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新しい寛ぎの空間 〜くつろぎ音Line〜 ご自宅で生の音楽が楽しめるコロナ後の新たなスタンダード

先月最後の土曜日に初めてオンラインコンサートを開催しました。

チャイナの武漢から始まった新型コロナの影響は思いのほか長引いています。緊急事態宣言解除後もなかなか元どおりの演奏活動はできない状態です。つい先日も11月の公演の中止連絡が来ました。演奏会はできても入場制限がかけられるので客席を埋めることはできず、収益は確実に減ってしまいます。私のようにコンサートを企画する人間としてはなかなか厳しい状況です。

そんな中、ついに私もこのしばらく続く状況を踏まえ、オンラインコンサートを開催しました。いつもは忙しいクラリネットの加藤、オーボエの大隈両氏もまだまだ時間はたっぷりあると快諾してくれました。


新しいくつろぎ空間

今回のオンラインコンサートでわかったことは、お客様が新たなくつろぎの形を見つけてくれたこと。やはり、コンサートに行くというのは時間も労力も使うものです。その日程が空いてなければ行けないし、場所も行ける距離でないといけない。

しかし、オンラインコンサートは家で聴ける。つまり、地方の方々でも家で楽しめるのだ。また、コメントもできるので演奏者とのコミュニケーションも取れる。コンサート後の少しの時間での対話よりも長い時間コミュニケーションの時間が取れるのは、対話の仕方は違えど、別の充実感もあるのではないだろうか?


なぜ有料なのか

元々、一昨年あたりからライバーが注目されてきました。ユーチューバーというのはもう職業として認められるくらい有名になりましたが、ライバーというのは生動画配信サービスで生放送をして稼ぐ人たちです。

これが緊急事態宣言の間、バブルとなり、今でもかなり賑わっています。これまで人前の演奏を主としていた音楽家も人前に出れないことで配信に転身する人も多かったし、視聴者側も、外に出られないことでそういったエンタメを見るようになり、配信する側も視聴者側も双方が増えています。

クラシックの方々にはこのユーチューバーやライバーなど配信系の音楽家を批判する人たちもいます。演奏の質が悪いということが主な批判の理由ですが、私は配信系の音楽家には肯定的な立場です。これはまた別の機会に詳しく書こうかと思いますが、それぞれの表現の形があって良いわけで、例え演奏の質が低かろうと、見た目で売っていようと何も問題ないし、何より判断するのは同業者ではなく視聴者です。同業者からの批判は単なる「そういった活動をできない人からのやっかみ」でしかないと思います。

私のユーチューブチャンネルを手伝ってくれているしおりDはもう何年もユーチューバーとして活躍してますが、その日々の仕事内容はなかなか真似できることではありません。

さて、では私はそこに肯定的なのになぜ有料配信という形で始めたかというと、有料配信だから感じる演奏家としての緊張感があるからだ。

不特定多数の聴衆に向けて演奏することも良いが、やはり、私は古い人間で、予めチケットを買ってくれた方々に向けて、自分たちが企画する最善の舞台を楽しんで欲しいという思いがある。

演奏者が事前に集まって練習をして、そして緊張感のある本番をする。この当たり前の構造が生配信系はどうしてもなくなってしまう。コメントに対応し、リクエストに応え、様々な曲を吹いていくことも一つのエンタメの形。しかし、私は昔ながらの形での配信を選択している。つまり、配信をすること以外はただのコンサートプログラムなのだ。リクエストは考慮するが次回以降の話。その場では自分たちが考えて行き着いたプログラムを楽しんでもらえるよう練習をし、本番で一番良いものが提供できるように準備する。

古い形だが、これは今までのコンサートを地方で聞けたり、いつでもどこでも聴けるという魅力もある。チケットを購入すれば演奏会後2週間は録画が視聴できるし、普通のコンサートなので20:00~21:30までという一つの舞台を区切りをつけて視聴できる。今流行っている生配信系とは一線を画す。

