見出し画像

フィクション不寛容

あるテレビドラマの感想記事で「誤解を招く恐れがある」とあった。
あまり知られていない特殊な職種についての描写がいただけない、とのことである。

フィクションだよ?

大体のものは『この作品はフィクションです』と注意書きがあると思う。
現実を描いたものではない、あるいは想像したものを現実っぽく見せただけ、ということだ。
そもそも誤解も何もあったもんではない、と思う。

確かによく出来たテレビドラマを現実のように思い込むことはあるだろう。描かれたものを「本物はどうなんだろう?」とわざわざ調べる人は少数派かもしれない。または「現実との乖離がひどすぎる!」という指摘を受けることもありえる。そして悪意のある嘘はいけない。
あまりにひどいものは批判される。当然ながらさじ加減が必要だ。

でも、フィクションだよ?

観る人は現実ではないと承知しているはずである。
誰かが描いた愉快な空想を求めていたのではないのか。
真実を真実のまま忠実の描くばかりでは面白くないだろう。だからこその脚色である。
正確なところが知りたければ自分で調べるべきだし、その前提を忘れてはいけない。

件のテレビドラマを観ていないので、詳しいことは言えない。もしかしたらその指摘は前述した「現実との乖離が大きい」ということかもしれない。
だが、どうにも最近フィクションに関して不寛容の度合いが過ぎている気がする。
またはフィクションにリアリティを求め過ぎではなかろうか。

フィクションは非現実と認識して真に受けすぎないこと。
気になるなら自ら調べてみること。
多分、そんなに妙ちきりんなことは言ってないと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?