電車

ガタンゴトン、

ガタン、

ゴトン、


電車一両の重さは約30トン。

重い鉄の塊が一日中全国を駆け巡っている。


私はオタクと言うほどの知識は無いが、

電車が好きだ。


乗るのはもちろん好きだし、顔も好きだ。

車両そのものが好きだ。

写真では見たことがあるが乗ったことない車両に乗ると

ワクワクとドキドキが止まらない。


でも、都会の通勤電車は嫌いだ。

考えただけで吐きそうだ。


事件は池袋で起きた。

ある朝、私は友達と都内の電車に乗っていた。

普段は電車に乗らないので胸を躍らせていた。


しかし、朝の通勤時間ドストライク。

「席が埋まれば満員電車」というのが満員電車の定義だった地方出身の私にとって都心の通勤時間は吐く寸前だった。


池袋で乗り換えた。

地下鉄のホームに電車が到着し、

私の前に並んでいた友達はさっと電車に乗り込んでいった。


「よし、乗ろう!」


そう思った時には私は後ろに並んでた人に突き飛ばされていた。


何が起きているのか理解できなかった。








例えるなら小球Bだ。


『初速 vで動いている小球Aが

静止している小球Bと衝突し、

小球Bは角度θの方向にv'で動き出した。

衝突後の小球Aの速度を求めなさい。」

みたいな感じの物理の衝突問題を受験生の時は無感情で解いていた。


小球Bの気持ちがやっと分かった。


小球Bに申し訳ことをしたと思った。

それと同時に小球Aに腹が立った。


地方からはるばる上京してきた大学生の夢と希望が

早く電車に乗りたいという都会人のしょうもない欲によって

ぶち壊されたのだ。


問題作成者は速度を求めさせた後に

「小球Bの気持ちを答えなさい。」

という問を付け足しておいて欲しい。


これは物理ではなく道徳だ。



列から外れてしまった私はホームドアに背中を強打した。


ホームドアは安全のために設置されているが

あの時それは凶器と化した。


半泣きで満員電車にギリギリで乗り込んだ。

何駅か過ぎて人が少し減り、友達と再会できた。

ものすごくびっくりされた。



あれから地下鉄が怖い。


地下鉄にはなるべく乗らないように生きている。

チャリ通は最高だ。




景色の綺麗なとこを走る電車に乗ろう。


小田急ロマンスカーのGSEに乗ってみたい。



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