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天然パーマと黒い髪

今月はいつになく早めに美容室に行った。
髪の根元に白髪が妙に目立つ気がして。
美容師さんに聞いてわかった。
前回わりと黒めの色に染めたのだ。
だから白髪との境目が目立つ。

なるほどと頷いて、今回は明るめの色に染めてもらった。
数日後、ふと鏡の自分に目をとめて“茶髪”と思う。
私は天然パーマである。
そのくりくりヘアと茶髪は何だかヤンキーみたいで気に入らない。

そうだそうだ。
前回はそれで濃い色に染めてもらったんだ。
つーことは……次回また黒めに染めてもらって白髪を目立たせるか、ヤンキーヘアで我慢するか。
いや、もっと違う色を試せばいいのか?
いっそ金髪とか緑髪とかにしてしまおうか?
髪に関してこんな悩みが訪れようとは。

若い頃、私の髪は漆黒だった。
「黒は重いから明るい色に染めませんか?」
などと勧める美容師さんに、必ず首を横に振っていた。
「日本人の髪が黒で何がおかしい?」
と内心意味不明に思ってた。

悩みは天然パーマだけだった。
毎朝ブラシでぐいぐいと髪を伸ばしたりした。
何の効き目もなかったけど。
ストレートパーマをかけたこともあった。
髪がサラサラ鳴るかすかな音に感動したものだった。
天然パーマは決してサラサラ音はしない。
「これどこの毛?」
などと抜け毛を指先で摘まれたことさえある。
ほっとけ!!

やがて白髪染めを始める頃に出会った美容師さんが、パラダイムシフトを起こしてくれた。
天然パーマを生かしたカットを勧めてくれたのだ。
そのヘアスタイルを見て、
「ゴージャスな髪!」
と賞賛する同僚が現れた。

ゴージャス!!
確かに。リッチにウェーブした髪はまるで外国映画の女優さんのように光り輝いている(顔はともかく)。
おそらく美容師さんのカット技術も優れていたのだろう。
天パを誇らしく思う日が来るとは思わなかった。
今や癖毛を殺さないために櫛もあまり入れない状況である。
(おいおい)
ゴージャスなわりに手入れは楽なのだ。

以来10年近く、その美容師さんにカットとヘアダイを頼んでいた。
その人が遠くに引っ越してからは、新しい美容師さんを探してしばらく美容室をさすらった。
安心して任せられる美容室さんを見つけてもう数年たつ。
髪型はもちろん、髪の色に関しても毎回丁寧に説明してくれる。
それが冒頭の話である。

さて、次回は髪を何色にするか。
最近の若い娘がピンクや水色に染めているのも楽しそうである。
もっともその場合首の下のファッションも問題になってくる。
ただのユニクロや無印では難しかろうし。
どうにも悩みは尽きないものである。

※写真は登別温泉におわします黒髭の閻魔様


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