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取っ手のとれる

取っ手のと~れ~る~ T-Fal

の、取っ手を、くっつけた。
アロンアルファでくっつけました。がちがちに。

次の日、父ちゃんはうちを出ていきました。
母ちゃんは部屋で泣いていました。
ぼくは、もしかしたら、ぼくがT-Falの取っ手をくっつけたから、父ちゃんはうちを出てったんじゃないかと思い、悲しくなりました。
だからぼくは、くっつけてしまったT-Falの取っ手を外すために、うちを飛び出しました。
ぼくはほんとうはがっこがある日でしたが、母ちゃんが泣いているのはやだし、しでかしてしまったことのけじめはつけなければならないので、ぼくはうちを飛び出しました。

だけど、スーパーのお姉さんも、八百屋のおっちゃんも、沢村さんも、どうやって取っ手を外すのか知らなかった。
ぼくは、とちゅうで捨てサルバドール・ダリを見つけたので、捨てサルバドール・ダリに
「なあ、これどうやって外すんかしらん?」
と聞くと、捨てサルバドール・ダリは
「芸術は爆発だ」
と言うので、ぼくは
「それお前の名言ちゃうやろ」
とツッコむと、それから捨てサルバドール・ダリは何もしゃべらなくなってしまったので、ぼくは悲しくなって、捨てサルバドール・ダリと一緒にうちに帰りました。

もう日は暮れかかっていて、母ちゃんは心配してるだろうと思い、ぼくは少し泣きたくなってしまいました。
うちのドアを開けてぼくが「ただいまー」というと、母ちゃんはぼくに「おかえりー」と言ってくれませんでした。
ぼくはおかしいなと思い、サルバドール・ダリと一緒に(サルバドール・ダリはついさっきまで捨てサルバドール・ダリでしたが、ぼくといっしょにうちに帰ったので、もはや捨てサルバドール・ダリではなかった)母ちゃんの部屋に行くと、母ちゃんは知らない男とベッドの上でもみくちゃになっていました。母ちゃんも、知らない男もはだかでした。
ぼくは、母ちゃんが知らない男とはだかでもみくちゃになっていることにびっくりして
「母ちゃん何してるん!」
と聞くと、母ちゃんはぼくよりもっとびっくりした顔で
「たかし!見ちゃあかん!」
とさけんだし、母ちゃんがさけぶのといっしょに母ちゃんのまたからおしっこみたいな、でもおしっこじゃない水がふんすいみたいに飛び出して、ぼくと、サルバドール・ダリと、T-Falにかかりました。その水がT-Falの取っ手にがちがちについたアロンアルファを溶かして、取っ手が外れました。ごとんと音を立てて落っこちた取っ手と、知らない男と、母ちゃんの顔を見たら、ぼくはなんだか腹がたってきて、落っこちたT-Falの取っ手を、知らない男のお尻の穴に刺しました。
知らない男は「いちちちち……」と言い、その声をぼくはぜんっぜん聞きたくなくて、サルバドール・ダリの背中に乗ってまたうちを飛び出しました。

サルバドール・ダリはぼくを背中に乗っけて、めちゃくちゃに走りました。
夕日はとても真っ赤で大きくて、ぼくとサルバドール・ダリはとてもちっぽけでした。

「おー、面白いじゃねーか。一杯奢ってやるよ」 くらいのテンションでサポート頂ければ飛び上がって喜びます。 いつか何かの形で皆様にお返しします。 願わくは、文章で。