サポーターは多種多様な価値観を持った人の集合体 サポーター行動分類20 日本のサポーター論の入口

画一的に見えるJサポーターだが、実際は多様な考えや行動様式を持った人の集合体だ。だから「サポーターはこうあるべきだ」「あいつはサポーターではない」などという画一的な考え方が成立しないのは当たり前のことと言える。

「知ってる人も知らない人もみんなでワイワイ観戦できるのがスポーツの良さだと私は思うんだけどな」と、おのののかさんがいう通り、様々な人が、スタジアムでスポーツを楽しんでいる。サッカーも例外ではない。

「サポーター」と一括りにされているが、実際には、どのような人がいるのだろう。

「ああいう人、いるよね」「あるある!」「変わった人もいるよね」・・・。

いくつかの切り口でサポーターを分類することができる。分類すると「サポーターとは、どのような人の集まりなのか」が見えてくる。

「思想分類 5種類」「ファッションによる分類 5種類」「行動単位による分類 2種類」「参加方法による分類 2種類」そして「行動分類20」。

今回はサポーターの「行動分類20」を紹介する。

「行動分類20」には「サポーター指数」を加えている。「サポーター指数」はサポーターが考える「応援に貢献していると考えられるサポーター」像をアンケート調査で把握し数値で見える化したものだ。つまり、数字が大きければ大きいほど、多くのサポーターから支持を得られる。とはいえ、数値が少なくてもサポーターである。255名のサポーターの協力によるアンケート調査結果から算出し、満点は100。最も高い数値を示しているのは「13 駆け出しサポーター  サポーター指数86」。余計なしがらみも迷いもなく、熱心に応援するビギナーが最も応援に効果の高い行動をとっていると、アンケート調査ではサポーターから評価された。

1 コアサポーター  サポーター指数62
 チームの色彩による装飾がなされ、試合開始のだいぶ前の時刻から競技場に集結する。主に開場と同時に立ち見が許されるゴール裏席に陣取る。選手への野次は少なく、味方選手への賛辞を個々に声援で贈るよりもコールやチャントの一糸乱れぬ団体行動を優先する。

2 コールリーダー  サポーター指数58
 サポーター集団を統制する者。サポーターの人数に関わらずコールリーダーの象徴としてトラメガ(拡声器)を手にする場合が多い。 脚立を持ち込み、通常の座席よりも一段高い位置からサポーターからの注目を受ける場合もある。

3 リーダーサポーター  サポーター指数60
 コアサポーター集団の内部の組織の統制を図る。トラブル用のリーダーやコールリーダーをサポートする応援リーダー、旅行の幹事としてバスや集合場所の手配をする幹事リーダー、祝勝会の手配をする宴会部長リーダーもいる。

4 ベビーサポーター  
 主にママサポーターに連れられてスタジアムに来ているサポーター。ママがチームカラーのファッションコーディネイトをして着飾っている。早い人では1歳未満からのスタジアムデビューも。成長すると駆け出しサポーターに移行する場合が多いが、両親の影響を受けて、いきなり玄人派サポーターになる場合もある。

5 ビッグフラッグサポーター  サポーター指数67
 大型の旗を振っているサポーター。振り方タイミングなどのルールがクラブごとに存在する。スタンドの最前列に陣取ることが多い。幅が10メートル以上もある巨大フラッグや巨大横断幕、ビッグジャージを展開するサポーターもビッグフラッグサポーターと呼ばれる。

6 楽器サポーター  サポーター指数69
 太鼓、トランペットなど、応援のリズムを作る楽器を演奏するサポーター。試合を欠席すると応援が成立しにくくなるため応援の負担は大きい。

7 無頼派サポーター サポーター指数28
 対戦相手サポーターが「聖域」に近づくと追い払おうと形式的な威嚇をする。

8 武闘派サポーター  サポーター指数11
 どこのクラブにもわずかにいる乱暴なサポーター。対戦相手サポーターや選手に危害を加えたり横断幕に損害を与えたりし、警備会社や警察の取締りにあう。スタジアムを無期限出入り禁止になることもある。世間では、この武闘派の行為がサポーター全体の行動と映るので、一般のサポーターにとっては悩みの種。人種差別など、反社会的な横断幕を掲出するサポーターもここに含まれる。ネット上で他クラブを応援するサポーターへの挑発を行う「ネット番長サポイーター」も、ここに含まれる。

