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何年やってももっとやりたいコトがある、建築管理のはなし。|エコラ座談会 #01

こんにちは、ECOLA noteです。今回は建築管理部2人による座談会をリポートします。
場所は、大町にあるエコラの複合施設「Blank」。あえて外部のライターさんをお呼びして、普段は聞かないような照れくさい話にも踏み込んでもらいました。小林と上柿のよく通る声が場を和ませ、最初からくつろいだ空気でスタートした、つくり手同士のクロストークです。



■ 「建築管理」のしごと


_おふたりは入社してどれくらいなんですか?

上柿 私は6年です。小林さんは長いですよね?

小林 15年かな?前職はハウスメーカーだったんだけど、毎回似たものを作るのに飽きちゃって。注文住宅なんだけど、同じような形になるんだよね。で、辞めた時に声をかけてもらって、仙台に戻ってきた。

建築管理 小林 史紀(こばやし・ふみのり|2007年入社)

上柿 小林さんの経歴はじめて聞きましたね。私は不動産仲介の営業だったんです。営業って建物の構造が全く分からないので、ハウスメーカーに行って学ぼうと思ったけど、結局分からない。これじゃいかんなと思っている頃にたまたま百田社長と知り合って、ゴルフコンペでご一緒したりして、そのつながりで入社させていただいたっていう経緯です。

建築管理 上柿 裕生(うえがき・ゆうき|2016年入社)


_「建築管理」という仕事は、具体的には何をする仕事なんですか?


小林 基本的には、図面を元に建物の中を構築していく仕事ですね。施工業者さんを手配して、仕様や形の納まりを説明して、造ってもらう。それが本当に出来ているかをチェックしたり、工程管理をしたり。発注者さんと、大工さん・電気屋さんなんかの間に立って、ひとつにまとめて現場を完成させていくわけです。指揮者です。

上柿 われわれが手を動かして何かを造るってことではないですね。


_上柿さんが建築管理の仕事を始めたのは、入社してからですか?

上柿 そうです。「宅建」は持ってたんですけど、「施工管理技士」の資格はエコラに入ってから取りました。「建築士」も絶賛勉強中です。
最初の頃は、分からないながらもやってみて、先輩や職人さんに教えてもらったり、社長の知恵を借りたりして仕事を覚えました。インプット・アウトプットをひたすら繰り返して。でも、今でも全然足りない。本当に奥が深いです。

小林 うちの場合、新規で受注したら、後はほとんど建築管理が担当するからね。技術だけじゃなくて、お客さまとの折衝だったり提案だったりが総合的に求められるんですよ。

上柿 営業的な役割は結構ありますよね。

小林 あるね。お客様にはビルの管理会社さんもいるし、ゼネコンやハウスメーカーさん、社宅を持ってる法人さんもいて、割と定期的に仕事をいただくんです。うちには営業部門がないので、一度担当したら直接声がかかることが多い。エコラは特殊だと思うけど、個人事業主の集まりみたいなイメージですかね。

あとは現場ごとに建築管理がそこに合うメンバーを選ぶから、業者さんをよく知るってことも大事なんですよ。難度が高いからこの人がいいとか、小回りが利く会社がいいとか。現場に入って「できません」じゃ遅いからね、得意分野や力量を理解していないと。



■ 「エコラ」の建築管理


_仕事の面白さや大変さって、どういう部分に感じますか?


小林 リノベーションは、一般的なリフォームと違って一度スケルトン(骨組みだけの状態)にするので、間取りを大きく動かせるのが面白いと思ってます。マンションでも水回りを動かして、玄関の脇に自転車を置くスペースを作れるとか。自由度が高い。

上柿 私は不動産の経験があるので、仲介の仕事もするんですよ。スーツを着てお客様を案内したり、契約書を作ったりもしてます。担当も賃貸物件の原状回復やリフォームが多くて、自分の現場にお客様を案内して、竣工前にご契約いただいたこともあります。自分が担当してる物件だから正確に説明できるし、何でも答えられるのは良いですよね。


_得意分野の方向に、守備範囲が広がるんですね。

上柿 そうですね。小林さんだと、まるごと一棟とか。

小林 「箱物」は、最近よくやりますね。昭和の建物って、今とは建て方も素材も違うんだよね。中でも、直近に担当してたホテルの現場がダントツで難しかった!そして昨日、ようやく引き渡しになりました!

上柿 おー、おめでとうございます!

小林 ようやくひと段落した(笑)

上柿 あれ、築年数はどのくらいだったんですか?

