車のある生活
18才で実家を出てから車に縁のない生活だった。
ここに来て通院にタクシーを使うようになる。
車って便利だ!
あっという間に病院に着く。
夢のような生活じゃないか!!
原始人のような感想である。
何せずっと徒歩か自転車の生活だったから。
「彼の車で助手席に乗りたい♡♡♡」
という若い娘の気持ちがずっと理解できなかった。
BBAになって少し理解できた。
いや彼氏でなくとも助手席でなくともいいんだけど。
単に車なら。
松任谷由実には彼氏の車の助手席に乗る歌が多い気がする。
「中央フリーウェイ」とかね。
そりゃあそうだ。
デビュー当時は荒井由実だったのが松任谷由実になっているのだから。
芸名として〝荒井〟を使い続ける手もあったのに、わざわざ〝松任谷〟に変えたのだ。
その点、中島みゆきは自分で運転して事故って泣いているような歌が多い気がする。
さーせん。
そして「アザミ嬢のララバイ」でデビュー以来、名字が変わることなく中島みゆきのままである。
私はどちらかといえば……いや、コテコテの中島みゆき派である。
道に倒れて誰かの名を呼び続けたとしても、運転は自分でする。
助手席で彼氏の機嫌をとるよりずっと楽である。
ような気がする。
実は運転免許証は持っている。
見事なまでのゴールド免許である。
ま、単なる身分証明書だ。
免許は取ったが助手席に乗った毒父の指導にブッちぎれた。
以来まるで運転していない。
今からでも練習し直して運転するか?
免許があれば旅も楽しくなるだろう。
鄙びた温泉宿だって一人で行けるぞ。
でも方向音痴だから、車でも迷子になりそうだ。
とんでもない山奥に踏み込んで遭難しそうな気もするぞ。
(同じく方向音痴の父が運転する車でそれに近い被害には遭っている)
じきに免許返納を考える年齢にもなるし。
ここはやはり宝くじに頼るしかないな。
マイカーを買って専用運転手を雇う!
札束で横っ面をひっぱたくのさ。
彼氏と違って気を使わなくて済むもんね。
山の中の秘境温泉に行くにはランドローバーがいいな。
街用にはミニクーパーだね。
ベンツやキャデラックはちょっと畏れ多いもんね。
(外車の銘柄はそれぐらいしか知らない)
と、夢は広がるばかりである。
でもな~。
宝くじに費やす金があれば落語会に行くわ。
……って、おい!!
どっとはらい。
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