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セカイ系アカデミー作品 エブエブ オタク心をくすぐる世界線、セカイ系?

エブリティングエブリウェアオールアットワンス(エブエブ)をみてきました。衝撃的な作品でした。。一言でいうなら"ぶっとんでいる"。これがアカデミー賞と聞いたら20年前くらいの人は気絶するんじゃないでしょうか。。
役者の演技、アクション、表現や映画の構成どれをとっても面白く、間違いなく、今年のトップの話題を攫う映画の一つでしょう。

アカデミー賞なの、、??確かに、アカデミー賞か

おそらくですが、この映画、見始めた序盤はこれはアカデミー賞なの。。。と思う人も多いのではないかと思います。表現がちょっといろんな意味でぶっ飛んでいるせいでもあるのですが。。最終的には納得できる作品です。

なぜアカデミー賞なのでしょうか。アカデミー賞作品を見ると(すでにアカデミー賞を取った後に見ると)そんなことを考えてしまうのはなんだか野暮にも思えますが、この映画では。。?

この映画のメッセージとは

この映画は、日常生活にともすれば飽きている人失望している人、あるいはマイノリティとして日常に馴染めない人への、あるはそうした人への共感としてメッセージを与えるものだと思います。このテーマに対して、マルチバースをうまく使いこなしています。マルチバース、他の世界線はあったかもしれない今であり、未来であり、それは過去への後悔のある人の思い描く夢です。マルチバースの能力を強く思い描くのは、過去に後悔を多く抱えている人でしょうし、今の選択肢が少ない人でしょう。この映画はそんな人たちに共感を促します。結局、他の世界線をなくしてしまう主人公の娘は可能性の否定、そもそも実現できないならそういう可能性はいらない、夢は見る必要がないということの表れなのかと思いました。
最終的に、でもね、マルチバースに憧れてもいいけど、今に向き合うことが大切なんだと訴えて映画は幕を下ろします。
マルチバースという概念を持って、今は個々の可能性や多様性の一つにすぎない、ということを示す一方で、そんな可能性をつかめない大多数の人にもそれでいいじゃないかと言っているように思えました。

これはなんか観たことがあるぞ。。

一方、どこか既視感のある映画という風に感じました。帰ってからしばらく、それはなんなのだろう、と考えていました。映画の内容は、なんというか、大学生がこれいけるんじゃね、というアイディアとアクションをめちゃくちゃ洗練した感じで、テーマは今風というか、流行りのものをなんでもてんこ盛りしたような内容です。それをよくもまあこんなに綺麗に盛り付けられたな、、と言う印象を持っていましたが、しばらくして、ああ、これ、アニメだわ、。と気づきました。表現方法が実写映画、というよりアニメに近い感じがするのです。セカイ系なんですね。

どのあたりがセカイ系っぽいかというと、
・特に詳しい説明もないけどいきなり世界の命運を担っている
・その関係が結局2人の関係性の話になっている
・よくわからない抽象的な概念が入る
・意識の内面と世界を繋げている
というところでしょうか。一方で、あまり内容に悲壮な感じがせず、なんだかかんだハッピーエンド?的に収まるあたりはあまりセカイ系という感じではないかもしれません。
また、私がだけが異なる世界線を認識できる、、ってなんか聞いたことがあるような。。ようやく時代が追いついたということなのでしょうか。。
そんな感じで、この映画がなんだかしっくりくるし、よく楽しめるワケはそういうところにあるのかもしれません。普段日本のアニメに慣れている人には意外と難解ではないストーリーとも言えるかもですね。




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