小林 築47年。俺、リノベの耐震補強の経験がなかったから、分かる人に教えを乞うて現場にも来てもらったり、専門の会社に構造計算を頼んだり。間違いない方法でやらないと意味ないからね。本当に苦労したんだけど、見た目に表れないところも多いんだよね、こういう(コンクリートの柱)部分もただの“現し”に見えて、削ったり磨いたり、ひと手間加えてあるんですよ。いかにキレイに見せるか、現場ではわりと細かく考えてるんです。

上柿 現場ってどれも面白いですよね。現場に入って、嫌だったことがない。毎回新たな気付きがあって、足らないところは勉強しなきゃいけないけど、繰り返すうちに分かるようになって、ふとした時に「こうすればいいんだ」って気付く。ロールプレイングゲームみたいに、自分のレベルを上げ続ける感覚ですね。自分の市場価値を上げている感じ。

小林 ずっと勉強って、嫌な人にとっては嫌かな?

上柿 「これもできる、あれもできる」って思える人だったら向いてるんじゃないですかね。でも、楽しめないと難しいか。仕事って、楽しいところを見つけないと意味がない気がするんですけどね・・・。
自分の価値を高めるには、良い会社だと思います、エコラは。


■ エコラについて


上柿 私、小林さんがエコラをどう見てるのか、聞きたいです。

小林 んー?(考える)
やってみてから、自分にすごく向いてる職場だと思った。まあ、じゃないと多分続けてないと思うんですけど。
毎回違うじゃん。築年数でも違うし、うちは木造も鉄筋もコンクリートもやるし。最近は県外の現場もあるから、そういうのもテンションが上がるんだよね。

俺も聞くけど、上柿も6年やって業務量は増えてるじゃない?それをこなすモチベーションは?ストレスをどう吐き出してるのか気になる。

上柿 いや、でも私、ちょっとドMなので・・・

_そのまま書きますよ?

上柿 (笑)仕事に関してですよ。
頑張るほど自分のキャパを把握できたり、限界を伸ばせたりするから、自分を知るチャンスだって思うんです。追い込まれる時もあるんですけど、プラスに考えて乗り越えますね。
そもそも、仕事で溜まったものは仕事でしか解消できないと思ってるんです。

小林 確かに!それはある。仕事は、終わらないとすっきりしないもんね。

上柿 しないしない。愚痴をこぼしたところで変わらないです。


_この先、やってみたい仕事はありますか?

上柿 小林さんのように大きい現場をやってみたい。勉強になると思う。

小林 私は「Blank」みたいな複合型に携わってみたいですね。上には賃貸とホテル、シェアオフィスに共有のキッチンがあって、下にテナントが入ってる。こういうの面白いですよね。飲食店が入ると、施工内容もまた違うし。

_エコラって、デザインがずば抜けて良いですよね。

小林 それは、エコラが一社だけで考えないのが良いのかも。いろんな設計会社さんと組むんです。さっきも話したけど、誰と組むかって大事。メンバー選びは、うちの代表のセンスだなと思います。うちにない知識もプラスできるから、良い方向に向くんじゃないかな。

上柿 社内にも、どういう設計でも施工できるって自信はあると思います。

小林 建物にもデザインや機能の流行があるんですけど、うちは先々を見て新しいアイデアを取り入れる会社ですね。

上柿 かっこいい建築物があるって聞いたら視察に行きますよね。

小林 楽しいよね。見たことがない納まりとか素材とかを見るのは(笑)。コロナ前に熊本でリノベしたホテルを見たけど、やっぱり違う発想があった。和洋のミックス具合やコスト面とか。家具や色のちょっとした違いでガラッと変わるから。


_この先、どんな方と一緒に仕事したいですか?

小林 仕事を楽しめる人と一緒にやりたいです。その方が教え甲斐もあるし、楽しいし。いろんなものに興味がある人がいいですね。

上柿 自分を高められる人がいいです。「この問題はこう解決しよう」とか相談し合って一緒に乗り越えられる人。一緒に働いていて気持ちがいい。

小林 あとね、愛嬌も大事なんですよ、人に愛されるチカラ。

_女性誌のタイトルみたいですね、愛され力。

小林 無理に好かれようってことじゃなく、明るさとか、一生懸命やるとかが大事。人間って明るい人に寄っていくじゃないですか。結局、人が動いて、人が作るので、人間的な魅力は大事なんです。

_なるほどですね、いいお話でした。ありがとうございました。

取材・撮影 仙台市大町 Blank

(文:佐藤 智美 写真:はまだ あつみ)