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“9割がアルバイト” の業界の常識を打ち破り、クリーナーの正社員雇用と地位向上で観光業界を支えるインフラを目指す。

クリーナーの正社員雇用──安定した雇用と給与、プロフェッショナルな技術の習得を通して、私たちは「客室清掃クリーナー」という仕事の価値を本気で向上させていきます。

EDEYANS 代表の片山です。
私たちは、ホテル客室清掃管理 SaaS の開発・提供/客室清掃オペレーション、2つのサービスを提供することで、ホテル業界の大きな課題である “人手不足” を解決することを目指しています。

今回は私たちがこだわる「クリーナー*の正社員採用」についての記事です。

※ 業界では客室清掃スタッフを「メイド」と呼ぶことが一般的です。
「メイド」はそもそも “お手伝いさん、家政婦” という意味で、主に女性を指す言葉として使われてきました。EDEYANS には男女関わらずたくさんのメンバーが活躍しており、また私たちは客室清掃に関わるスタッフたちの地位向上を目指しているため、役割の意味を捉え直す意味でも独自に「クリーナー」と呼んでいます。

コロナ禍が明けて旅行や出張の機会も増えてきた今日この頃。
ホテル業界にとってはこの需要の高まりが喜ばしいことである反面、他方で深刻になっているのがホテル業界のスタッフ、とりわけ客室清掃を担うクリーナーの “人手不足“ です。

特に都心部ではクリーナーやホテルスタッフが不足するあまり、空室にも関わらず部屋の “売り止め” をせざるを得ないことも。コロナ禍でのスタッフの流出と急激な需要の高まりにより、クリーナー・ホテルスタッフに皺寄せが及んでいます。

クリーナーの働く環境を改善し、業務の価値を向上させ、“人材不足” を解消する。
「クリーナーの正社員雇用」に込めた私たちの思いを、ご一読いただけると嬉しいです。


客室清掃クリーナーは、なぜ9割以上がアルバイトなのか?

一般的にホテルの客室清掃クリーナーのほとんどは、アルバイトとして雇用されています。EDEYANS が民泊清掃からホテル清掃へと事業をピボットさせて3年近くが経ちますが、私がこれまで現場で見聞きしてきた体感でいうと、その割合は9割以上で、正社員のクリーナーと出会うことは非常に稀です。

ではなぜ、客室清掃業界ではクリーナーのアルバイト雇用が一般的なのでしょうか?

それは、宿泊業というビジネスの特質上、稼働ボラティリティ(変動要因)が高いからです。
ホテルの稼働率は曜日・季節・イベントなどによって大きく変わります。つまり、クリーナーを正社員雇用して勤務時間を固定化してしまうと、繁忙期・閑散期のボラティリティに対応しづらくなるのです。

一般的にこれは企業経営にとって大きなリスクであり、この状況に適応するためにもクリーナーの側にリスクを負わせてしまう(=クリーナーに不安定な雇用形態・勤務状況で働いてもらう)ことになるわけです。

正社員雇用でクリーナーの地位向上を


「今日は仕事がないので帰ってください」

ここで客室清掃クリーナーが置かれた立場がわかる “業界の常識“ を紹介しましょう。

ホテル客室清掃の8~9割はアウトソーシング。
稼働率に応じてホテル側から清掃会社へと客室清掃が毎日発注され、それを元に清掃会社はクリーナーをアサインしていきます。

ところが、最終的に何部屋分の清掃が必要なのかは、当日の朝になるまでわかりません。というのも、連泊中に清掃を断るゲストや急なキャンセルが出てしまったりすることがあるからです。朝になって蓋を開けてみると予定より仕事が大幅に減っている…という日も、結構あるのが実情です。

そして驚くことに、当日の急な変更に対して泣くのはクリーナーなのです。
朝になって初めて「今日は仕事が減ったのでシフトを削ります」と伝えられ、仕事がなくなる...。当然業務はないので、その日の給料は発生しません。「そんな理不尽なことがあっていいのか!」と思われるかもしれませんが、残念ながらこれが業界の現実です。

