【朗読】紫式部日記52  歳末の感慨⑵

【朗読】紫式部日記52 歳末の感慨⑵

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【歳末の感慨】の続きです。
「師走の二十九日に参る。初めて参りしも今宵のことぞかし。いみじくも夢路にまどはれしかなと思ひ出づれば、こよなくたち馴れにけるも、うとましの身のほどやとおぼゆ。
夜いたう更けにけり。御物忌みにおはしましければ、御前にも参らず、心細くてうち臥したるに、前なる人びとの、「内裏わたりはなほいとけはひことなりけり。里にては今は寝なましものを。さもいざとき沓のしげさかな。」と色めかしく言ひゐたるを聞き

年暮れてわが世更け行く風の音に心の中のすさまじきかな

とぞ独りごたれし。」

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