9 自然派サポーター  サポーター指数68
 試合を見るために競技場に来て、応援するクラブへ声援や拍手は行う。チャント、コールやコレオグラフィに参加するが、コアサポーターの仕切りで行う事前準備には積極的には参加しない。

10 玄人派サポーター  サポーター指数34
 バックスタンドやメインスタンドに陣取り、監督以上に知識を持ち、玄人はだしの説明をする。

11 凶悪サポーター  サポーター指数53
 辛辣ながら皮肉の効いたおもしろおかしい寸評で野次を飛ばす。バックスタンドに多い。野次サポーターとは紙一重の違いがある。「凶悪」の語源は20世紀末に、インターネットの普及とともに皮肉やおもしろおかしい寸評で情報を発信して人気を集めたサポーターサイトが「凶悪系サポーターサイト」と呼ばれたことから。

12 野次サポーター  サポーター指数11
 うっぷんばらしに競技場に来て、汚くユーモアのない野次を怒鳴る。酒に酔っていることもある。バックスタンドに多い。代表的な野次は「金返せ」。

13 駆け出しサポーター  サポーター指数86
 先輩サポーターの行為を注意深く観察し、コールや手拍子のリズムを修得しようとする。立ち見が許されるゴール裏席に集まる傾向がある。

14 ママサポーター  サポーター指数55
 小さなお子様を連れて観戦する。多くは出産前にコアサポーターとして活動。出産後にスタジアムへ復帰している。お子様の動きに気を取られ、ピッチ上に集中できないのが悩み。

15 選手サポーター  サポーター指数47
 クラブよりも好みの特定選手を追う。多くはユニフォームを着用し、背中に好みの選手の名前をプリントしている。好みの選手の移籍や引退で観戦するクラブを変更するケースもあるが、多くは特定クラブの応援を続け、特定のクラブの所属選手の中から好みの特定選手を遷移していく。コアサポーターへの変身も珍しくない。

16 代表サポーター  サポーター指数33
 特定のクラブを応援するわけではなく、日本代表の応援をしている。Jリーグの観戦(ホーム・アウェイ)への出費が少ないため、FIFAワールドカップやAFCアジアカップへ日本代表を応援しに行く予算を確保できている。ふらりとJリーグのスタンドに立ち寄り、中には、特に応援しているわけではないが、その試合限定で観戦クラブのユニフォームを着用してゴール裏席に紛れ込むこともある。

17 外国人サポーター
 日本在住中に特定の応援クラブを定め、熱烈に応援する。スタジアムの中で独自の外国人コミュニティを形成する。母国へ向けて応援クラブに関する発信も行う。

18 ネットサポーター  サポーター指数39
 IT機器を片手にツイッター画面を眺めたり、ネット中継動画で実況音声を聞きながら観戦する。試合中にスタンドからツイートすることもある。

19 アウェイサポーター(関東サポーター)
 現在は首都圏在住だが自らの出身地などの地元クラブを首都圏から応援する。関東地方のアウェイゲームをほぼ皆勤している。

20 勧誘サポーター  サポーター指数75
 新たな仲間との出会い、サポーター集団やボランティア活動への参加の勧誘を熱心に行う。

この分類は1983年に日本語版が出版されたデズモンド・モリス著「サッカー人間学」(原題‘The Soccer Tribe’サッカー部族)をベースに、現代の日本サッカー風の解釈と、アンケート調査によるサポーターの声を踏まえて作成した。

デズモンド・モリス
 英国出身の動物行動学者。動物行動学・ジェスチャー学の啓蒙的な著作者として知られる。代表著作は『裸のサル』。「人間から文化という精巧で多様な飾りを取り除き、ヒトとして視た時に、如何なる生きものであろうか。」その視点に立って、人間の根底にあるヒトの分析を試みた。

あなたは、どこに該当するだろうか。

「サポーター3年生からの日本のサポ論」では、「思想分類 5種類」「ファッションによる分類 5種類」「行動単位による分類 2種類」「参加方法による分類 2種類」等の多種多様なサポーターのタイプについて説明しています。そして「クラブによって異なるチャントの個性」や「なぜ地方自治体がサポーターに注目するのか」等についても書いています。

ぜひ「サポーター3年生からの日本のサポ論」も併せてお読みください。

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日本のサポーター論の入口

サポーターとは誰で何をしている人たちなのか。日本固有の文化とサッカーが融合して生まれたサポーターカルチャーを文章化した。日本のサポーター論の入口を紹介する。
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