このような状況を私たちは快く思っていません。
たしかに、先に述べた稼働率による清掃業務のボラティリティは、簡単に解消できるものではありません。しかし、だからといって、一方的にその皺寄せがクリーナーにいく状態が続くようではクリーナーの成り手が減り続け、ホテル業界自体がもたなくなるのではとさえ思っています。

そうして導いた私たちのアクションが、クリーナーの正社員雇用です。それも有期雇用契約の契約社員ではなく、無期雇用契約の正社員とすること。

もちろん、クリーナー全員を正社員雇用することは難しいかもしれません。
けれども、EDEYANS の「ホテルの新たなインフラをともに創る」というミッションを追求するならば、私たちのあるべき姿は「そのラストワンマイルを担っていただくクリーナーたちと、長期目線でともにチャレンジしていける環境を整えていくこと」だと考えました。

(「 あるべき姿から考え、自分の仮説を持つ」という考えは、私たちが大切にしている行動指針の1つでもあります)

加えて、客室清掃を不安定なアルバイト雇用に頼ってしまうと、離職率は上がり、人が育たず、品質も向上しません。クリーナーの正社員雇用によって、これらの課題も改善されることでしょう。つまりこれは、クリーナーだけでなく、クライアントのホテル、そしてその先のゲストの方々のためにも、大きなメリットがあることだと確信しています。

クリーナーの正社員雇用──安定した雇用と給与、プロフェッショナルな技術の習得を通して、私たちは「客室清掃クリーナー」という仕事の価値を本気で向上させていきます。

なぜ EDEYANS はクリーナーの正社員雇用を実現できるのか?


「クリーナーの正社員雇用にかける思いやメリットは理解したが、リスクは大丈夫なのか?」

クリーナーの正社員雇用に伴うリスクは

① 事業戦略
② 市場ニーズ

という2つの観点から低減できると考えています。

① 事業戦略
EDEYANS は特定のエリアで客室清掃オペレーションを受注し、サービス提供する「ドミナント戦略」を採用しています。私たちがオペレーションを担っている客室数はすでに数千室を超えています。つまり、とあるホテルで稼働が減っても、別の近郊のホテルで仕事をすることができ、臨機応変に人員調整することが可能なのです。

②市場ニーズ
観光需要の回復に伴う急激なホテル稼働率の上昇により、市場の強烈なニーズがあることも支えになっています。

例えば、冒頭でも触れた通り、ホテル市場では空室があるにも関わらずホテル運用に関わる人手が不足していることで部屋の “売り止め” が起こっているのも現実。それほどまでに人員が不足しているために、当日業務がなくシフトに入れない...という状態が起こってしまうリスクは限りなく低いと考えています。

人手不足の解消と客室清掃業務の効率化が急務であると、多くの人が危機感を抱いているこのタイミングだからこそ、クリーナーをよりよい条件で積極採用し、 EDEYANS の “客室清掃管理 SaaS × 客室清掃オペレーション” を市場へと根付かせるチャンスでもあると、私たちは捉えています。

客室清掃管理 SaaS "Jtas" で清掃業務を効率化している

来期、クリーナーの正社員採用100名を目指します

最後に今後の採用計画について。
今期末(2024年5月末)までに30名、来期末(2025年5月)までに100名の正社員のクリーナーを採用する計画です。
シニア層や主婦の時短正社員、外国人の特定技能実習生など、安心・安定して多様な働き方が選択できる環境を作っていきます。

道のりには困難な局面や大変な課題も待ち受けていると思います。
しかし EDEYANS の「業界課題を解決したい、クリーナーの地位を向上させたい」という想いは、変わることはありません。

この記事を読んで、私たちのビジョンに少しでも共感してくださった方は、ぜひ一度お話をさせてください。
ご応募をお待ちしています。

取材企画・協力 / 世界線株式会社

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