3Dプリンターと運送業

 今週末に卒論の発表があってバタバタしていました 笑
 もうちょっと更新スピードをあげたいところです.

 今回は去年の夏に3Dプリンターに関しての論文もどきを書いていたのでそれに関連する文章を書きたいと思います.
 ファンタジーか,よもやま話な感じですがよろしくお願いします.

 3Dプリンターってみなさんどんなイメージがあるでしょうか?
 簡単には”立体物が作れるプリンター”という認識で間違いないかと思います.

 3Dプリンターは,原理的にはインクを複数回重ねることで立体を作るというものです.
 物を削るものによって立体を作るわけではないので,空洞があったり複雑な内部構造も作ることが可能になります.また,複数材料を使った一体化造形や部品に分けずに一体化した立体を作ることが可能です.
 複雑な立体化や一体化ができることで様々な分野で既に使われているようです.

 金具を作らなくても1点ものが作れるということから工場での試作に使われるということもあるそうです.また,教育教材として学校で使われる場合や,医療の分野ではオーダーメイドの補聴器を作ることに使われているという例もあります.(なんと2014年には導入が報道されています!)

このように便利な道具であり,すでに多くの人の生活を豊かにするために利用されている3Dプリンターですが,もちろん問題点もあります.
 複数の人物が銃の3DCADデータ(3Dプリンターの設計図のようなものです)を使って,3Dプリンターで安価に作成,所持していたという事件がありました.なんと,現在では10万円前後で家庭用の3Dプリンターが購入できるということなので,この問題は大きなものだと言えるかと思います.

 ということで,3Dプリンターに関する功罪などを書いたところで本題である3Dプリンターを何に使うのかという点に触れたいと思います.

 自分が考えていたのは3Dプリンターを使って運送業の負担を軽減することができないか?ということです.

 運送業は近年のネットショッピングなどの普及のあおりを受けて非常に需要が高まっている産業です.しかし,一方でその業務の多さに比例して人材不足の問題も高まっています.

 このような状況の中で運送業の問題を解決するために何が役立つのでしょうか?今話題のA.Iがなんとかできるのかというとそれも難しいような感じがします.
 前回の記事で書いたのですが,A.Iをこのような”物”を対象にした問題に使うのにはソフトに加えて,ハードの問題を解決する必要があります.

 つまり,例えばトラックから荷物をマンションに届けるマシンを作ることによって人材不足を解決することを思いついたとします.
 このとき,まずマンションの地図をあらかじめ確認しておき,届ける部屋の番号から効率のいい部屋の順番を計算する必要があります.これは比較的簡単にできるかもしれません.基本的には部屋の奥から手前へ,上の階から下の階までの道順を計算することになると思いますので,地図データを大量に用意しておけば対応できるようになるかもしれません.
 しかし,これを実際に実行する”体”を用意するとなるとかなり骨が折れることになります.なにせあらかじめ用意した部屋のセットで食べ物を冷蔵庫に入れることで一苦労しているようですので.

 ということでA.Iだと問題を解決するのに必要な技術がソフト面とハード面が必要ですので,別の手段を考えよう.そこで3Dプリンターがそれにあたるんじゃない? というところがこの記事になります.

 3Dプリンターの上記に挙げたこと以外の利点として”誰が使っても再現性がある”ということがあります.つまり,3Dプリンターの操作ができれば職人級の加工技術がなくてもモノが作れることになります.

 例えば今のコンビニにあるチケット発券機のような形で3Dプリンターが普及したらどうでしょうか?
 アマゾンなどで料金を支払い,3Dプリンター利用のコードを受け取ります.アマゾンはCADデータ(設計図データ)をコードと紐づけて,ユーザーがコードを入力したら3Dプリンターで立体化できるようにする,といった形です.
 これならデータ(ソフト面)のやり取りでほぼ完結できますし,留守だったために受け取れないといった場面もなくなります.

 3Dプリンターは食べられる材料をインクとして使うことによって食べ物を”プリント”することも可能です.

 もちろん口に入れるものですから抵抗感もあるとは思いますが,普及してそれが普通になったら応用できる幅がぐっと広がりそうです.

 ということで今回は3Dプリンターを使って運送業の人材不足を解消することが出来るのではないかというお話を書きました.もちろんテクノロジーの限界もあるでしょうし,運送業の必要性がなくなることはないと思います.
 しかし,”3Dプリンター”と聞いて直感的に思い浮かぶよりはずっと応用の利くツールなのではないかとも思います.

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