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はじめまして、赤ちゃん(出産記録)

はじめに

11月3日の21時半頃、予定日から遅れること2日、とても元気な男の子を出産しました。分娩所要時間、約22時間。間違いなく人生でいちばん頑張った日。
いろいろ慌ただしかった… という1日で、自分用の記録を兼ねて、書きたいと思います。

こんな人の出産の話です。
・初産、予定日を超過し、誘発入院日が決まるもその前に陣痛がきてそのまま出産。予定日である2日前からおしるしあり。
・無痛分娩。計画無痛ではなく、陣痛があり、お産が進んだ段階で麻酔を入れるタイプの方。和痛分娩とも言うやつ。

0時過ぎ:陣痛?

日付が変わった頃、腹部の鈍痛で目が覚める。生理痛のような痛みが2分くらい続き、10分くらいの間隔で繰り返している気がしたので、一応アプリでの計測を開始。
基本は10〜12分感覚だったけれど、個人の感覚でアテにならないし、まだ病院に連絡する段階ではないような気がしたのでとりあえず耐える。

アプリ使うの性に合わない、って
言っていたけど冷静でいられたのは
このアプリのおかげ。
文明の利器さまさま、ありがとう。

3時頃:間隔が遠のく…

3時頃になると、少し痛みの間隔が遠のいた。これは本陣痛ではなくて、前駆陣痛??? と思い始める。
痛みが細切れになり、その間に寝落ちするように眠れたので、今思えばそれはそれで助かったのだけど。

朝になった時に食事がとれるか分からないので、明け方頃に痛みの合間を見計らって簡単に朝食。その後、もしかしたら今日のうちに入院かもしれないと思い、荷物の最終チェックをする(結果的にこの日に入院&出産だったので、我ながら良い判断)。

その後も10〜15分の感覚でダラダラ痛みが続く。短くなるわけでもないので、これは本陣痛じゃないのか…と思い始める。
7時頃、夫が起きてきたので陣痛のようなものがきていること、もしかしたら病院に行くかもしれないことを伝えた。

トイレのたびに、血混じりのおりものが出ていたのだけど、昨日よりは水っぽいような気もして、もしかして破水しているのか??と不安になる。

8時頃:痛みが5分間隔に&病院に電話

突然、痛みの感覚が5分間隔になったので焦る。痛みが遠のいたり、不規則になっていた時もあるから判断には困ったけれど、10分よりは短くなってきているし、このまま迷い続けるのも気疲れするので一度、病院に電話をすることに。
現状を伝え、とりあえず9時以降に一度、病院に行くことになる。電話応対の感じだと、結構微妙そうで、診察後返されるのかなあ、と内心は思っていた。

夫の運転で、とりあえず病院へ。普通の時は気にならないけど、車の振動がかなりしんどく感じる。祝日だったので、通勤ラッシュに巻き込まれずに済んだのはラッキーだった。
途中、夫の判断でコンビニに寄り、おにぎりとかお茶類を念のため購入。わたしにそんな余裕はなかったのだけど、後々のことを考えると、これも助かった。

9時:診察&とりあえず入院に

9時過ぎに病院に到着。待ち時間の間にトイレに行っていると、助産師さんに「大丈夫ですか!?」と慌てられる(実際は単なる尿意だったのだけど、いきみと便意は似ているから、確認したみたい)。

しばらく待って、9時半頃に診察。内診してもらったところ、子宮口の開きは1センチ、破水もしていないらしい。医師の方は「うーん……微妙だな……」って言われていたけど、とりあえず入院になった。帰されるかもしれない、と思っていたので入院できて少し安心した。夜中から家で耐え続けていたから、しんどかったんだよな。

このあと午後に破水が発覚するのだけど、その時も量が微妙で自分では判断できなかった&助産師さんからもはじめは「破水かなあ…?」という反応で、仮に帰宅していたら日に2度診察を受けるのも気が引けたと思うので、ここで入院できたのは幸運だったと思う……。
たぶん、お産が混み合っていたらこの時点で帰されていただろうな、と後に夫と話したりした。そのくらい、医師と助産師さんの反応は微妙で、申し訳なさもありつつ、でもつらいんで… という気持ちだった。

10時:分娩前室

分娩前室、というところに通される。
(靴を脱いでスリッパに履き替えるよう指示されたのだけど、妊婦用が少しだけフカフカで、立ち会い用のものは薄め、と区別されていて少し面白かった。夫も同じことを思っていたらしい。)

