【募集告知第3弾】ガーデンはすべてが調和する小宇宙~ウィーバー・佳奈さんインタビュー
Edible KAYABAENのガーデナー募集も残り一週間となりました。
エントリーされた皆さんから寄せられる熱意ある言葉に、KAYABAENという場所の価値やガーデナーとして働くことの意味を、私たちも改めて気づかされています。
ここに集まってくださったみなさんと思いを共有しあい、互いが持つ個性やスキルが最大限生かされるような、そんな関係性をガーデンで育てていきたいと思います。
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さて、ガーデナー募集レポート第3弾です!
この最終回では、私たちが日々ガーデンという場所に身を置くときに大切にしたいガーデナーという仕事の真髄というか、スピリットについてカリフォルニアに暮らし、ガーデニングをこよなく愛する植物学者で薬草研究家の、ウィーバー・佳奈さんにお話をお聞きしたいと思います。
ガーデンはすべてが調和する小宇宙だ
まずは佳奈さんのことを教えてください。どんな背景や経緯があって、ガーデンに関わり始めたのでしょうか?
「私はもともと環境問題に関心があって、”この地球で人間が、自分もその一部である自然界の他の生き物ともっと調和して生きる道はあるんじゃないか” っていう問いを追求し続けたら、最終的にガーデンに行きつきました。
たぶん、この気持ちの原点は幼少期にあります。私は渋谷のすぐ近くで育ったんですが、幼稚園に畑と田んぼがあったんです。高層ビルと国道246号線のハイウェイが走っているすぐそばで、手を田んぼに突っ込むと土のいい匂いがふわって上がってくるとか、田んぼに足を踏み入れたときに足指の隙間から土がにゅるって出てくる感じとか、五感で感じた気持ちいいって感覚を、まだ覚えていて。植物や大地と人間の関係を、どうやってもっと調和したあり方にしていけるだろうか、という今の私の研究テーマに繋がっていると感じています。」
素敵なテーマですね。
ガーデンに関わりながら、どんな世界が見えてきたのでしょう?
「ガーデンはすべてが調和する、小宇宙だということです」
小宇宙⁉
「はい。私にとってガーデンに関わることは、仕事としてちゃんと管理すること、植物を育てるというテクニカルな部分ももちろんあるんですが、それ以上に、ガーデンという場所は、本当にすべてがある、存在する小宇宙だと思っています。
私たちはガーデンで、土や植物や虫、微生物といった生き物や、水とか風といった存在が、おそらく私たち人間の認識では理解できないほど様々に繋がりあっていることを、身近に体験することができます。植物や生命が種全体として、あるいは種を超えて繋がりあう生命全体として、調和に向かうあり方からはものすごく学ぶことが多いのです。
表面的には、虫が付いていたり、植物が枯れていたりしても、全体で眺めてみるとバランスが取れている、そのような姿に出会うたびに、ものすごい感動したり、あー美しいなって思ったりしますね」
他の存在たちと同じ土俵に立つように、そんなあり方でガーデンにいられるといいな。
佳奈さんのものの見方、とっても興味深いです。
ガーデンには生命から水や風といった存在まであらゆるものがあるだけはなく、それらが互いにバランスをとり、調和に向かうあり方が存在する。そこに「宇宙」を見出されているんですね。
「そうですね。数年前森の近くに住んでいた時、野生のレタスがそこら中に生えていたんです。当時5歳くらいだった息子と一緒に、種をいっぱい集めていました。ある日家にいたら、パンパンパンって音が弾けるのが聞こえて、なんだろうと思ったら、家の中のテーブルに種がたくさん広がってて。最初は妖精の仕業かなって思ったら、窓際にレタスがうわーって生えてて、その種が窓からポンポン入り込んでいたんです。
その時にすごく楽しく集めた種を、今住んでいる家の小さな庭にまいたらものすごい勢いで増えて。その種で、今年もまたレタスが芽を出したときに、なんだか小さい庭っていう空間を超えて、世代を超えて、この地が継がれていく感じとか、生きる方向に向かおうとしている生命全体の大きな流れみたいなものを感じたんですよね。時間の枠を超えて植物と触れ合ったような感覚がして、感動しました。
そうした小宇宙のような場所を人間が作り上げるというよりも、同じ土俵に立って、他の存在たちと関わらせてもらうような、そんなあり方で、ガーデンにいられるといいんだろうなって思っています」
そうですね、人間も本来は、他の生命たちと共に地球全体の循環をめぐらす存在ですもんね。
「セラピーでもある気がします。人間社会でいろんなことがあっても、土に触ると自分が本来の在り方に整うというか、自分に戻りやすい場所でもありますね。
今は世の中が揺れていて、確固たるものが見えにくくなってきたように思うんですけど、そういう時だからこそ、本来自分がどういう風に生きたいとか、どういう時に喜びを感じるかを、見つめ直せるタイミングなのではと思っています。ガーデンって、自分のバランスを取ったり、本来好きなものをやれる場所なんですよね」
本当にそうですね。
もし佳奈さんのようなガーデナーがいて、日々ガーデンで観察したことや、発見したこと、感動したことを共有できたら、それは私たちにとってとても大きなヒントになると思います。人間はいかに生きていくのか、という問いへの重要なヒントがたくさん詰まっている。ガーデナーってすごい仕事ですね。
KAYABAENは可能性に満ちている!
佳奈さんは昨年、KAYABAENを訪問してくださいましたね。どんな場所だと感じましたか?
「KAYABAENって、本当に特殊な場所にあるじゃないですか。金融街のど真ん中!。新しいことが生まれるのは、そうした特殊な場所でそれまで出会わなかった異質な者同士が出会った時ではないかな?。その可能性をKAYABAENは持っていると感じます。
私が暮らしているベイエリアは、人種のるつぼなんてもんじゃないくらい、ごちゃ混ぜで清濁混合という感じの場所です。美しいガーデンのすぐ横にホームレスの場所があったり、『エディブル・シティ』でアントニオが耕していたコミュニティファームのすぐ横には大きなハイウェイが走り、低所得者の人々の住宅地があります。そういう極端なものが出会う場所だからこそ、生まれてくる可能性ってすごくある」
『エディブル・シティ』で描かれたような、ガーデンを中心にしたコミュニティづくりは、異種混合の多様性が発展を生み出したんですね。
「ルーフトップガーデンには物理的な制約も多いと思いますし、チャレンジがたくさんあると思いますが、だからこそ生まれるものや、気づかされることがあると思います。KAYABAENが存在して、素敵な場所であり続けることによって、金融街ばかりでなく、東京都全体、日本全体にとっても大きなインスピレーションや影響力が及んでいくんじゃないかって、すごい感じています、。
そんな場所でガーデナーとして働けるなんて、私も行きたい。(笑)」
佳奈さん、たくさんのメッセージをありがとうございます!
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さあ、KAYABAENのガーデナー募集も3月9日(土)までとなりました。
植物や生き物たち、風や太陽や水といった存在たちと共に過ごしながら、新しい価値を生み出していく挑戦に、ぜひエントリーいただければと思います!
Edible KAYABAENガーデナー募集
▷▷第1弾、第2弾の記事をご覧になりたい方は、こちらから🌈◁◁
第1弾!都市だから面白い!ルーフトップ・ガーデンEdible KAYABAENではガーデナーを募集します!!
第2弾!ここは、都市の子どもたちの生きる力を育む、学ぶルーフトップガーデン
皆さまのエントリー、楽しみにしています!
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