥1,550 + 往診料¥2,300 =合計 ¥3,850

前の記事で説明したように、あん摩マッサージ指圧の施術料は改定されると
思われ参考にならないので、鍼灸施術の施術料で計算します。

1.1.一人で営んだ場合

¥3,850 × 8(人) × 20(日) = ¥616,000
これが上記の条件で計算した場合の推定金額です。
恐らく、あん摩マッサージ指圧の施術料金改定後も近い金額になるかと
思われます。

もちろん、滞在時間を15~20分程度にして、一時間で二人の患者の所に
訪問する方法をとれば収入を増やせますが、訪問鍼灸マッサージの施術所が増えている中で、施術のクオリティを落として成り立つと考えるのは
浅慮でしょう。
実際、一回あたりの施術時間が短いのに週に何度も施術に来ることが不満で、他の施術所から私の施術所に乗り換えてきた患者も多くいます。

ここから、経費を引きます。
経費として考えられるものは

・店舗代
・駐車場代
・水道光熱費
・通信費
・消耗品費
・車両費、燃料費

など。その他に

・フランチャイズ加盟に伴う、ロイヤリティ費
・療養費請求に係る、レセプト作成の委託費

なども、場合によっては必要になります。

ちなみに、別の記事で解説しますが、フランチャイズ加盟とレセプト作成の委託は勧めません。

ということで、前述した条件で計算すると、自分一人で稼働させた場合、
大体¥500,000が月の所得になると思われます。

と言いたいところですが、これは浅慮な計算です。
稼働時間8時間の全枠が埋めることができれば、この計算は成り立ちますが
患者獲得の為に営業を行わなくてはいけませんので、
毎日全枠を埋めることはできないでしょう。
ケアマネへの挨拶周りだけ行えば患者を紹介してもらえる、
という訳でないので、営業には相当な時間を割く必要があります。
よく、訪問鍼灸マッサージは獲得した患者が積みあがっていく、
営業に注力しなくて良い、ストック型ビジネスなんて言われますが、
独歩での通院困難の患者を顧客の対象にしているという特徴の為、
入院や逝去、施設入居などで少なくない頻度で施術が終了してしまいます。
ですので、フロー型ビジネスと同じように営業に注力する必要があります。

つまり先ほど算出した
¥500,000以下の所得になる可能性は大いにあります。
個人事業主ならば、もう少し収入がないと不安ですよね。

1.2.施術者を新たに雇いいれるとどうなるか?


施術者一人で稼げる収入には限界がありますので、
さらに収入を増やすのであれば、
新たに施術者を雇い入れる必要があります。
新たな施術者には施術に専念してもらうとして、1.1.一人で営んだ場合 で算出した
¥3,850 × 8(人) × 20(日) = ¥616,000 を使用します。

ここから、経費として

・通信費
・消耗品費
・車両費、燃料費
・人件費

を引きます。

人件費は、基本給25万円 とした場合
基本給¥250,000 + 法定福利費(労災保険料、雇用保険料、健康保険料、
厚生年金保険料、介護保険料など) = ¥300,000程度 となります。

ということで、計算の結果、施術者一人を雇うにあたり
約¥250,000の利益増が考えられます。

一人従業員を雇うにあたり、¥250,000の利益増ってどう思いますか?
人を雇うリスクに比して少ないと思いませんか?
ここから、療養費改定で施術料と往療費が減りますので、私は割に合わないと思います。
また、あはき業界は開業権がある事と、事業所が多いという特性が
ありますので人材の流動性は高いです。
ですので、採用にかかる費用も頭に入れなければいけません。

2.まとめ


ということで、要点だけを掻い摘んで書きますと、

・一人で営むのであれば、個人事業主のリスクに見合う収入は得にくい。
・従業員を雇うことのリスクと得られる収入が見合ってない。
・上記二点に加えて、療養費改定によりさらに収入が減る可能性がある。
 
上記の理由で、訪問鍼灸マッサージに専念して収入を得ようとすることは
勧めません。
ですが、副収入として行うのであれば、良い選択肢になるとおもいます。
そう考える理由は次の記事で説明しますので、是非ご査収ください。

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