分娩着に着替えて、横になる。アプリでちゃんと測っていなかったけど、痛みの間隔は5〜10分という感じで結構ばらついていたと思う。

本当はストローで飲めるミネラルウォーターを出してもらえたみたいだけど、助産師さんが忘れていたみたい。コンビニでお茶を用意していたので良かった。水分補給の時に、ストローキャップが役立つとは聞いていたけれど、本当に楽だなあ、とすぐに実感した。どの妊婦さんも言うだけのことはある。起き上がるのが、まず無理だから……。

夫が気分を紛らわした方がいいんじゃないか、と福岡ソフトバンクホークスの秋季キャンプのライブ配信を、パソコンで流してくれたけれど、正直その余裕はなかった……。
夜に感じていた痛みよりはきつくなっていて、どうなるか分からないけれど病院に来てよかった、と早くも思っていた。

途中、体勢を変えた時に水っぽいものを股に感じて、トイレに行く。血混じりのおりものという感じだったので、助産師さんには特に報告しなかった(診察の時に破水してないって言われていたから、そう思ったのだけど、もしかしたらその時には破水していたのかもしれない)。

12時頃:昼食

お昼、出してもらえないかと思っていたが、わたしの分は用意してもらえた。立ち会いする夫のとのはないから、コンビニで買っていてよかったと思う。

まだ写真を撮る余裕があった。

食べられるか不安だったけれど、明け方に少し食べたきりだったので、お腹は空いていたみたい。温かいお味噌汁とおにぎりが、個人的にはありがたかった。
全部は食べられないと思ったけれど、これからのことを考えるとおにぎりは食べたほうがいいのか… と思い、頑張って2個食べる。お魚の半分とフルーツは結局食べられなかった。

おかしな話だけど、食事中に便意を感じて2回くらいトイレに駆け込む。
その時も血混じりのおりものが水っぽいとは思ったけれど、「まあ破水してないって言われたし……」と考え直す。

昼食後、気のせいかもしれないが痛みが増したようで汗をかくようになり、夫が冷房を入れてくれる。

13時頃:お風呂の準備&破水発覚

痛みの5分間隔くらいで、あまり狭まっていない。ただ、痛い時に唸り声を上げてしまうには痛くなっていた。
これが本陣痛じゃないなら、いつまで耐えなくちゃいけないんだろう……と考え、気が遠くなる。
助産師さんから「お風呂に入ってみて、それでも変わらなかったら、一旦帰ったほうがいいかもね」と言われ、お風呂の準備をしてもらうことに。

助産師さんには「ここにいても、寝ているだけだしね…」と言われたが、「家にいても横になって痛みに耐えるだけだから変わらないのでは?」「どうせなら、ここに居させてほしい…」と思っていた(後に知ったが、夫も同じことを考えたらしい)。
たぶん、環境の問題という趣旨のことを言いたかったんだと思うけど、わたしの性格上、家にいても判断に迷うだけだからこのまま病院に残りたい、という気持ちのほうが強かったんだなあ。別にその言葉に傷ついたとかではないし、助産師さんには感謝しています。

13:20頃、お風呂の用意ができたと言われたのでバスルームによろよろ移動。分娩前室に来る時よりも、明らかに足取りがよろよろ。お風呂場の説明を受け、助産師さんが退室した後、のろのろ服を脱ぐと足をつたうように液体がぽたぽたと滴り落ちていた。
破水??尿漏れ??と混乱するも、無臭だし尿漏れでないような気がして、念のためナースコールで報告。助産師さんは「うーん……破水かなあ……」って感じだったけれど、破水の場合はお風呂は駄目ということで、シャワーだけ浴びて、部屋に戻って検査することに。
次のシャワーがいつかわからないので、とりあえず全体的に浴びた後、お腹まわりを温めるようにした。

服を着て、部屋に戻る頃には結構しんどくて、よろよろ呻きながら横になっていた気がする。
夫は退出して、エレベーターホールで待機。その場で内診を受ける。
結果、破水していて子宮口も4センチくらいは開いているそう。破水って、もっと気付きやすいと思っていたけれど、こんな感じで滴り落ちることもあるんだ……。家だったら、尿漏れかもって自己判断していたかもしれない。

14時頃:分娩室に移動、無痛分娩の麻酔を入れてもらう

ついしばらく前までは、助産師さんの態度は帰宅モードだったけれど破水ということで、このままお産になるらしい。帰らずに済んでほっとしつつ、だからこんなに苦しいんだよ……と頭の片隅で思ったりしていた。

