リライトちゅう。ショート解体27

「ツナ缶だけをソッ…と渡される主婦の気持ち」

「……せ、世知辛い……!?」

「いや猫かな??? 夕食と明日の朝ごはんと俺の昼飯をこれだけで賄えと。猫でも無理じゃないか」

「そこをなんとか。厳しいんですよ給料日前は……。食費も増えてますし……?」

「さりげなく俺にも責任を分けようとしないの。バレバレ。貧しいのは別にいいよ? でも草でも拾ってきたらいつもみたいに」
「仕事と勉強が今ちょっと……忙しいんです……。卵、買ったじゃないですか。生卵ごはん、ゆで卵おにぎり、ゆで卵、夢いっぱいですよ」
「卵嫌いだったらどうするの」
「嫌いなんですか」
「むしろ好き」
「問題ないじゃないですか!」

「気持ちの問題だよ、気持ちの。こんなヒステリー入っちゃった主婦みたいなことを俺に言わせる沙耶ちゃん! 罪ぶかぁい」

「いえそれは違くありませんか。罪ではないですよ。罪では」

「ツナ缶だけでなんとかさせようとする夫カッコ妻」

「そ…れ…は、若干、罪ですね……」

「ほら!」
「でもしーさんならなんとかしてくれると信じて!!」
「うーん便利な信頼の仕方。沙耶ちゃんでぎり許されるよそれは。ほかはアウトだからな???」

(マジで)

(なんか言い方がいつもよりキツイしーさん……!? それほどツナ缶ひとつは罪ですか!? 私一人ならよくあるのに)


END.

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