誠実さは人の心を打つ/42冊目 夏川草介 『神様のカルテ』 小学館文庫
始めに
見てくださって、ありがとうございます。
えだまめです。
今回は、大好きで最新刊まで持っている『神様のカルテ』シリーズの第1作目です。
時系列で見れば『神様のカルテ0』が一番最初ですが、この本はキャラクター達に慣れ親しんだ後に読んだ方が面白いと思ったので、この本を読んだ方は0も読んでみてください。
それでは続きをどうぞ!
栗原一止という人物
この話の主人公は栗原一止という名の、内科医です。夏目漱石を筆頭に数々の文学作品を愛読し、言い回しは作品の影響を受けて古風。一言で言えば、少し変わっています。
ハルと呼んでいる細君を愛していて、生活リズムが合うことも少ないけど、揺るぎない信頼と愛情で成り立っています。ほんと、甘々。
私はこの本の中で、大好きな言葉があります。
これが誰に向けての言葉なのかは、シークレットで。
栗原一止という人物は、変という一言以外で簡潔に説明せよと言われたら、私は「誠実」だと言うと思います。確固たる信念を持ち、病院でそんなことしていいの!?みたいなことも平気でやる。一見変に見えるのは、真意が分かりにくく突拍子もないから。
…いや、変なのには変わりないか。
仕事に向ける熱
このシリーズを読んでいると、毎回ハッとさせられます。仕事に向ける熱量が高いのです。
みんな誇りを持って仕事をしている。
むろん、医者という職業が、人命の生死を左右する一面を持つという意味で、特殊ということは関係すると思います。他の職業と比べても、より、いい加減な気持ちでなれるものでもないからです。
主治医と患者は病気を治す・治してもらうという関係性だけど、まずは「人」として向き合うということが必要不可欠なのだなと思います。人として向き合って信頼関係を築いてこそ、患者は安心してその身を委ねられる。
神様が書いたカルテは変えられないけれど、それまでの時間を濃密なものには出来るよなあと読み返すたびに思います。
キャラクターも大好き
主人公の一止やハルも好きだけど、他のキャラクターたちも魅力的です。
一止と大学から同じの外科医の次郎やコーヒーを入れるのが上手い看護師の東西、そして御嶽荘の住人たち。
特に私は御嶽荘の人達が好きです。本当に変な人達が変な繋がりで、仲良しで。博識な「学士殿」と絵描きの「男爵」。私は男爵が好きです。特に、門出のシーンが。
心根が優しく、思いやりを持った人達がたくさん出てきます。
最後に
もう一回読み返そうかな。
見てくださって、ありがとうございました。
えだまめでした。
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