ここからはあまり時間の経過を覚えていないのだけど、常にずっと苦しくて、呻き続けていたような気がする。これで4センチなんだ……と、考えてお産の厳しさに気が遠くなった。もう今すぐお腹切ってくれてもいいとさえ、ぼんやり思っていた。
助産師さんはバタバタ分娩室の準備をしてくれていたみたい。夫はその間、エレベーターホールで待っていたらしい。急に「破水してました!」「分娩室に移動します!」だから、びっくりだっただろうな。

たぶん14時くらいに分娩室によろよろ移動。次のトイレがいつになるかわからないから、と言われトイレに案内されたけど、意識が朦朧としてトイレのスリッパのまま分娩室に来てしまい、「すみません……」と謝った。
よろめきつつ分娩台になんとか横になる。
内診してもらうと、子宮口の開きが6センチになっていた。そんなにすぐ変わるんだ……。なんか、ほかにもお産の進捗らしきことを助産師さんが言っていたけど、よくわからなかった。進みは良いよ、と言われ希望が芽生える。

無痛分娩を希望していたのだけど、子宮口が開いてきているから麻酔ももう入れて問題ないらしく、痛みに呻きながらも、「良かった……」と思った。状況によっては麻酔なしになるって聞いていたし、まだまだ耐えるものだと覚悟していたので……。祝日だから無理かも、とかちょっと思っていたのですごく嬉しかった。
点滴の注射も、いつもは怖いなとか思うけど、その余裕がないので、助産師さんの言葉にただ頷くだけになっていた。

麻酔の準備ができたらしく、14:20くらいから麻酔を入れてもらう。硬膜外鎮痛の説明を受けた時には、処置の時にパニックにならないか不安だったけれど、もう痛みでそれどころではなく、一刻も早く楽になりたいという感じだった。丸まった姿勢になる時にお腹を圧迫してしまったらしく、一瞬だけ吐き気を感じたけれど、痛みから解放されたかったので気合いで耐えた。

たぶん諸々の処置が終わったタイミングで、14:30くらいに夫が戻ってくる。ふたりして「慌ただしかった…」と言ったり。まだ麻酔が効いていないので、時折言葉が詰まりながらも、会話する余裕があったので、麻酔ってすごい。麻酔を入れた30分後くらいには、かなり楽になっていた。

そういえば実家に入院のことを伝えていなかった、と思い出す(家に帰される気がしていたから、連絡してなかった。変にどきどきさせるのも悪いし……)。自分で連絡する気力はなくて、夫にお願いした。

「痛みが我慢できなくなったら麻酔量を足してね」と助産師さんに説明を受けたけれど、途中で効かなくなったりしても嫌だな… という素人的な発想のため、痛くてもさっきよりはマシ、という感じでとりあえず耐える。
結局、麻酔の量は一度も出さないまま、出産を終えた。

夫と話していたら、途中眠気がきたのでうたた寝をする。

16〜17時:子宮口が全開に

16時の時点で開きが9センチと言われる。順調に開いてくれて、ひと安心。
もうトイレには行けないから、ということで管を入れてもらう処置を受ける。
17時で子宮口が全開に。あとは子どもが下りてくるのを待つだけ、順調に下りてきているよ、と言われて今日中に産めるかも、と思い始める。
体温測定をしたら、37度。

18時頃、抗生剤の点滴を入れてもらう。このあたりで、助産師さんが交代して、挨拶を受ける。いよいよという感じがしてきたけど、まだ子どもは下りてきていないみたい。夕食代わりに、ゼリー飲料を食べる。
まだ時間がかかりそうだから、夫も夕食のために一旦外出。

そこから20時半くらいまで、子どもが下りてくるのをひたすら待つ。痛みはもうほとんどないから、夫と話したりする余裕はあった。

20時半:子ども、下りてくる。

下りてきたよ〜ということで、分娩の準備が始まる。
普通、赤ちゃんは下りてくると心拍数が少し落ち着くらしいのだけど、「全然落ちなくて元気ですね…」と言われる。あと、頭めちゃくちゃグリグリ動かしているらしくて、それも珍しいみたい。まあ胎動もずーっと元気だったし、納得といえば納得というか……。

助産師さんから「産まれてくる時の動画とか撮りますか?」って確認される。そういう気持ちの余裕がなかったし、夫もこだわりがないので「いや…」って感じだったけど、強くお勧めされたので撮ることに。結果的には、すごく良い思い出になった。まあわたしの顔は疲れ果てているし、とても人様に魅せられるものでもないんだが。

20:45くらいから、いきみの練習をする。
もう時間のことはよくわからなかったけど、21時くらいに「頭が見えたよ〜」と言われ、やる気が出た。たぶんその頃くらいから、医師の方が分娩室に入ってきたと思う。
会陰切開の説明を受け、頷く。妊娠中は怖いしできれば避けたいなあ、と思うこともあったけど、必要な処置なら受けるし、早く産みたい気持ちのほうが強かった(麻酔も入っているし)。いつ切られたか分からなかったし、全然痛くもなかった。

