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心苦しく思うこと

瀧山ロスの日々です。
大奥のドラマが終わってしまいました。
毎週楽しみに録画してじっくり見ていたのに。
美味しい和菓子を、ゆっくりと味わうかのように見ていたのです。
特に陰間茶屋の花魁から大奥にやってきた瀧山が贔屓でした。
最後はシルクハット姿で、サンフランシスコへ旅立ちます。
大奥のドラマで、こんなに大変化したのは瀧山だけです。
もちろん、私はよしながふみのファンです。

久しぶりのロスです。
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のジュノさんロス以来です。

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌
Netflix

落ち込むというほどのことはないですが、なにか、ぽっかり、うつろです。
そのせいか、心苦しいことを思い出してしまいました。
あれは、数年前、私は介護従事者初任者研修と、行動援護養成講座の講師をしていたころのことです。

現場での経験もあり、臨床心理大学院での専門的な知識も身につけていた私は、かなり深く具体的な講義をしていました。
わかりやすい、やさしい言葉で、具体的な例をあげて。
時にはグループワークを行い、自分たちの言葉で考えて、そして発表し。

受講生さんたちからの質問には、しっかり答えて。
特に、心のバリアフリーについて語りました。
心の中のバリアフリーについては、まだ世間は周知していない頃でした。

そうやって、沢山の受講生さんたちが資格を取得し、仕事についていきました。
中には、もうすでに介護の仕事を始めていて、資格が必要だからと受講してきた人もたくさんいます。
海外から来た方たちもたくさんいました。
そして、四年制大学を卒業後、介護業界に就職するという学生さんたちが
年々増えてきました。
それまでの受講生さんたちは、家族介護経験者、リストラされた元会社員、転職希望、主婦の方など、人生経験が長い方が多かったように思います。
実際、介護現場の職員は、人生の吹き溜まりみたいな感じで、私自身もそうでした。
だから、キラキラの目をした、希望にあふれた新卒の学生さんたちが、介護の仕事への夢と希望を語るのをとてもうれしく、頼もしく感じました。

けれど、一抹の不安もありました。
それは、介護業界は決して、理想に溢れてはいない職場で、福祉関係者でもやさしくない人はたくさんいて、利用者さんのことよりもお金儲けが大事な人がたくさんいて。
パワハラもいじめも、ものすごくあって。
なんの知識も、専門性もない人たちが、いい加減なことを言ったり、ハチャメチャなケアをして、良くなる人も良くならなくなってしまうことがたくさんある。

そのようなことをたくさん経験してきた私が、そのような現場に、若い人たちを送り出すということが、もう心苦しくて。
さあ、みんな、元気で巣立っていってね。
いい仕事してね。
と心から送り出せない自分が悲しかったのです。

かつて私がケアマネをしてた有料老人ホームに就職した、特別支援学校の卒業生のお母さんが、娘さんが退職するときに言った言葉を思い出します。
「福祉の仕事の人はみんなやさしい人かと思っていたけど、そうではなかった。」
その娘さんは深く傷ついて辞めていきました。
そのあと私も、その職場を辞めました。

戦場に教え子を送り出す教師たちは、こんな気持ちを味わっていたのでしょうか。

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