そして、トークも演奏も、チケット代を払わないと視聴できない空間だからこそ出てくるものもある。

7/19(日) くつろぎ音Line vol.2のチケットはこちら

8/29(土) くつろぎ音Line vol.3のチケットはこちら


練習は公開

実は練習は公開している。全てではないが、ツイキャスや別の生配信アプリでも公開している。それは日頃クラシックを聴かない方々へのマーケティングと、普段見れない練習風景というマニアックな面と両方の意味を持ってやっている。これはアーカイブを残さないし、その時にたまたま見た人のみの楽しみとなる。ツイキャス内で私のアカウントをフォローしてもらえればたまに練習風景の放送が告知される。私が内緒で配信しているアプリについては個人的にお問い合わせください。これはそのアプリでどれだけ知らない人たちに周知できるかという実験でもあるので。

しかし、実際に知らない人ばかりが見る動画アプリからコンサートのチケットをお買いいただける人もいる。練習風景を見て、これならチケットを買ってちゃんと聴きたいと思う人もいるはずだ。

また、練習風景は意外と興味のある人もいる。私はウィーン留学時にウィーンフィル の練習を聴いてとても勉強になったが、中高生やアマチュアの方など、楽器をやっている人たちにとってはその演奏家が何を注意して演奏しているのか、どういったことを追求しているのか知ることで勉強になったり面白いことがあると思う。こういったことが手軽に配信できるようになったのも新しい技術のお陰だ。


出演者は配信をしていない人が中心

すでに配信をしている人は出演者としてあまり声をかけないようにしている。配信をしていない人だからこそのプレミア感もあるが、何より配信をしていない人たちにとって、こういう企画に乗ることで配信演奏に飛び込める人たちもいるからだ。7/19に出演してくれるフルート奏者の河合雪子は「普段演奏を届けられない地元の方々にもお聴きいただける機会となるのが嬉しい」と言ってくれた。

こういう機会だから配信できる演奏家もいる。だから私は素敵な演奏をする若手を中心に紹介したい思いもあって出演をお願いしている。それぞれ、演奏することに青春を捧げている演奏家ばかりだ。クラシックを勉強している人たちは世間のイメージとは違う人たちも多い。実直に自分の音と音楽を追求している人たちも多い。昔気質と言われればそうなのだが、そうやって磨き上げてきた演奏をぜひお聴きいただきたい。


配信機材も充実しつつある

第一回目のくつろぎ音Lineではコンデンサーマイク 一本にエフェクトなしの簡易な物だった。youtubeに一本動画をアップしてみた↓

まずまずの音だったがやはり質を上げたいと思い、今回はマイクとオーディオインターフェースを新調した。

マイクは国産のAT(オーディオテクニカ)かオーストリア製のAKGかで悩んだが、結局ATで欲しいマイクは品切れで全く手に入らないのでAKG一択となった。オーストリア製ということで、ウィーンにいた私としては縁もあって良いかなと謎の安堵感もあり、ATはそれぞれクリアに満遍なく取れるイメージだが、AKGは高音が華やかで、より間近に聞こえる。今回もフルートの音は綺麗に録れるのではないかと期待している。

さらにはオーディオインターフェースも配信に特化したタスカム製を購入。すでに製造中止でこの時期だけに高騰していたが、これからしばらく使う物への投資と考えて購入。しおりDにもコンサルしてもらい、なんとか7/19の配信から使えそうだ。


これからのくつろぎ空間を目指して

自宅で、出先で、移動中に様々な場所で、生でも録画でも好きな時間に、楽しめるコンサート空間を目指してこれから様々な配信の形を模索していきたいと思います。スマホで、イヤホンで、ヘッドホンで、リビングにある自慢のオーディオで、それぞれの形でお楽しみいただける空間を配信できればと考えています。

私の企画する配信コンサートのチケットはこちらから↓

7/19(日) くつろぎ音Line vol.2のチケットはこちら

8/29(土) くつろぎ音Line vol.3のチケットはこちら

皆様とオンラインで交流できることを楽しみにしております。

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