出ておいで〜と念じながら、ひたすらいきむ。痛みがなかったので、すごく穏やかな気持ちでその瞬間を迎えることができた。

21:31 産まれる

すごく元気な産声ととともに、息子が産まれた。自分でもびっくりしたのだけど、産声を聞きながら涙がぽたぽた溢れてきた。なんかいろんな気持ちがぐちゃぐちゃになっていたと思う。
分娩所要時間、21時間44分。息子もわたしも、立ち会ってくれた夫も頑張ったな。

出生体重が3552グラムで、思わず笑ってしまった。推定体重は3100グラムくらいだったけど、まさかこんなに大きいとは。まあお腹、すっごく重たかったけど。
タオルに包まれた子どもを抱かせてもらう。ちゃんと温かくて、そのぬくもりにまた胸がいっぱいになる。

その後、諸々の処置が行われる。子どもと夫は別室へ。かなり出血が多めだったらしく、点滴入れられたり、なんかいろいろあって、そこそこの時間を要した。後から聞いたら、1リットル近く出血してたので血の気が引いた(500ミリ以上だと、出血が多めらしい)。それくらいの出血でも、輸血とかの処置には至らないんだなあ。

22時半頃に夫と子どもが分娩室に戻ってきた。子どもは帽子被っていて、とてもかわいい。3人の時間を過ごさせてもらいながら、夫と「怒涛の1日だった…」「まさか今日産まれるとは…」みたいな会話を繰り返していた。

わたしの処置中に別室で撮られた夫&息子の
ツーショット。愛おしいのかたまり。
夫がお父さんの顔をしていて、なんだか嬉しかった。

夫は23時頃に帰宅、わたしはなかなか出血が止まらなくてその後も分娩室にいて、薬飲んだりしていた。血が止まったのが日付が変わった1時頃。ご飯が食べられたので、嬉しかった。食後、2時頃に分娩室で就寝。長い1日が終わった。

麻酔が効いていたり、ロキソニンを飲んだからか、後陣痛はよくわからなかった。まあ翌日、全身筋肉痛&骨盤グラグラ&お股の痛み&痔の苦しみ、って感じでお産って大変…… と改めて感じたのだけど。

おわりに

次の出産があるかどうかなんて分からないけど、機会があるなら同じ病院で産みたいな、と思うくらい嫌なところがひとつもないお産だった。

長い時間、立ち会ってくれた夫に大感謝。ひとりではないという気持ちになれたので、お産に対してポジティブに臨めたと思う。

自分の子どもに対して、どんな気持ちを抱くのか、正直産むまでこわかったのだけど、愛しさのかたまりっていう感じ。かわいいのかたまり。

お産を終えた晩から、涙腺が緩みまくり、幸せを噛みしめ、その幸せがなくなることを想像してしまい泣く…… みたいな感じだった。
産後2週間くらいは、気づいたらひとりで泣いている、みたいなことが多くて、自分でも驚いた。もうひとりの自分がその状況を俯瞰している感じだったので、まあ落ち込みのようなものはなかったんだけど。
産後はハイな感じで、疲れてるけど眠れなかった。出産って人生でいちばんの強烈体験のようかものだから、当たり前かもしれない。

病院の食事がどれも美味しかった。産院選びのときにあまり重要視していなかったけど、食事を楽しめるって大切なことだと思う。

記念になるかな、と思って just born 写真撮影用のバナー?を用意していたけれど、当日にそんな余裕はなかった。たぶん3日目くらいにようやく撮ったんじゃないかな。

入院中の写真を見返すと、産まれたてほやほやで早くも懐かしくなっている。新生児期も残すところ10日ほど。時間が経つのは早いね。あまり余裕がないけれど、写真もっとたくさん撮ろう。

長くなりましたが、こんな感じです。

今日で生後3週間。
新生児ニキビが悪化したので、
皮膚科を受診してきた…😢
早く良くなるといいね。

子育てはまだ始まったばかり。
そして、わたしは良い意味でも悪い意味でもこの子の親であり続けるんだなあ、と思ったりしている。
育休を取っている夫と、子どもと3人で過ごす時間は本当に幸せで、死ぬ間際に走馬灯が流れるのならぜひともこの日々をチョイスしてほしいと思ったりするくらいだ。
大変だし、体力的にもしんどいのだけれど、この時間の愛おしさを噛みしめつつ、子どもとの時間を過ごそうと思う。

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